読書録#2
去年読んだ本の中からいくつか紹介します。
(去年InstagramやTwitterの文章に加筆・修正したものです。)
①ジョージ・オーウェル著『1984年』。
言わずと知れたディストピア小説の名著です。
『100分deメディア論』という番組で紹介されているのを観て購入したものの、ボリュームと内容の重さに躊躇して3年位(もしくはそれ以上)積ん読になっていました。が、去年「今こそ読まなければ」と思い立ち、ようやく読了。
1949年に書かれた作品ですが、ネット管理社会を予言したかのようなストーリーにゾッとします。しかも描写がとてもリアルで、読んでいると自分の体が痛くなるような気がするほど…。というのも、今自分が生きている世界が日々悪くなっていてディストピア味が増しているからかも知れない。
もしも自分がスミス(主人公)だったらどうするだろうと考えながら読んだけれど、答えは今も出ていません。
②村田沙耶香著『コンビニ人間』。
当たり前や常識を根底から疑った作品。
Instgramでは偉そうに
「とにかく読んで欲しいとしか言えない。読んでみないとこの本の凄さは分からないと思います」
とか大それた事を書きましたが、ちゃんと感想を書くと、
『当たり前に「これが私」とあなたが思っているそれって、私なんだろうか?』とふつふつと思える作品です。
村田さんの著書は『信仰』(エッセイを含んだ短編集)も読みましたが、自分の個性を俯瞰で見ていると言うのだろうか。『信仰』も 『コンビニ人間』も自分自身に馴染めない主人公が共通していると思う。
『信仰』に収録された村田さんのエッセイを読むと、この感覚がより分かるかも知れません。
最近ニュースを観ると、「事実は小説より奇なり」という言葉を笑うかのような出来事が続いています。
それでも読書をしていると既存の価値観を揺さぶられたり、圧倒される瞬間が怖くもあり、とても楽しい。この2冊に興味がある方は是非読んでみて下さい。
望月香夜