宣告｜第一話　祈り

あなたが死を宣告されて3日が経ちました。

宣告は、確定ではありません。
覆るかもしれず、そのままその日を迎えるかもしれません。
私は首に縄を緩く括られているような、いつ襲われるか分からない苦痛を身に覆い、何とか息をして生きていました。

あなたに会いたい。
笑った顔が見たい。
あなたが生きてくれるなら、どんな痛みにも耐えるのにね。

3年間、もがきながら、周りの顔を伺いながら。
常にあなたのことを考えて、暗い海を泳いできたけど、
運命に身を任せるしかないんだね。
理屈も祈りも通じない世界で、周りから聞こえてくる綺麗な言葉や夢物語はいつも霞んで響いていました。

逃げるように情報の海に飛び込んだけど、助かる確率は1％。
白い服の人たちにも、厳しいと言われ続けた。

それでも信じて待っていたい。
私が信じなかったら、あなたを救うことができるはずもない。
あなたの方が苦しいもんね。
私は祈り続けるよ。
宣告はまだ続く。足音だけを忍ばせて。