WindowsHelloが0x80090027エラーを吐いてしまったのでトラブルシュートした備忘録
こんばんは、しがない情シスです。
今回はふだん見かけないWindowsHelloのトラブルを引いたので、解決までの道のりを備忘録として記録しておきます。
レアなケースだったのか、「これでFIXしたぜ!」というものがあまりなく、あったとしても海外のコミュニティで「何となく解決したっぽいな…」くらいの情報だったので、一つの事例として残しておきます。
起こったトラブルの概要
症状
Windows 11 Pro (23H2)のPCでWindowsHelloによる認証が通らなくなる。
具体的な状態
エラーコード:0x80090027が表示される
PINを変更してもエラーが出る
デバイスを再起動してもエラーが出る
パスワードサインインはできる
トラブル対応のおおざっぱログ
試してみてダメだったこと
試行:PINを変える
パスワードログインしたあと、Windowsの設定メニューを開く
「アカウント」タブを開き、サインインオプションをクリック
登録してあるWindowsHelloの認証要素(指紋・PIN)を「削除」ボタンで削除
削除し終えたら、再度指紋とPINを登録しなおす
…というのを試したかったけど、ステップ3で「削除」がグレーアウトしていたので、そのままPINを変更してリトライしてもらいました。
結果はNGで、同じエラーが発生。ざんねん。
最終的に解決した方法
対応策:WindowsHelloの認証要素を一度すべて削除して再登録
上述のステップ3で「PINの削除」ボタンがグレーアウトしていて削除出来ない、点に対して以下の手順で対応しました。
「サインイン オプション」の右ペインの「Windows Hello PIN」で、 「PIN を忘れた場合」リンクをクリック
次のウィンドウで「続行」をクリック
アカウントへのサインインを求められるので、パスワードでサインイン
「PIN の設定」ウィンドウで、情報を入力せずに「キャンセル」ボタンをクリック
次の画面を何もせず閉じる
既存の Windows Hello PIN が削除され、「追加」ボタンが表示される
これで新しい PIN を追加できるようになりました。
このあと改めてPINや生体認証を登録しなおします。
PINを含むWindowsHelloの情報をぜーんぶ削除することがポイントでした。
念の為、PIN削除後に一旦PCを再起動し、パスワードログインしてから再度PINを追加してます。
これでユーザーさんの環境でエラーが解消することまで確認できました。
試してないけど見送ったこと
サインインアカウントを切り替える方法
Microsoftアカウント→ローカルアカウント→Microsoftアカウントと切り替えると復活するらしい
別のサインインアカウントを作るハードルが高めだったのでパス
NGCフォルダを削除してみる
WindowsHelloの認証情報が入ったシステムフォルダを削除して再度PINを登録すると復活するらしい
システムフォルダをいじることになり、権限設定などをユーザーさんに任せることになるので、ハードルが高くてパス
エラーの原因や周辺情報など
このエラー、どうもWindowsHelloの認証情報が何らかの原因で壊れてしまい、その情報を消したり変更したりもできないので発生するようです。
これまでにあげた対応策はどれも「それらの認証情報をクリアして新規再登録」という方法でした。
ただ、フルリモートワーク環境下でユーザーさん自身にトラブルシュートしてもらう必要がある、となると対応難易度は上がります。
「ユーザーさんができる操作に限定する」
「クイックアシストなどのリモートサポートツールを使用してリモートで対応する」
などの考慮が必要になってきます。
これまでの情報から「要するに壊れたWindowsHelloを全部消せりゃいいんじゃろう?」と推測して、ユーザーさんでも対応可能なPINを全削除する方向で進めました。
(対応方針が当たってて良かった…)
参考にした情報
Microsoftコミュニティ:
消せなくなったPINの消し方:
おわりに・雑感
というわけで、あんまりみないエラーでした。
こういうときに「なんかこういうことなんやろね」ってアタリをつけられるかどうかで解決までの手数は結構変わりますね!
このトラブルで改めて思ったことがあります。
現職にジョインしてこの方、社内のITツール系ナレッジをずーっと整備しまくって、簡単なQ&Aはだいたいが「FAQみてね!」で解決できるようになりました。
「お問い合わせ系のナレッジが充足する」
「ナレッジが充足するとどうなる?」
「知らんのか」
「未知の即答できないやつしか来なくなる」
お問い合わせの量は減りましたが、代わりに質が上がったんですね。
今は典型的なヘルプ依頼(パス忘れた・ログインできないとかそういうもの)よりも、「いろんなことを知ってたり、いろんなことをググったりAIに訊いたり、実機やユーザー環境で試行したり」しないと解決できないことがいっぱい出てきます。
(これまでは量に押されて先送りしていたようなことも俎上に上がるようになる)
こっから先を、人の知識・知見・スキルなどの脳内情報以外のリソース(現時点での筆頭格であるAIなど)も使って、より手間なくスマートにスピーディーに(できれば勝手に自動で知らんうちに)解決していくようにするのが、これからの情シスのお仕事なんでしょうね、きっと。