第6話:返ってきた模試結果&問われるペーパー対策
いきあたりばったりで小学校受験を経験し、最終的に娘が私立小学校に通うまでのドタバタ受験ストーリーです。前回までの話しはこちらから:
選抜クラスへ移る事がいかに重要かを実感し、とりあえず月に1度開催される模試の結果を待つことにした。到着予想日周辺にストーカーのごとくポストを一日に何度も覗きまくったのが懐かしい。。
その結果、偏差値・・・中の上。
求められている偏差値は上の下あたりの数値であったので、あと一歩足りない状態であった。
解説:模試の採点システム
ところでこの模試の点数だが、小学校受験にどうやって点数をつけるの?と疑問に思っている方も多いのではなかろうか。小学校受験はご存知の通り、ペーパーのみではなく、その他にも運動、制作、質疑応答等、総合的に見て合否の判断に至る。
模試では、以下のように細かく項目ごとに◯や×がつき、それに応じて点数がつくシステムだ。模試にも色んな種類があるので、団体によって評価基準も異なるし、受験人数も異なるが、我が家が受けた模試の内容はこんな感じの配分であった:
▼ペーパー問題20問
▼サーキットについての評価10項目
(体育座りで待っていたか、線まで行って返事ができたか、コーンまでくま 歩きができたか、etc.)
▼絵画制作についての評価10項目
(指示の内容に対して・・・ぞうは描けたか、ねこは描けたか、川は描いているか、木のそばにバケツは描いたか、など)
▼受け答えについての評価10項目
(名前を言えたか、ですます調で話せたか、等)
▼集団行動についての評価10項目
(時間内に完成させる事ができたか、周りと意見を交換していたか、等)
▼その他の評価10項目(落ち着いて取り組むことができたか、ハンカチとティッシュは持っていたか、等)
※厳密ではないので、あくまで参考程度に。
見ていただけるとわかるが・・・
細かい。とっても細かい。。
そしてペーパーの配分が多い。
何を隠そう、、我が娘、、、ペーパーが大の苦手であった。逆に他分野の得点はそれなりにとれていたのだが、遅くに始めただけあって知識が全く追いついていなかった。それもそうだ。我が家は全くペーパー対策をしていなかったのだから。
我が家はなぜペーパー対策をしなかったのか
お教室では、毎週30ページほどのペーパー問題集が配られる。(30ページと言っても、1ページには1〜3問程度しかないので、一応こなせる量ではある)途中までは授業内でやるものの、もちろん終わらないので残りは持ち帰ってくる。我が家ではそのペーパーを終わらせるでもなく、授業中のものを復習するでもなく、家庭でのペーパー対策はほぼゼロと言ってよかった。月に一度配られるドリル集などもあったが、1ページたりとも手をつけていなかった。
偏差値を手っ取り早くあげるのであれば、ペーパーの点数をあげる、それが明確な答えだったのだが・・・私はどうしてもまだ、たった5歳であった我が子を机に向かわせたくなかった。5歳の子供に机上の知識を覚えさせるのはあまりにも不毛だと思っていたし、その知識を5歳の時点で習得したところで人生において一体何のプラスになるのだ?と本気で疑問に思っていた(今も思っている)。私なりの小学校受験への拒絶反応であった。
ペーパー対策をせずに何をしていたのか?
我が家がお教室に通い始めるにあたって、夫婦間で共有していた価値観の一つが、娘の長所は絶対に削りたくないし、受験対策と娘の長所を天秤にかけるような事があった場合は、必ず後者をとりたい、という事であった。
その娘の一番の長所は、あふれんばかりの社交性と、工作への情熱だった。友達と遊んでいる時の娘のエネルギーははたから見ても目を見張るものがあった。知っている友達はもちろんのこと、知らない子にも声をかけて一緒に遊び、中心となって色んな子を巻き込んで遊ぶ子だった。また、手先が器用な事もあって工作が大好きだった娘は、毎日幼稚園で何かしら作って帰ってきていたし、家でも暇さえあれば何かを作っていた。
どうしてもペーパー対策に熱が入らなかった私(と娘)は、その分友達とできるだけたくさん遊ぶようにしたり、家でも思う存分工作をさせていた。日が沈むまで友達と遊び、帰ったら工作。どちらかを切り上げて勉強することもなく、およそ受験生とは思えないような生活を続けていた。
上がるどころか下がる偏差値
そのうち次の模試の時期になり、結果が返ってくる。特に対策のような事はしていなかったが、娘も初回よりはテストの雰囲気に慣れてきたのか、指示をより正確に聞き取ることが出来ていた。偏差値はというと、前回よりやや上がって、目標の数値まであと一歩という所まできていた。このペースで行けば、来月には余裕で目標数値に届き、念願の選抜クラスへ移動できそうであった。
しかし、当時の私はひとつ壮大な勘違いをしていた。「授業とテストを受けていればそのうち点数もとれてくるでしょ!」と気楽に考えていたのだが・・・。
私は気づいていなかったのだ。
テストのレベルは一定ではなく、むしろ本番に向けてどんどん難易度が上がっていく事を。指示の難易度も上がり、ペーパーの問題も難解になっていく。さらに、周りの子のペーパーのレベルも上がっていく。つまり何もしないと点数が下がる&偏差値上がりにくくなるのダブルパンチの展開が待っていた。
さらに愚かなことに、この時の私は模試の偏差値が上がっている事、そして指示行動まわりの正解率が大幅に上昇していた事に安心し、ペーパーの正答率にはまるで目を向けていなかった。よくよく見てみたら、本当は気づくことができたのだ・・・実はペーパーの正解率はむしろ前回より下がっていた事を。(このお気楽さからして、いかにペーパーを軽視していたかおわかりいただけるだろうか。)
そうして迎えてしまった、その次の模試。
まさかの過去最低点更新&偏差値ガタ落ち。
うっわあ。
この時点で既に初夏に入るタイミングです。残り半年切っています。点数が足りない=まだこのクラスのままなの・・・?と前回のベテラン先生の授業が頭をよぎります。
そしてようやく焦り始めます。このままでは間に合わないかもしれない!と。
続く!
今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。この頃の記憶がとにかくもう薄くて薄くて、思い出すのに苦労しました。
今思えば、この時点までは幼児教育としてはまだ迷走していなかったように思います。ペーパーは出来なくてもOK、長女の長所は伸ばし続ける!と割り切っていたので、理想とする子育てから逸脱はしていませんでした。
ちなみにこの長所を伸ばす作戦ですが、これだけは小学校受験を通して意地でもキープし続けました。時間さえあれば人と遊びまくりました。工作は好きなだけ作らせました。結果的にここが評価されて合格したようなものなので、これは続けて良かったです。
そして模試の採点方式ですが・・・今だから言えます。模試の点数自体を追ってもあんまし意味ないです。お教室が開催する模試は公平を期すために、主観を一切排除した要素にのみ◯×を設定するんですが、実際の試験ってその真逆で、試験監督の主観が多分に入ります。
まあその試験監督が好印象を抱きやすいポイントをまとめたものが模試って事ではあるんですが・・・。
例えば、課題の制作物が全然できていなかったとしても、「制作するまでにすごく考え込んでいたので、話を聞いてみたら考えていた事がとても面白かった」とか、本番ではそういう理由で合格になったりするじゃないですか。模試ではそういった曖昧な部分が一切反映されない。
そして未だに理解できない、ペーパーをやる事の意味よ。。いや、ペーパーの正答率が高い子は確かに話をよく聞ける子&努力家の子が多い。ただし、ペーパーが出来ない子の中にも優秀な子はゴロゴロいるし、そもそもこの年齢の1年差を同じ土俵で戦わせるのってどうなのか、と思ってしまうわけです。4月生まれと3月生まれなんて、1年生と2年生でたし算の早解きバトルさせてるようなもんですよ。そんなん十中八九、早く習ったもん勝ちじゃないですか。
最終的にペーパーは「我が家は小学校受験の準備をしてきました」という真剣さのアピールと、6年間学費を払い続けられるだけの財力保証としての意味合いが強いのではないだろうかと思いますが、それだけのために子供のこの多感な時期をペーパー対策に費やすべきなのか、甚だ疑問に思ってしまいます。親もみんなそれを感じつつ、心を鬼にして幼い我が子を机に向かわせるわけです。
何よりも、このペーパーの点数を上げようと躍起になることによって多くの親子関係がこじれてしまう事を学校側は把握しているのでしょうかね。個人的には即刻廃止されれば良いと思っている小学校受験の悪しき風習の一つです。
とはいえ、試験を受けてみて実際に思った事としては、、、学校によってペーパーの意味合いは大きく違うということ。もちろん正答率そのものを見ている学校もあるでしょうが、
・小学校受験に対しての情熱チェック
・長時間座っていられるかのチェック(今後の授業想定)
・人の話が聞けるかのチェック
・ペーパーが著しく得意な子のピックアップ。トップ10%のみピックアップ、あとは他分野で判断、のようなイメージ。あくまで長所の把握の一つとして使う。
・ペーパーが著しく不得意な子の消去法。下から10%のみの把握。あまりにも出来ない場合は候補から外す、のようなイメージ。
・落とす理由づくり(願書時点で見受けられるやばい奴を落とすための口実づくり)
・カンニングする子供チェック
・難題への立ち向かいかたチェック(できない前提で問題をつくる)
・ペーパー対策しすぎていないかチェック(!!)
我が家が受けた学校や、友人が受けた学校の内容を聞く限り、こういった可能性も考えられるかもな、と思いました。特に最後の項目ですが、この学校は説明会でも「あまりお教室に通いすぎないように」と名言していた通り、いつもはペーパーを得意としている子が軒並み落とされていました。事実かどうかはわかりませんが、こういった可能性もあるわけです。
つまり・・・
ペーパー対策は、ほどほどに。
生活を壊してまで対策した所で、学校の方針との不一致も考えられますし、そもそも正答率は見られていない可能性もあります。教室は煽ってくるので次々と難題を出題しがちですが、どんなに難関!と言われている所も、本番は拍子抜けするほど簡単だったりします。学校側も幼児に、机に向かい続けた3年間を求めているはずがないので、(求めていたらやばい学校だぜ・・・)あくまで家庭のペースで進めたれたら良いですよね。でも本番近づくとそんな事言ってられない気持ちもわかります(笑)
「そんな事言ってられない」話は次回からスタートします(笑)!
それではまた!
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