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パン屋さんから始まる恋 5


〇:ど、どうぞ美玲さん、、ココアです

美: ………。




あれから店を急いで閉め、2人は〇〇の自宅に来ていた。

雨の中たくさん歩いたのだろうか、服はびしょびしょで顔は凄く疲れていた。



〇:み、美玲さん、大丈夫ですか?


お風呂に入り、〇〇のパーカーを着ている美玲
その隣に座る〇〇

だが、ひとことも話さない美玲に〇〇は何を話したらいいか考えていた。


〇:美玲さん、、最近お店にも来てくれないし
連絡も取れないのですごく心配でした……


美:、、、、、、。


〇:ココアだけだと寒いと思うので、なにか温かいもの作りますね?


そうい言い、立ち上がろうとすると




”ぎゅっ”




〇:み、美玲さん?


袖口を掴まれているが、なにも話さない美玲。


〇:行っちゃダメですか?

 

美:(うん。)


静かに頷いている


〇:でも、冷えていると思いますし、なにか温かいものを、、


美: ……やだ。いかないで

  
〇:えっ、、、?
 

美:あと、もっとこっちきて…ほしい

 
〇:わ、わかりました……
 
 
美:私を、、抱きしめて?
 

〇:だ、抱きしめるなんてそんな、、、

 
美:だめなの?
 
 
〇:ダメじゃないですけど、、、その僕で良いのかなって……
 
 
美:いいの。今は〇〇くんをいっぱい感じたい、、、

 
〇:じゃあ、、失礼します、、



美玲を包むように後ろから優しく抱きしめるをする〇〇
そして前に回した手をしっかりと離さないようにする美玲。
まるでどこにも行って欲しくない子供のように弱々しくも力強い

体温や鼓動、息遣いなど
お互いの全てを感じ取れそうな、そんな気がしてしまう。


沈黙さえ2人にとっては十分なBGMだった


そんな中、そっと口を開いたのは美玲だった。


美:〇〇くんさ、、彼女いるの?


〇:え?


美:隠さなくても良いんだよ?
1ヶ月前くらいに〇〇くんの家の目の前で2人仲良くしているの見たんだ

だから隠さないで、、、?


〇:美玲さん………。


美:叶わない恋と分かっているのに、、〇〇くんの事が日に日に好きになってしまう自分が嫌になっちゃって、、バカだよね……。


〇: ………。


美:〇〇君が隣にいてくれたりとか笑ってくれたりとかそんなこと考えると胸が痛くなって
でも、あの人の前では私には見せていない〇〇君の顔があったりするのかなとか考えると胸が苦しくて、、ごめん…重いよね。



〇:美玲さん、1つ言わせてください僕は、、、


美:いいのいいの、慰めとかはいらないからさ
今日で〇〇君ともお別れしようと思うし、、だから、、


〇:美玲さん、それは誤解です
あの人は彼女なんかじゃないんです


美: ……。へっ?


〇:あの人は僕のいとこなんです


美:え、うそ、、だってすごく仲良く手を繋いで、、


〇:いとこはまだ高校生なんです
どうやらお兄ちゃんに憧れがあるらしくて
僕のことをお兄ちゃんだと思ってるみたいで笑


美:じゃああの時、手を繋いで仲良くしてたのは、、


〇:多分、買い物に出かけた時なのかもしれないです。いとこは嬉しそうにしてたんで、それが彼女に見えたのかもしれません


美:あぁ、、、なんだ……


〇:だから言ったじゃないですか、僕に彼女はいないですって

それに、僕の方が美玲さんに告白しようと思ってたのに先にされちゃいましたね笑


美: ……ふぁっ////


〇:み、美玲さん?顔が、、どんどん紅くなってますよ?


美:み、見ないでぇ…//


〇:もしかして、告白したっていう事実に今気づいちゃいました?


美: ……!!


〇:その顔は「当たり」ですかね笑


美:も、もう、、!それ以上は言わないでー!///


〇:わぁ、、!急にこっち向いて突進はダメですー!!


美:だめー!〇〇君のこと大好きなんだからこれくらい受け止めなさーい!!


〇:く、苦しい…//


美:ふふん♪


世界で1番〇〇君のことだーいすき!!








いつの間にか雨はあがり空には綺麗な星たちが光り輝く。

星というのは実に多彩である

夜、空を見上げれば無数の星々たちが私たちに静かに優しく迎えてくれる
そしてそれは惑星も例外ではない。

その日は火星が一際輝いていて見えたそうだ。





つづく


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