会社法の近時の重要判例
昨日、令和元年度重要判例解説が販売されたことを受け、司法試験・予備試験対策として、最近の重要判例解説を読んだ方がいい旨のツイートをしました。
でも、いま新型コロナウイルスの関係で、大学の自習室とか図書室とかが閉鎖されており、それを確認するのも困難かもしれないと思い、「そうだ、ここ数年の重要判例解説に掲載されている判例・裁判例の中で、試験対策上重要なものだけピックアップして自分なりに整理してみよう」と思いたったので、整理してみました。
平成28年～令和元年重要判例解説の中から重要そうなものをピックアップしてみました（なお、平成27年度の重要判例は既に「会社法判例百選〔第3版〕」に反映されているため、平成28年までの重要判例解説の中からピックアップしました）。
結構時間かかるかなぁ～と思ったのですが、大体のものは自分でインプット講座を作成する段階において、目を通したことがあるものが多く、インプット講座にも内容を反映させているものが多かったため、思ったよりは時間がかかりませんでした（でも死ぬほど疲れました）。
１日で眠い中作成したので、言葉足らずのところも多いと思いますが、あしからず。。
この教材を作成する中で私自身も新たに得た知識もありますので、それはまたインプット講座の方に反映させていこうと思います（予備論文過去問講義の作成に伴って後日改訂をする予定です）。
この重要判例教材は当面は無料で公開します。
収録判例・裁判例は以下のとおりです。
１．標章の使用と会社法22条1項の類推適用（東京地判平成31年1月29日金判1566号45頁）
２．他人名義での払込みと有限会社の社員となる者(大阪高判平成29年12月21日金判1549号42頁)
３．株主総会の特別決議を経た新株の不公正発行(京都地決平成30年3月28日金判1541号51頁) →令和元年司法試験に関連あり
４．取締役解任の「正当な理由」(東京地判平成30年3月29日金判1547号42頁)
５．取締役解任を総会議案とする取締役会決議と特別利害関係(東京地決平成29年9月26日金判1529号60頁) →令和元年予備試験で出題
６．議決権等につき株主ごとに異なる定めを設ける定款変更決議の無効（東京地立川支判平成25年9月25日金判1518号54頁）
７．連帯保証と財産上の利益の供与（東京高判平成29年1月31日金判1515号16頁） →平成30年司法試験で出題
８．公募増資と主要目的ルール（東京高決平成29年7月19日金判1532号57頁）
９．提訴期間経過後提訴された新株発行無効の訴え（名古屋地判平成28年9月30日判時2329号77頁）
10．株主総会決議による代表取締役の選定（最決平成29年2月21日民集71巻2号195頁） →令和元年司法試験に出題
11．質疑打ち切りと決議取消し（東京高判平成29年7月12日金判1524号8頁）
12．責任追及の訴え不提起と監査委員の責任（東京高判平成28年12月7日金判1510号47頁）
13．譲渡会社の略称・標章の続用と会社法22条1項の類推適用（東京地判平成27年10月2日判時2331号120頁）
14．株主割当増資と著しく不公正な方法による発行（大阪高判平成28年7月15日判タ1431号132頁）
15．議案を否決した株主総会決議の取消しの訴えの適法性（最判平成28年3月4日民集70巻3号827頁） →平成30年司法試験に出題
16．特別の利害関係を有する理事が加わってされた漁業協同組合の理事会の議決の効力（最判平成28年1月22日民集70巻1号84頁） →令和元年予備試験に出題
〔追記（令和2年4月27日）〕
特に出題可能性が高そうな判例・裁判例
１．標章の使用と会社法22条1項の類推適用（東京地判平成31年1月29日金判1566号45頁）
８．公募増資と主要目的ルール（東京高決平成29年7月19日金判1532号57頁）
９．提訴期間経過後提訴された新株発行無効の訴え（名古屋地判平成28年9月30日判時2329号77頁）
→14とセットで出題することが可能。
11．質疑打ち切りと決議取消し（東京高判平成29年7月12日金判1524号8頁）
→15（議案を否決した株主総会決議の取消しの訴えの適法性(最判平成28年3月4日民集70巻3号827頁))とセットで出題することが可能。
12．責任追及の訴え不提起と監査委員の責任（東京高判平成28年12月7日金判1510号47頁）
→4（取締役解任の「正当な理由」(東京地判平成30年3月29日金判1547号42頁))とセットで出題することが可能。
14．株主割当増資と著しく不公正な方法による発行（大阪高判平成28年7月15日判タ1431号132頁）
→9とセットで出題することが可能。