帰国子女ってどんな子女
一言で「帰国子女」と言っても、当然色んな人間がいる。滞在場所、滞在年数、そこでの友人関係、一人一人異なるのでそれぞれ全くの別人格に育っているはずなのだが、割と一括りにされる事が多いのが帰国子女の損な所である。
ドラマ、小説、漫画等で登場するステレオタイプはこんな感じだろうか:
英語の発音がやたらいい。日本語のカタカナにさえ、その発音の良さを発揮する。
女子は前髪なしのワンレン。
歯が白い&歯並びが良い
効率重視、風潮や文化は無視しがち。
意見をハッキリ言う。周りが9割YESと言っていても自分がNOならNO。
何かと「海外では」と比べたがる。
社会科、特に日本の歴史・地理に弱い。
・・・と、こんな感じで合っているだろうか(笑)
カタカナを英語発音するのは流石にルー大柴さんしかいないと思う一方で、4以降は当たらずとも遠からず、、、と言うのが正直な所である。ただし、なんの根拠もない体感としては、4以降の要素は誰しも少しずつ持っているが、滞在していた地域や文化・期間・そこで送ってきた体験によってその配分が変わってくるイメージだ。
この配分や滞在期間によって、自分の中では帰国子女を大きく5つに分けられると思っている。勝手ながら私の頭の中の5大タイプを紹介させていただくが、言うまでもなく独断と偏見である。ご承知お願いたいのと、あたしゃどれにも当てはんねぇわと言った人も中にはいるだろう。
A. 現地民化するタイプ
現地に溶け込もうとし、学校ヒエラルキーの頂点を目指すあまり、日本人としての自分を可能な限り隠して欧米化するタイプ。日本語の読み書きはかなり初期に諦めた。(日本には帰国せず、そのまま現地で生活を送る人が多いので実は「帰国子女」とは言わないのかもしれない)
B.長期滞在バランスタイプ
渡航先に長期滞在でかつ、日本人コミュニティに属し続けた人に多い。日本人としての自分を保ちつつ、現地の友達とも上手くやれるバランスタイプ。幼稚園あたりから現地滞在している人に多い。日本語の読み書き能力には個人差があるが、少なくとも話しているだけでは日本育ちと変わらない。日本の社会科が苦手。社会人になると外資系に就職したり、再度海外へ渡り現地採用されたりと生き方が様々である。
C.英語ができる日本人の代表、奥ゆかしい帰国子女タイプ
2、3年滞在し英語を真面目に勉強し、喋れるようになった所で帰国。確実に日本人よりも英語は喋れるが、日本の知識も日本人に比べて遜色ない。自分のことを帰国とは名乗らず、聞かれれば「○○にいた事がある」という言い方をする奥ゆかしいタイプ。社会人になると日本企業で活躍するイメージ。結果的には能力を開花させた人が多いが、ようやく現地に慣れた所で帰国、というような年数なので本人の負担が多くて少々気の毒でもある。
D.短期間かぶれタイプ
比較的短い間滞在し、外国の風をあびるだけ浴びて帰国するタイプ。英語力はそこそこなのに「海外に住んでいた自分」を自らのアイデンテティの中心核に据える。鼻にかけなければいいのに言わずにはいられないらしく、外国風を吹かせては度々本人の預かり知らぬところで炎上している。
E.断固英語を覚えない、硬派タイプ
滞在中、現地に全く馴染まず、英語も覚えずそのまま帰国する、という時折出現する超硬派タイプ。なんとなく日本人離れした包容力があるような気がするが、滞在歴を滅多に人に話さない。不思議と男児に多いような気がする。
と、以上が独断と偏見に満ち満ちた帰国子女のタイプ別紹介であった。言わずもだが、これは欧米リージョンや、現地のインターナショナルスクールに通った人間の分類であるので、英語を使わない地域の公立に通った生徒や、海外に住んだが日本人学校へ通い現地の言語は覚えずに暮らした、という人は含まれない。そういった人達はまた違う経験をして育つのだろう。
ちなみに、私自身はBとCの間の人間だと思っている。流石に10年もいれば英語はしっかり喋れるが、現地ではアジア人を小馬鹿にする人がちょいちょいいたので、欧米にいながらもアンチ欧米的な思考があった(これについてはまた後ほど…)。後から聞いた所、親の教育方針として「断固として日本人として育てる」という考えがあったようで、日本が常に自分のホームであるという意識はあった。そして同時に思うのだ。おそらく、もう少し現地の人間と仲良くなろうという意識があれば、ここまで捻くれずに育ったのであろう。
滞在歴やそこの風土によって育ち方はコントロールできないものが多いが、子供達は私のように捻くれず(笑)、できるだけまっすぐに育ってほしいものだ。最終的にどんな能力を持っていようとも、真っ直ぐオープンにコミュニケーションをとれるようになれば、世界のどこでも生きていけるのだから。
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