今だからこそ知ってほしい増田達至投手のこと その2
はじめに
わたしの推しである増田達至投手が2024年9月17日に引退を発表しました。
増田投手の引退試合は 、2024年9月28日にベルーナドームで13時から行われ、各テレビ局で放送、ネット配信もされる予定です。わたしは、増田投手の引退試合をすべての人に見てもらいたいと思っています。
このnoteの目的は、今一度増田投手の魅力を一人でも多くの人に知ってもらい、全世界の人々に増田投手の引退試合を観てもらうことです。
増田投手のこれまでを振り返るうえで、どうしてもライオンズ球団という特殊性ゆえ、FA移籍してしまった選手に触れる内容がこのnoteの中には出てきます。わたしのモットーは「ライオンズの選手はすきだ、でもFA移籍した選手を許すことはできない」ではありますが、最大の推しである増田達至大投手の引退に際してはそのモットーをいったん捨て、このnoteを書きたいと思います。
増田達至投手はどんな投手か
増田達至投手のプロフィールを簡単に説明します。
登録名:増田達至
ふりがな:ますだたつし
生年月日:1988年04月23日
身長:180cm
体重:88kg
出身地:兵庫県
投打:右投げ、右打ち
経歴:柳学園高―福井工大―NTT西日本―埼玉西武(1位7’13~)
獲得タイトル:2015年最優秀中継ぎ投手 2019年最優秀バッテリー賞 2020年最多セーブ賞
試合前のルーティン:風呂につかる。時には48℃くらいの熱湯風呂のことも。
ライオンズのいいところは?の質問に「全部」と答える獅子の守護神。
※1 ※2
増田投手の詳しいプロフィールやエピソードは多くて書ききれないので、今回は2020年以降の増田投手について書いていきたいと思います。2020年より前の増田投手についてはわたしが以前書いたnoteをご参照ください。
>>今だからこそ知ってほしい増田達至投手のこと
セーブ王、残留、怒涛の2020年
2020年シーズンは、成績としては、48試合に登板、5勝0敗、防御率2.02、33セーブを挙げ、自身初のセーブ王となりました。また、史上3人目の無敗のセーブ王でもありました。また、同年11月3日には通算136セーブ目をマークし、球団新記録を打ち立てました。※3
そしてオフには国内FA権を行使し、12月4日に埼玉西武ライオンズに残留することを発表しました。公式から発表された、増田達至投手オンライン会見【FA権行使&残留】動画は2分28秒ととてもあっさりしたものではありましたが、見慣れぬ眼鏡をかけスーツに身を包み残留を発表する増田投手の姿にライオンズファンの多くが感銘を受けていたと記憶しています。
また、「しゃべるのが無理」※4と自分を表現している増田投手ですが、その後増田投手からファンに1通の手紙が届きました。※5
その手紙は、「ファンの皆さまにぜひ僕の気持ちをお伝えしたく、この場を借りて僕も“手紙でお返し”をさせていただきたいと思います」という文章から始まり、ライオンズファンへの感謝の気持ちが記されていました。中でも印象に残ったのは「これからは僕を必要と思っていただける人が1人でもいる限り、精一杯マウンドで腕を振っていきます」と書かれていたこと。増田達至を応援するひとりひとりに向けられたメッセージのように感じられてとてもうれしく感じました。
ちなみに、今期シーズンで引退し、増田投手と同期である金子侑司選手はこの残留に一役買っていたらしく、「このままだと(同期がいなくなり)一人になるから」と頭を下げていたそう。※6
後輩から目標にされる投手に
もともと、森友哉捕手、小川龍也投手、平井克典投手など後輩に慕われているエピソードの多い印象でしたが、後輩が増えていくにつれ増田投手を目標にしている、という選手の声が増えていきます。
増田投手のもとには「どうやったらそういうふうに投げられますか?」と質問をしてくる若い選手が増えてきました。※7 2022年に自身の壁にぶつかった際、豊田コーチにアドバイスをもらいピッチングを「日々勉強」していると話していました。※8
2022年はブルペン陣の雰囲気がとてもよく、増田投手と後輩の投手たちが仲良くしている姿は、試合後の「ハイタッチ動画」からも伝わってきました。試合で活躍した中継ぎ投手に対し感謝の気持ちを込めてブルペン陣がカメラに向かって順に「哲のおかげです」という姿が印象的でした。それに対し宮川哲投手は「達至のおかげです」を流行らせたいと意気込んでいました。※9
わたしがブルペン陣が大好きになったころの2017年ころのブルペンでは、牧田和久投手・小石博孝投手・大石達也投手・高橋朋巳投手・武隈投手など増田投手の先輩や同級生の投手がたくさんいました。
そこからだんだん後輩が増えていき、増田投手がブルペンリーダーとなりました。先輩、同僚と戦っていたあの頃から、ブルペン陣のリーダーへ。その変化は感慨深いものがありました。増田投手はブルペンで「何もしていない」と言いながらも、「若いころの経験があるので、自分が年齢的に上の立場になってきたときに“どういうブルペンにしたい”というか、“こうしたほうがいいんじゃないか”」という思いがあったと話していて、「ブルペンでいつも気を張ってしまうとしんどいし、シーズン通すとどんどん積み重なっていってしまう。やるべきところはしっかりやって、リラックスするところはリラックスするというメリハリをつけられたらなあと思って」とブルペンに対する思いを語っていました。※10
2022年に内海哲也投手、十亀剣投手が引退し、ライオンズ投手陣の中でも最年長は増田投手となりました。また、プロ15年目である武隈投手も2022年で引退したため、増田投手は現役生活期間を1番長く続けている投手にもなりました。
2023年にはピッチングスタイルはまた最近かわってきたとも言い、年を重ねながらも野球を続けていくために努力を重ねていました。増田投手の動じないメンタルもキャリアを積むにつれ変化していったようで、「年々(気持ちを)切り替えられなくなりましたね。最近はもう引きずってます。というか、不安のほうが先にありますよね。(略)やはり年々チャンスも少なくなりますから。そうやって若い子や後輩の存在を気にしているところが、たぶんダメなんだと思うんですよね。相手バッターを抑えることだけではなくて、こんなことを考えるようになってきていることが、今の僕の課題なんです」と話していました。※11
2024年、引退発表。
2024年9月17日に増田投手の引退が公式発表されました。
あなたにとって増田達至はどんな人ですか?の質問に対し「師匠」「お手本」「尊敬」「優しい」「いたずら好き」のような意見がある中、「お父さんのような人」「マスさんみたいなパパだったら子ども幸せだろうな」という意見もありました。以前ライオンズに所属していた森友哉捕手も「結婚するなら増田さん、いいパパになりそう」※12 と話しており、増田投手が理想の父親として票を集めていました。
増田投手の父親エピソードはいくつかあります。「ぜんっぜん子育てという子育てはしていない」と言いながらも「自由に育てたいけど、外に出たときに最低限のルールであったりとかは、しっかりと破らないようにさせたい」と話し、「子どもには怒りますよ。言っても聞かないときに“そんな子は、もうウチの子じゃない。外に出ていき!”と言った」という厳しい父親としての一面もあります。
打たれて帰った時には子どもたちのほうから「パパ、やばかったね~」と言ってきて笑ってしまうそう。※13
今わたしが気になっているのは増田投手の引退スピーチです。増田投手は2018-2019年に選手会長を務めた際のスピーチがとても増田投手はのほほんとしたスピーチでした。
1つめが2019年、増田投手が選手会長としてホーム最終戦でしたスピーチで、2つめが新人のときに受けたインタビューの様子なのですが、増田投手がおおらかに成長している姿が見て取れます。
9月28日にはどんなスピーチをするのか(もしかして手紙形式なのか)注目しています。
そして迎える引退試合
ライオンズに残留した際に、増田投手からライオンズファンに贈られた手紙には「僕の登場曲“ライオン”はメットライフドーム(現ベルーナドーム)で流れてこそ、光り輝くものだと持っています」と書かれていました。
2024年9月24日、増田投手のファームでの最後の登板がありました。
増田投手がブルペンに向かうと、フィールドビューシートのファンから「まっすー!」の声援。この日は特に子どものファンが多く、かわいらしい声援に満面の笑みで手を振りながらブルペン入りしました。
その後ブルペンで投げたあと、マウンドへ。本来、ファームの試合では登場曲は流しませんが、増田投手の登場曲の「ライオン」が流れる中での登場となりました。その後は、1人の打者に対し全休ストレートで空振り三振をとりました。投手交代の際、マウンドには大石コーチが来ました。同級生として、2017年にはシンガリ部隊として、時に涙しブルペンを支えた大石投手が今ではコーチとしてマウンドに来ている姿は、胸に来るものがありました。
次にベルーナドームに「ライオン」が流れるのは9月28日の引退試合。その「ライオン」がドームに、ファンの心にどう響くのか、見届けたいと思っています。
参考/引用文献・資料
※1 埼玉西武ライオンズ公式サイト 選手名鑑
https://www.seibulions.jp/team/player/detail/2024_00001111.html
※2 文化放送 ライオンズエクスプレス 2023年8月3日放送
https://www.joqr.co.jp/qr/article/97507/
※3 NPB.jp https://npb.jp/bis/players/71275137.html
※4 2020 埼玉西武ライオンズファンブック ベールボールマガジン社 令和2年3月21発行
※5 増田達至からの手紙(埼玉西武ライオンズニュース) 埼玉西武ライオンズ公式LINE
※6 西武金子、あの同期選手残留に一役買っていた?600万円増でサイン 2020年12月10日
西日本新聞 https://www.47news.jp/5589771.html
※7 LIONS MAGAZINE 10月号 株式会社埼玉西武ライオンズ発行 2020年9月22日発売
※8 LIONS MAGAZINE 09月号 株式会社埼玉西武ライオンズ発行 2023年9月1日発売
※9 L magazine 2022 Vol.2
※10 LIONS MAGAZINE 6月号 株式会社埼玉西武ライオンズ発行 2022年5月27日発売
※11 LIONS MAGAZINE 09月号 株式会社埼玉西武ライオンズ発行 2023年9月1日発売
※12 ハイグレード会員限定2019年埼玉西武ライオンズファンクラブ早期入会特典 オリジナルDVD
※13 LIONS MAGAZINE 6月号 株式会社埼玉西武ライオンズ発行 2022年5月27日発売