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ブルーロックはエゴで成長する最高に熱いアニメだった【初見感想】

一気見してブルーロックの初見感想を書きました。
ほぼ勢いで書いた約6,000字の記事です。

※原作未読なので感想は今後の展開とズレてるかも
※感想は9話までのネタバレを含みます

⚽️

ブルーロック

サッカー×デスゲーム
日本をW杯優勝に導くストライカーを育てるため、日本フットボール連合はある計画を立ち上げる。その名も"ブルーロック(青い監獄)”プロジェクト。集められたのは300人の高校生。しかも全員FWフォワード。299人のサッカー生命を犠牲に誕生する、日本サッカーに革命を起こすストライカーとは?

ブルーロック公式 Introductionより


衝撃的な1話

実はブルーロック、苦手なジャンルだと思ってました。
デスゲーム系って仲間内の裏切りで絶望する展開があるじゃないですか?元々悪役だった人に裏切られるならまだしも、仲間内で蹴落とし合うのは精神的にキツくて耐えられる自信がありませんでした。

でも原作が人気なのは知っていたし、試しに1話を見てみました。そしたら…キラキラサッカー少年(吉良きら亮介)がまさかの脱落…

たしかに「友情!努力!勝利!」を地で行く吉良は死亡フラグがありました。絵心えごのやり方を否定していたしブルーロックにいる覚悟がなかった。でも主人公(いさぎ)と声をかけ合う姿を最初に見て「もしかしたら良い仲間になるのでは?」と期待してしまいました。

そしたら即脱落。それだけでショックだったのに、吉良を打ち破ったのが潔というのも驚きでした。衝撃的…だけど面白い…!


エゴを育てる=自己成長

2話以降ビビりながら見るのもしんどそうなので、ある程度溜まってから一気に見ました。そしたら予想以上に面白かったです。

エゴをむき出しにしてどんなストーリーが進んでいくんだろう?と純粋に思いました。チームプレーのサッカーをエゴだけで強くなれるのか…と。

チームZは序盤エゴを出すことにこだわり、同じチーム内でボールを取り合うなど全く協力しようとしませんでした。バラバラのサッカーはまさに0からのスタートです。

「エゴを出す=自分中心なプレー」だと思っていましたが、まず必要なのは相手を打ち負かす圧倒的な自分の武器を見つけることでした。エゴは自分の武器を磨き、その強さで勝利を勝ち取る強い気持ちです。

そのエゴを出すには自分のを断ち切る必要がありました。“鎖”はゴール間際の弱気な自分や、過去のケガから生まれた恐怖心など人によって様々です。サッカーをする上で邪魔な雑念を取り払うことが成長への第一歩でした。成長を遂げ、エゴをむき出しに戦う姿はとても生き生きとしていました。


裏切りの糸目

とはいえブルーロックがやはりサッカーデスゲームだと思わされたのは久遠くおんの存在です。

久遠は面倒見が良くリーダーシップもある人物でした。穏やかな口調や表情は誰が見ても優しく、一緒にいたら自然と信頼してしまうようなキャラです。そんな人が仲間を売るなんてね…まさかね…

私が一番驚いたのはCVが中澤まさともさんだったことです。まさともさんがやる役は優しくて穏やかなキャラが多いイメージでした。声が柔らかいので耳で聞いたとき、”優しさ”がまず浮かぶ声優さんです。

最近だと別作品ですが、ワンダーエッグプライオリティの沢木先生のイメージもあります。沢木先生は優しいからこそ不気味さも感じるキャラクターでした。あのキャラを演じて凄いなぁと思っていたところに、まさか久遠も演じるなんて…

オカン系のキャラが裏切るのも衝撃的ですが、その後開き直ってゲスキャラにもなるんですよ。そこもびっくりしました。

よく見たら公式HPのインタビューで久遠の裏切りを匂わせています。

Q. 演じるキャラクターの印象と役に対する意気込みを教えてください

【中澤まさともさんのコメント】
(中略)ネーミングセンスがちょっとダサい「チームZのおかん」です。そして一次セレクションのとある局面で、チームが覚醒するためのキーキャラクターとなります。
ちょっとニュアンスを変えますが、最初の収録で「彼のエゴを貫くために徹底的にいい人でいきましょう」と監督たちと確かめ合い、収録に臨んでおります。

ブルーロック公式 キャストコメントより

ヒィエエエ…
優しさを生かしたキャスティングお見事です。


意外と優しい絵心甚八

裏切るキャラがいる一方、逆のギャップがありました。
絵心えご甚八じんぱち、意外と優しくないですか?

最初はそれはもう不気味でした。
高校生を青い監獄ブルーロックに集めることもそうですが、ヒョロヒョロした長い手足と死んだような目、独特な話し方はどこか人間離れした怖さがありました。めっちゃ撫で肩だし…

モニターで参加者を監視してる姿はまさにデスゲームの進行役です。与えられるミッションがこなせないと問答無用で脱落させられ、淡々と指示を出していきます。これにビビらない方がおかしい。

でもね、ちょいちょい優しいんですよ。

1次セレクションでチームXと戦うチームZはなかなかチームになりきれず苦戦していました。そんなとき潔が「チームは圧倒的なストライカーから生まれるのでは?」と自分の考えをチームメイトに話します。このまま話し合いで解決するのかな〜と思いきや、

「うんうん。いい線いってるねぇ」

と、まさかのモニターから声が。

「考えてることは合っているが、0を1にする方法が分かってないみたい」と絵心は身振り手振りを交えながら話します(優しい)。そして野球とサッカーの違いを比較しながら説明してくれました(それも詳細に)。加えて「武器を持て!」「才能の原石たちよ!!」と叫び、モニターを切りました。

これって参加者(潔)の考えを褒めながらヒントを与えてくれて、最終的には鼓舞してますよね?優しくないですか??もはや指導者の鏡。

モニターでチームの様子を伺ってる訳だから、もし話が変な方向にいってたら止めてたと思うんですよ。たとえば潔が「このままお団子サッカーで行こう☺️✨!」なんて言ったら、「待て待て待て」とストップをかけていたに違いありません。

しかもこれだけではないんです。

時には絵心のランチタイム中にも声をかけてくれます。
カップ焼きそばを食べながら、「ソースとマヨネーズが合う〜」とお茶目な一面を見せています。これはチームZの緊張を和ませつつ、これから話すことのヒントを暗示しているのでは??と勘繰ってしまいました。

チーム内の現状を改めて認識させた上で、0を1にする方法のヒントを与えます。「自分の武器に何を掛け合わせたら進化できるのか」を課題として提示し、最後に「才能の原石も磨かなければゴミ」と言い切りました。

カップ焼きそばのソースとマヨネーズの組み合わせが最強なように、才能を掛け合わせるヒント(ランチ)を見せています。叱咤激励をした前回のモニターと違い「才能の原石も磨かなければゴミ」と厳しく伝えたのは、初勝利後の気持ちを引き締めるためではないでしょうか。

モニター越しでこのプレゼンや指導ができるってすごくないですか?不気味な見た目も自分が悪役になることで、参加者同士がギスギスしないようにしてるんじゃないかと思えてきました。

チームZでここまでコミュニケーションが取れているなら、全チーム同様にやってたらもう大忙しです。いくらサッカー以外のことはしないと言ってもモニターを監視しつつ的確な指示や指導をしてたら、そりゃあガリガリになります。説明する際の資料も全部自分で準備しているんでしょうか。本当にお疲れ様です。


その他の参加者

印象的だった参加者について

①鰐間兄弟

個人的にこの兄弟ほんと怖いです。何って顔がこわい。

光の入らない目も怖いし、眉毛も意味わからないし、片方喋んないし…それにしてもこの不気味さはどこから来るのでしょうか。色々考えてみたら鰐間わにま兄弟ってどこかデスゲームのキャラクターみたいなんですよね…

この顔って「神様の言うとおり」のだるまにちょっと似てませんか?昔に実写映画を見て、軽くトラウマになりました。(しかも当時デスゲームだと知らずに映画館で見た😭)だから鰐間わにま兄弟が怖いのかもしれない。苗字は陽キャっぽいのに…

この兄弟からしたらとばっちりですね。
(ファンの人ごめんなさい)


②ヒロイン?

ブルーロックを見た時にやたら可愛い子がいるなと思いました。千切ちぎり彪馬ひょうまという男子なんですが…

最初は冷めてましたが実はめちゃくちゃ熱い男でした。
過去の怪我でサッカーを諦めようとしていたのに、潔がエゴをむき出しにする姿を見て再びサッカーへの情熱を取り戻しました。

そっからの千切の変貌ぶりは凄かったです。
挫折を乗り越えた人間は強いですよね。サッカーはもちろん感情表現も豊かになりました。全力で喜ぶし、悔しがるし、ライバルに挑発もします。ゴール決めたら雄叫びもあげるので、ゴリゴリに熱い男です。

でも普段の千切は「あれ…美少女がいる??」と思うくらい顔が可愛いので、練習後に上裸でいたりすると脳がバグります。その後また試合で「ウォーーーッ!!」と叫んでる千切を見て「あ、男だわ」と認識するのを繰り返してました。

それにしてもなんであんな美少女フェイスにしたんでしょうか?部活が舞台のアニメと違って監獄だし、マネージャー枠(ヒロイン)がいなかったから??にしても可愛いすぎる。

熱血美少年は予想外でしたが、今後の活躍も楽しみなキャラクターです。


③蜂楽のメンタル

私は蜂楽ばちらのメンタルがすごく羨ましいです。
大人になってから身体的な強さよりも、精神的に強い人に憧れます。

蜂楽はいつもニコニコしていて自由奔放なキャラですが、結構メンタルの強い人物だと思いました。

たとえばチームVとの決戦前夜。「次の試合で負けたらサッカー人生が終わる…」そんな思いを抱えたチームZは不安や恐怖でなかなか寝付けていませんでした。
潔は恐怖で手が震えるほどです。この時チームZの硬い表情が次々と映し出されるのですが、蜂楽は違いました。ものすごく平和な顔で寝ています。

「え、どんな夢見てんの?」ってくらい平和な顔です。
顔文字ならこんな感じ (=Д=)zzz

潔の真剣な台詞や筋トレ中の國神とはあまりにも対照的で笑ってしまいました。

普通は大事な日の前日って緊張するし、なかなか眠れないですよね。不安もあるし絶対失敗できないなら尚更です。だからどんな時でも“いつも通り”ができるのは大きな強みなんだと思います。

肝心なチームVとの試合でも蜂楽の強さが見られました。チームVに連続で点を取られ、チームZは少し気持ちが折れかけていました。そんななか蜂楽は「面白くなってきた!!」と一人だけテンションが上がっています。

これは気持ちの切り替えが早いどころか、逆境すら楽しめる彼の強さだと思います。そしてそのテンションのまま圧倒的なドリブルで追い抜き、シュートを決めました。その後チームZが一気に追い上げたのを見ると、蜂楽の一本が試合の流れを変えたのは明白です。

彼の強さはチームの士気にも繋がっています。
今後もチーム内で重要なキャラクターになりそうです。


主題歌

主題歌も最高です。オープニング、エンディングどちらも好きになりました。

OP:UNISON SQUARE GARDEN
「カオスが極まる」

疾走感のあるイントロとメロディは、まさにスポーツアニメのオープニングです。しかし、よくよく聞くとブルーロックらしい歌詞になっていました。

歌詞には「邪魔だ、すっこんでろ」「ああ、うざってぇ」「やばすぎんだろ」といったやや乱暴な口調が続きます。エゴイズムだけでなく勝利に向かって足掻いている必死さ焦燥感、興奮が伝わりました。

メロディも走っているかと思えば急に穏やかになったり再び走り出したりと忙しいです。この曲調の変化も試合中サッカー選手が駆け回っているようでした。

きっとフィールドを駆けながら、ワクワクしたり焦ったりゴールを決めて興奮したり様々な感情が巡っていると思います。これがオープニング映像と合わさると短い時間内でドラマを見ているような気分になりました。

こんなに心拍数が上がるオープニングは久しぶりで、毎回飛ばさずに見ています。ブルーロックにぴったりな曲を作ってくれてありがとう…!

MV「カオスが極まる
UNISON SQUARE GARDEN


ED:仲村宗悟「WINNER」

オープニングとは打って変わって穏やかな曲です。
どこかほっとするような曲調ですが、歌詞は変わろうとしている潔世一のようでした。

潔は以前ゴール直前で弱気になり、味方にパスをして勝利を逃しました。負けたことよりも「あのとき自分が決めていたら?」と後悔しています。直前で弱気になった自分自身に対してです。

歌詞の「先に進め」「思考を繋げろ」は自分に言い聞かしているようだし、サビのonly one winner(ただ一人の勝者)と何度も繰り返しているのはエゴをむき出しに勝利を掴む決意のようでした。

またエンディング映像で印象的だったのはチームZの姿です。ブルーロックは様々な学校から参加しているので、チームZはそれぞれ別の高校の制服やジャージを着ています。一難高校のジャージを着た潔は、ブルーロックのユニフォーム姿に変わり、目を開けた先にはチームZの姿がありました。

高校も学年もバラバラで、今は同じユニフォームを着た新しいチームです。このエンディングは過去の弱い自分と決別して、前へ進んでいく希望を感じました。

MV「WINNER」仲村宗悟


あでぃしょなるたいむ!

本編と比べてかなり平和です。
エンディング後におまけのアニメ(あでぃしょなるたいむ!)が流れるので、見てない人はぜひ見てください。大体はチームZの日常でモノマネやったりわちゃわちゃしています。おまけまでちゃんと製作してくれてありがとう🙏🏻

⚽️


ブルーロックは連続2クール放送するので今後も楽しみです。過去が明らかになっていないキャラ、才能が開花していないキャラもいて不明な点が多くあります。新キャラもいるようなのでこれから更に盛り上がりそうです。

みんな見て〜!見て見て〜!!


おまけ

高校生が主役のスポーツアニメは、ほぼ部活ですよね。
同じ学校、同じ部活内で仲間を作っていくのが普通です。ブルーロックは同じ環境で馴染めなかった人や過去に悔しい思いをした人が新たな場所でスタートする点が面白かったです。

ブルーロックで自分と向き合いエゴを出して成長する。
仲間を作れとも言われないし、先輩後輩も関係ない。

意外とこういった環境の方が居心地良かったり、
仲間ができたりするのかもしれません。


※タイトルを変更しました(2022.12.31)

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