パン屋さんから始まる恋 4
○:美玲さん……どうしたんだろうなぁ
○○が言うのも無理は無い
あれほどまでに毎日楽しそうに来ていた美玲が
約1ヶ月も来ていない。
○:連絡してもなんも反応無いしなぁ、、、
美穂:○○さん……
美穂も普通に○○とは接していたが正直、美玲のことがチラついている。
だが、もちろん○○のことも気にしていた。
この恋の全体を知っているのはただ1人
美穂だけ
なぜ、美玲は来なくなってしまったのか?
それは、遡ること約1ヶ月前
【美玲の部屋】
ガチャッ。
美穂:おかえりなさい美玲s…..
美玲は30分ほど前に家を出ていった。
○○に告白をするために
だが。結果は言うまでもない
というか話してすらもいない。
あの、楽しそうな2人を見てしまったら、話しかけるのは誰でもやめるだろう。
美穂:な、なんでそんな、、落ち込んで……
まさかふられたりなんて、、そんなこと、、
美:みほちゃん……やっぱりムリなのかな、、
美穂:な、なんでですか、、?
美:さっき、○○くんの家に行ったら
○○くんが女の人と仲良く家から出てきてね?
手を繋いで出てきて楽しそうにしてたから……
美穂:え、でも、それは誰か家の人だったりするんじゃ、、
美:でも○○くん前に兄妹とかいないって言ってたと思うし、、お母さんにしては若すぎるし……
美穂:(うそ、、○○さん他の人に浮気……
いや、そんなことできるような人じゃないし、、)
美穂:と、とりあえず一旦落ち着いて、、
色々考えてみましょう
結局、その日2人は夜を明かすまで話すこととなった。
そして今現在。
美穂は答えを聞けていない
○○と一緒にいた女性の正体を。
聞けないこともないもない
いや、というか聞いた。だが、、
○:いや、そんな人いたかな?美穂ちゃんの見間違いじゃないかな?笑
なんと、はぐらかされ攻撃
粘って聞いたのはみたのだが、、、
返答は同じだった。
そして、2度聞くとなるとさすがに不審に思われる
なんとも複雑な立ち位置を立たされていた。
○:美穂ちゃんなんか美玲さんについて知ってたりする?
美穂: ……!! いや、なんも連絡きてないから、、
わ、わからないですね、、
○:そっか、、ちょっと心配だよ……
美穂は知っているのだ。なぜ来れないのか
理由は単純、心が苦しいから
前に美玲とふたりで会った時に言っていた
美:ちょっと、、心が落ち着くまでは……
○○くんのパン屋さん行くのやめるよ
美穂:えっ い、いいんですか?
美:○○くん見ると心がちょっと苦しくてね、、
美穂:分かりました、、でもまた絶対来てくださいね?
まだ本当にその人が○○さんの彼女と決まった訳ではないですし、、
美:それもそうだよね笑 分かったありがとね。
みほちゃん
笑ってはいたのだが、心はどこか曇っている
そんな風に美穂からは見えていた。
そんな日が続いたある日
○:雨強いなぁ
今日は雨が少し強めに打ちつける10月
雨の影響からか朝からお客様も少しまばらで
今日は少し早めに閉めようかと思っていた。
○:あ、ゴミ出ししとかなきゃ
時刻は16時
早めに店を閉め、ゴミ出ししようと裏口から出る
○:ちょっと傘ささないとだなこれは
○○のパン屋は少し離れたところにゴミ回収場所がある。
補足しておくと飲食店などはゴミ回収に来てくれる。
○:よいしょっと、、ちょっと重いなぁ
そんなこんなでゴミを出しに行くと
○:ん、、?あそこに誰かいるような……
ゴミ回収場所の向こう側の道路に人影が見える
○:こんな雨の中傘もささないなんて、、
風邪ひいちゃうよ
ゴミを素早く回収ボックスに入れ
その人のもとへ走っていく
今日は人通りもほとんどない
○:だ、大丈夫ですか?風邪ひいちゃいますよ?
そう言いながら傘をさしてあげる
相手は俯いて帽子を深く被っていて顔がよく見えない
○:だ、大丈夫ですか?
もう一度○○が呼ぶと
相手はゆっくりと顔を上げる
○:えっ、、
み、美玲……さん??
つづく。