テックタッチオンボーディングについて半年間のまとめ-うまくいったこと・やめたこと-後編(施策編)
改めて
こちらのnoteは、テックタッチオンボーディングについて半年間のまとめ-うまく行ったこと・やめたこと-前編の続きとなります。
ぜひまだの方は前編から読んでいただけると流れがわかりやすいかもしれません。
では、今回のnoteの本題の実際の施策のことを書いていきます。
施策:これからも続けていくこと(予定)
お客様状況の見える化
1.ダッシュボードで全てのお客様の設定・利用状況を見える化
一番初めに取り組んだのが、お客様の状態を見える化することでした。
これまで、Salesforceのレポートでお客様が今どのフェーズにいるのか、お客様ごとの設定・利用状況などを個別で確認していました。
これまではハイタッチオンボーディングを前提としていたので、全てのお客様とお打ち合わせ前に確認すればよかったのですが、これからは数多くいるお客様の中からうまく設定できていないお客様にサポートをすること、うまくいっているお客様には次の支援をすることが最重要でした。
そこでセルフオンボーディングのお客様の状態を一覧で確認でるダッシュボードを作成しました。
お客様名と利用開始に必須項目が並び、それぞれ設定できていたら⚪︎、できていなかったら×がつくようになっています。
他にも利用開始後の利用状況を一覧で見れるダッシュボードを作成しました。
2.お客様がどのフェーズにどれくらいいるのかを見える化
前編にも記載しましたが、バクラクではオンボーディングを「未完了→フェーズ1→フェーズ2」まで到達して完了としています。
そのため、どのフェーズにどれくらいのお客様がいて、次のフェーズに行くためにどれくらいの時間がかかっているのかを可視化しました。
今月契約開始・先月契約開始・来月契約開始とソートできることや、該当の項目をクリックすると対象顧客リストが表示されるようになっているため、ここで止まっているお客様はAというアクションが必要、こちらはBというアクションが必要、とお客様の状態とその時のアクションが一目瞭然になりました。
お客様の状況に合わせたメール
テックタッチオンボーディングでよく聞くのはステップメールだと思います。下のやめたことにも記載しておりますが、バクラクではステップメールをやめました。
その代わり、初回メールのみ、共通で全顧客に送信し、その他のメールは先に記載したお客様の状態ダッシュボードを用いて、個々のお客様にある程度カスタマイズされた内容の組み合わせメールを送る施策を実施しました。
(全てがカスタマイズではなく、半分くらいは固定で決まっており、残りの半分をアレンジするようなイメージです)
初期設定であれば、支払方法の設定ができていないお客様には支払方法の設定のみ、全部の初期設定ができていないお客様には全部の内容をメール本文に記載し、毎月特定のタイミングで送るようにしました。
そうすると、設定されていなかったお客様から『設定が漏れておりました、ご指摘ありがとうございます』といった内容の返信が続々と来るようになり、カスタマイズメールの効果は一定あったのではないかと感じています。
初期設定だけではなく、その他の申請状況や処理状況に応じて、お客様へメールを送る設計をしました。
便利機能設定ヒアリングと回答送付
この施策は前編に書いた他社様と交流した時に効果があったと仰られていた施策をバクラクverにして、実施させていただきました。
お客様に「貴社に必要な便利機能をお伝えします」といった形で、メールとヒアリングシートを配布し、シートの中で「はい」と回答があったもののみ設定箇所と設定方法をお伝えする返信メールを送付しています。
こちらの施策はまだ明確な効果があったかどうか判断できていないため、これからよりよく改善していこうと思っています。
初期設定資料の分冊化
何度も登場して本当に恐縮なんですが、この頃から初期設定資料(はじめてガイド)を作成し、ずっとそれを使っていたのですが、1つ問題がありました。
それは、初期設定資料のページ数が多すぎる、ということでした。
バクラク請求書は会計ソフトごとに設定部分が異なる箇所があったり、バクラク申請・経費精算は導入サービスによっては不要な箇所があったりとそれぞれ100ページ弱になっていたんじゃないかなと。(笑)
もちろんお客様から資料に書いている内容をお打ち合わせで質問されて、100ページもあるなんて読む気が失せます、というフィードバックも沢山いただきました。
そこで、やったこととしては単純なのですが、各説明資料を分冊化しました。
絶対に設定しないと使い始められない『基本編』
基本編が終わり少し余裕ができた時に実施する『便利機能編』
会計ソフトごとのセットアップは『セットアップ編』
といった感じに分けました。
また、分かりづらい設定箇所には動画での設定解説も組み込み、なるべくお客様に負担をかけない設計に変更しました。
CSアシスタントへ業務の移管
施策の一部として記載するのか迷ったのですが、CSの効率化の観点で記載をします。
これまで紹介してきた施策を実は数ヶ月前まで私1人でやっていました。他の業務もあれば、検証を進めないといけないこともあり、正直時間がぱつぱつの中で、脳筋でおりゃ〜〜〜!と実施していたので、当然限界が来ました。
このままじゃやばいと思い、自動化できるものは自動化することを検討しました。
初回メールなどトリガーが単純なものであれば自動化は比較的スムーズに行えたのですが、バクラクは導入サービスの組み合わせが多すぎて、いろいろなことを自動化するのがかなり難しいという一面がありました。
一方で、バクラクのサービスを理解している人であればスムーズに実施できるタスクでもあったので、これはCSアシスタントを採用するしかない!となりました。
今では採用がうまくいき、ほとんどの私の業務を移管することができました。そのおかげで、私は次の施策について考え・アクションする時間が圧倒的に増えたので、誰かに任せられる状態に施策を持っていくことの重要性を学びました。
施策:やめたこと(現時点で効果があまり見られなかったもの)
ステップメール
実は、この記事の時に行っていたステップメールは今は停止をしています。
ステップメール自体を続けても良かったのですが、先の施策でも書いたように、ステップメール以上の顧客カスタマイズをしたメールを送り始めたこと、ステップメール自体の開封率も著しくないこともしばしばあったことを踏まえて、ステップメール自体は停止するという判断をしました。
初期設定・便利機能解説セミナー
セルフオンボーディング施策のBIG施策の一つ、初期設定・便利機能解説セミナーは6〜9月の期間中に20〜30回実施しましたが、セルフオンボーディングのお客様の利用率向上には大きく寄与しなかったことがわかったので、セルフオンボーディング施策としてはセミナーの開催をやめる判断をしました。
各セミナーには毎回10〜15名程度のお客様が参加してくださり、セミナー後のアンケートも好評だったのですが、そもそもセルフオンボーディングのお客様の集客が芳しくなく、コンテンツ自体がセルフオンボーディングのお客様に刺さらなかったのではないかと考えています。
冒頭でも説明したように、セルフオンボーディングのお客様は自らセルフで設定・利用開始することを選択されているので、そもそもセミナー形式のご案内を求めていなかったのかもしれません。
一方で、集客の過半数以上はセルフオンボーディングのお客様以外だったこともあり、別な顧客層に響いている施策でもありそうでした。この部分については、別チームと連携して、今後どうするかを相談予定です。
セミナーの開催自体はやめてしまったのですが、このセミナーのアーカイブ動画は今もお客様にメールやKARTEを通して配信をしており、初期設定・便利機能の動画コンテンツとしてとても役立っています。
ツールによる設定支援
初期設定を支援するツールをいくつか試して見たのですが、いずれもnice to haveで、ないよりはあったほうがいい、ということが多かっため、現時点では不要、と判断しました。
一方で、こういったツールをもっと活用し、お客様とのコミュニケーションをスムーズにより良い体験にしていきたい、と強く思っています。
この部分については、これから取り組んでいく予定にしているので、またぜひnoteで発信させてください。
電話サポート
セルフオンボーディングを始めた当初は、お打ち合わせがなくなることが不安で、私への直通電話を開き、いつでもお客様からお電話を受けられる体制を作っていました。
結果としては、思ったよりかかってこなかった、でした。
また、お電話をしていただくお客様の相談内容についても、サポートお問い合わせで解決できることが8割でした。
そのため、電話サポートはやめて、必要に応じてこちらからお電話をする体制に変更しました。
結果まとめ
長々と書いてきましたが、これまでやったことを本当に赤裸々に全て書きました。笑
結果としては、あっと驚くような画期的な方法ではなく、これまでも必要だと言われていたことをバクラクverにした感じなので、どれくらい読んでいただいた皆様に良い情報を与えられたか分かりませんが、何かのヒントになっていたらとても嬉しいです。
ただ、現状はここまでに書いた施策でバクラクのセルフオンボーディングのお客様の大多数をオンボーディング完了基準まで到達していただいているので、大外れはしていないんじゃないかと思います。
今取り組んでいること、今の問題点
オンボーディングがうまく進んでいないお客様のフォロー体制
当たり前のことですが、ここまでで紹介したアクションで私たちが考えているオンボーディング完了基準を達成しないお客様もいらっしゃいます。
そういったお客様に対して、こちらが想定しているスケジュールで進んでいない場合にアラートを出し、アクションを実施するという取り組みを始めています。
ここはまだ色んな施策をやってみている段階なので、また落ち着いたらまとめます。
新サービスのオンボーディング体制の設計
バクラクは半年に1回新サービスをリリースしています。つい、先日もバクラク請求書発行をリリースいたしました。
サービスのリリースに伴い、大変ありがたいことにすでに導入をしていただいているお客様がいらっしゃいます。
そのお客様にしっかりと価値を届ける役割も担っており、これからも新サービスがリリースされるたびに整えていかないと行けない部分だと思っています。
おわりに
書き始めるとかなり長くなってしまいましたが、ここまでで一旦終わろうと思います。
ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。お役に立てていると大変嬉しくおもいます。
細々とX(@chisumin_56)もやっているので、ぜひ感じたことをコメントにて教えていただけると大変嬉しいです。
また、ここまで二人三脚で一緒にずっと施策改善を回し(顧客コミュニケーションは私、データ周りは全部sakuchanさん)、相談にのってくれたsakuさん(BizOpsチーム)に本当に感謝しています。
最後になりましたが、バクラク カスタマーサクセスは大募集中です!
まだまだできてないことやりたいことがたくさんありますが、何にもできてません!仲間を大募集中です!
ぜひご興味ありましたら、お気軽にOpen Doorまでご応募お待ちしております。