次はタコさんウインナーを作りたい
私の恋人は、料理上手だ。
肉じゃが、カレー、生姜焼きなど定番料理はもちろん、カルボナーラやカオマンガイ、手羽元の香草グリル焼き、などなどのオシャレ料理だってお手のもの。おまけに、スイーツだって作れちゃう。
*
少し前までは、そんな彼が作り置きをしてくれていて、夕食どきに彼の家にお邪魔していた。彼の家へ泊まった際は、美味しい朝ごはんを用意してくれていた。
が、最近の彼は忙しい。すっかり彼の手料理を食べられなくなってしまった。
もともと、私は食に無頓着だ。一人暮らしを始めて3年が経つが、残念ながら「おふくろの味が恋しい」と思ったことはあまりない。
けれど、最近そんな、誰かの料理を恋しく思う気持ちがわかってきた。
どうやらすっかり恋人に胃袋をつかまれてしまったらしい。
いつも朝食に作ってくれていた、あの目玉焼きが食べたい。
ああ、あの生姜がほんの少し香るお味噌汁も飲みたい。ペペロンチーノも食べたい。メンタル死んで寝込んでいたときに作ってくれたシチュー、美味しすぎてポロポロ泣いてしまったなあ。
ーーあれ、思い返すまでもなく、さすがに作ってもらいすぎじゃないか?
*
私は、料理が苦手だ。
クックドゥがないと、極端に味が薄いか濃い品物が出来上がってしまう。
だからこれ幸いとばかりに、彼に料理を任せていた。(その代わりお皿洗いはやっていたよ!)
でも、こんな調子で作ってもらってばかりいたら、彼が忙しいときに困る。
いまは一緒に暮らしていないから各々適当に食べればいいけれど、外食も飽きた。一緒に暮らしたら誰が料理するんだろう…… 私しか、いない……!
*
そうして、少しは自炊するか、と、手始めにお昼におにぎりを用意することに。大きなおにぎりと小さなおにぎりを2個ずつにぎり、冷凍のからあげを4つ解凍して持っていった。
彼は、平日も休日も朝からフルスロットルで作業中。ここ最近、彼の昼食はカロリーメイト。「戦闘スイッチが入るから」などと言って、近くのドラッグストアで大量購入したカロリーメイトばかり食べているせいで、頬がこけてきている。よくないよくない。
昼食どき。そんな彼におにぎりとからあげを差し出すと、彼は目を見開いて驚き、「外で食べよう!」とニコニコ顔。おにぎりと冷凍からあげだけなのに、ニッコニコ。
「俺、頑張る!」日当たりの良いベンチでおにぎりを頬張った彼は、元気いっぱいな様子で作業に戻っていった。よかったよかった。
*
これに気を良くしたあさぎさん。次なる挑戦は夕食と、きちんとしたお弁当です。
わたしの自炊チャレンジは、まだまだ続く。(た、たぶんね)
もしも、サポートしたいと思っていただけたなら。「サポートする」のボタンを押す指を引っ込めて、一番大切な人や、身の回りでしんどそうにしている人の顔を思い浮かべてください。 そして、私へのサポートのお金の分、その人たちに些細なプレゼントをしてあげてください。