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”トキメキ”が足りない

この前、会社の年が近いメンツで飲んでいた時のことである。
「付き合うには、”トキメキ”が足りない」
急に、自分に向かって飛んできたこの言葉。飛ばしてきたのは、目の前に座っていた同期の彼女。更に、追い討ちをかけるように言葉が続いて飛んでくる。
「結婚するなら、良いと思う。」
本人は、ポジティブな言葉を発したと思っているようで、目の前でニコニコしている。ここは、折れておくのがベストと判断した俺は、絞り出すように一言。
「ありがとうございます。」
これで、この話は終わりだ、さあ、次の話題に行こう。と思った瞬間トドメの一言が耳に入ってくる。
「結婚相談所行きなよ。」
ゲームセット。試合の終了を知らせる音が頭の中に鳴り響いた。それからの飲み会の記憶は俺には無い。

次の日になっても、耳にこびり付いた”トキメキ”が頭の片隅を離れない。
なんだ、”トキメキ”って。
付き合うと結婚するは違うという話はよく聞くが、それの境にあるのが、”トキメキ”ってことなのか?
そもそも、俺のどこを見て”トキメキ”が足らないって判断したんだ。真っ先に思いつくのは、容姿だが、そんなものどうしろと言うんだ。でも、あの女は、改善できないことをボカして発言しない。容姿なら、はっきり言ってくるはずだ。
全く自分で結論が出せなかったので、友達にきいてみることにした。

共に劣悪な研究室生活を過ごし、卒業した大学時代の友人達にコンタクトを取ると、その週末、みんなで渋谷に集合して、パチンコ打つらしい。そういえば、誘われてたけど、パチンコ打ちたくないから断ったな。パチンコは打ちたくないので、パチンコ後に飯食う約束を入れた。

週末が来た。LINEをみると、奴らはどうやら負けたらしい。合流して、パチンコの話が始まる前に聞く必要があるな、と強く思う。
飯屋の前に着くと、負けたのに元気そうな奴らが先に待っていた。ヤイヤイ言いながら席に着き、飲み物を頼む。俺は酒が飲めないので、ソフトドリンクを注文。ドリンクが届き、乾杯した後、早速切り出す。
最近、会社の年齢が近いメンバで飲んだこと、”トキメキ”が足りない。と言われたこと。”トキメキ”とはなんぞや?と言うこと。
一通り、話終わった後、奴らは間髪入れずに、脊髄反射でこう言った。
「目が死んでるところじゃね。」

結局、友達に聞いても、手がかりすら得られず、分からずじまい。迷宮入り案件である。迷宮入りする=彼女はできない。との事なので、何とか解決したい所存である。

てか、トキメキってなんだよ…




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