魔女の森は越えられるか

※Tumblrからのサルベージ分です。

子供の頃から、嫉妬なんかしない事はなかった。

まずは可愛い、賢いと褒めそやされる妹に嫉妬して。

その次は絵が上手で可愛い(だいたい私が嫉妬するのは、能力と容姿を両方持っている人間だと最近気づいた)友人に嫉妬して。

その他にも、私より周りに構って貰えている、いい仕事を貰えている、ばんばん作品を発表している…

嫉妬する理由なんて枚挙に暇がない。というか、嫉妬しないで生きている時間の方が少ない。

昔はそんな自分が嫌だった。皆嫉妬なんかしないで、自分は自分だと、涼しい顔をして生きているように見えた。くだらない事でいちいち人を嫉んで自分はなんて恵まれていないんだ、運が悪いんだと心の中でハンカチをかみしめてばかりなのは自分だけなんだ、なんて矮小なんだって。

こうやって、第一線で活躍している人だって嫉妬する。嫉妬しない人間なんかいない。というかモノ作ってる人間なんて、嫉妬の塊だ。

そういう記事や発言を目にするようになって、気が楽になった。

嫉妬してるって、言っていいんだ。

他人になんか興味ない、自分は自分の道を進むんだって涼しい顔してるのが、かっこいいんだと思ってた。

でも本当はそうじゃないのに、ねたましくて羨ましくて死にそうだ!と叫びたかった。でも、どうやって発散すればいいのか分からず、負のエネルギーばかり肥大化していた。

グリーフシードが濁って、魔女になりそうだった。

言えばよかったんだよね。悔しいって。嫉んでるって。私だって成功したい、注目されたいって。

なので今は、積極的に「人を嫉んでばっかりです」と言うようにしている。

不思議な事に、開き直って「嫉妬ばかりで性格が悪い人間だよーん。でもしょうがないよね~~」って態度でいた方が、状況が良くなってきた気がする。

かっこつけなくなって、自分の中にあまりため込まなくなったからだろう。

相変わらず嫉妬は凄いし、悔し泣きしたりあいつはダメだと貶めて自分の心の安定を図ったり、卑しい事ばっかりしてるけど。

でも、多分もう、魔女にはならない。

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