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パン屋さんから始まる恋 6 (完)


あれから何ヶ月かが経過していた

年も明けておせち、恵方巻きを食べたと思ったらチョコを食べて、いつしか世間は卒業と別れの季節を迎えようとしていた。


〇:いらっしゃいませ〜


世間は忙しなく動く中、このパン屋さんはいつも通り変わらない日常を過ごしている。


〇:今日もありがとうお疲れさま

美穂:おつかれです〇〇さん



時刻は17時
2人は店を閉めて、後片付けをしていた



〇:そろそろみんな卒業シーズンかな

美穂:〇〇さんもそういうの気にするんですか?

〇:いや僕はあんましかな、、笑

美穂:たしかにそんな感じしますよ
パンと美玲さんだけですよね好きなの笑

〇:ちょ、ちょっとみほちゃん……//

美穂:でも、本当に良かったですよ2人とも

〇:まぁ、、本当にみほちゃんには迷惑かけたよ

美穂:ほんとです〜 もっと時給上げて欲しいレベルです

〇:あ、上げたから、、、許して、、、

美穂:冗談ですよ笑
そういえば、あれからどうですか?

〇:あーまぁ、ぼちぼちかなぁ

美穂:うわぁ……惚気けてるますね、、、

〇:ちょっと引かないでよ?!









あの後、僕と美玲さんは付き合うことになった


でも、しっかりと告白したのは12月のクリスマスで、凄く緊張したけど美玲さんも、うっすらと涙を浮かべて喜んでくれたのを覚えている。


付き合ったからと言って、正直、何か特別変わった訳ではない。
だけど、一緒にお出かけをする日が増えたと思う
美玲さん的には「お出かけじゃなくて、デートだよ!」と言ってるのでデートみたいだけど


そんな毎日がとても幸せだと感じる






〇:そういえばみほちゃんって何年生だっけ?

美穂:3年生ですよ、前も言ったじゃないですか〜

〇:そっかそっか、ごめんね笑
ということは、まだここで働いてくれたり、、

美穂:さぁ〜?笑

〇:え、もしかして……

美穂:ふふっ そんな顔しないでください笑
せっかく時給も上げてもらえたんですから4年生まで続けますよ

〇:あぁ、、よかったぁ
みほちゃんがいなくなったらと思うと結構大変だからなぁ、、、

美穂:でも、ここに就職もありだったりしますかね?

〇:ほんと?!

美穂:まだわからないですけど笑





なんてことを話していると


?:随分、みほちゃんと仲良さそうにしてるね〇〇くん?


〇:んん?!

美穂:あ、美玲さん!




いつの間にか美玲も来ていたようで



〇:い、いつの間に、、

美:まったく〜鼻の下伸ばしてるじゃん

〇:いや、誤解ですって、、

美:ほんとに〜?

〇:ほ、ほんとです!

美玲 :まぁ良いけど
それより、今日は2人にお話があって来ました!



〇:お話?

美穂:なんだろう、気になります!


美:なんとみーぱん!


〇・美穂『ごくりっ』



美:今月で会社辞めることになりましたー!



〇・美穂:えぇー!?

美:前からやめようとしてたんだけど、引き継ぎとか色々めんどちくて
やっと3月で終わりなんだ〜


〇:いや、おめでとうございますなのかなんなのか、、

美穂:まぁ〇〇さんいますし、働かなくても美玲さん大丈夫だと思いますね笑

美:まぁたしかに働かなくても〇〇くんいるから大丈夫かなって思ったりしたのよ

〇:美玲さん、、笑

美:でも、働きたいところがあってね?

美穂:なるほど!

〇:美玲さんの今の会社も結構イイところなのにそれを差し置くとは

美穂:ちなみにそこってどこなんですか?

美:いや、まだそこに履歴書送ってなくて今日持ってきたんだ!

美穂:じゃあこれから面接とかなんですね!応援しなくちゃ!

〇:美玲さんのその明るさと元気ならどこでもやっていけると思います

美:ありがとう2人とも!
じゃあさっそく、はい!



〇・美穂『ん?』



〇:み、美玲さん?なんで履歴書を僕に……?

美穂:も、もしかして美玲さんの働きたいところって……


美:そう!私をここで働かせてください〇〇くん!!



美穂:あ、え、、

〇:えーーーー!!!!


美:ふふっ♪ よろしくね〇〇くん♡







ここはいつしか優しく温かい夫婦が営んでいるパン屋さんとして地元の人達に愛される場所になっていく……



美:予定です!

〇:僕なにも言ってないですけどね、、

美穂:え、まさか、、

〇:まぁ採用するけどさ笑

美:やったー!!

〇:ただ、つまみ食いはなしですよ美玲さん

美: ……てへっ♡

美穂:絶対やりますね美玲さん笑

〇:大丈夫かな、、、







 


パンとはひとつひとつ丁寧愛情込めて作る
そこには職人さんのこだわりや熱意、発酵の仕方や作り方まで多岐に及び、手間暇をかけて作る。
パンとはその人生が反映されているなんて言われても過言では無い。 
 
どんな職人さんでも初めてパンを触った日、生地を作った日、焼いた日、、様々な経験を経て自分なりの色と味を出していく

これから先も2人には様々な出来事が起こるだろう
楽しいこと、辛いこと、嬉しいこと、悲しいこと……そんな1つとして同じ日がない毎日を送る中で、パンを通して2人の愛を育めていけたらそれもひとつの形だろう


『夫婦2人で慕われている街のパン屋さん』


いつかそんな日が来ることを祈って。










パン屋さんから始まる恋
 
おしまい。



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