職住近接がもたらす効率と気づき
「職住近接」、つまり仕事と住まいが近い環境の重要性に気づいたのは、マッキンゼーで働いていた頃です。当時、毎日長時間働き、プロジェクトごとに締め切りに追われる中で、通勤時間がストレスの一因になっていました。クライアント先での打ち合わせが夜遅くまで続き、オフィスに戻って資料を作成してから帰宅する頃には深夜になっていることも珍しくなかったです。寝不足が続き、通勤の往復時間で疲れ果て、効率がどんどん落ちていくのを実感していました。「もう少し通勤時間が短ければ、もっと集中できるのに…」と、当時はよく考えていたものです。
その後、職場から徒歩圏内でに住むようになり、職住近接の大切さを強く感じました。自分の時間をコントロールできるようになり、通勤に費やしていた時間を業務や自己成長に使えるようになりました。
例えば、朝の1時間を運動や読書に充てることで、よりクリアな頭で仕事に臨むことができ、結果的に効率も上がりました。この変化は予想以上に大きく、フレキシブルに働けることが精神的なゆとりにも繋がりました。
ただ、一方で自宅での仕事には意外な落とし穴もありました。
初期の頃、自由な時間に甘えてしまい、仕事とプライベートの境界が曖昧になりすぎたことで、逆に集中力が下がった時期がありました。自宅だと「もう少し休憩しよう」「後でやればいいか」という甘えが出やすく、結果として仕事が後回しになりがちでした。
職住近接のメリットを最大限に活かすためには、自己管理能力と仕事のリズムをしっかりと作る必要があると学びました。
この経験を通じて、職住近接はただ通勤時間を短縮するだけでなく、自分の生活全体にポジティブな影響を与えるということに気づきました。
時間を効率的に使い、集中力を高める環境を自分で作り上げることが、成果を生むための鍵です。
今では、仕事と住まいが近いことの恩恵を受けながら、生活全体をデザインする大切さを実感しています。