花火と夏祭りと俺
大学4年の夏は案外落ち着いているような気がする
去年まではワイワイ夜通し遊ぶのは当たり前みたいな生活していたのに、いつからから夜更かしは
1人で、するものになってしまった。
『なぁなぁ?今年は久しぶりに夏祭りやるらしいで』
○:おーマジか、高3であの夏祭りの記憶止まってるなぁ
『あの時、鈴花に告ってしっかり振られてたの誰やっけ?笑』
○:そういうことを覚えてるんなら、さぞ今回のテスト出来てるんでしょなぁ?このかさん
この:あ、、あたりまえやん!で、できとるもん!
○:動揺しすぎ&くっそ顔にでてる
好花と俺は小学校からの付き合い
俺がこの街に引っ越してきた次の年に好花が隣にやってきた。
幼なじみと言われたら微妙なライン
他の奴らからは「ずるい」「もったいねぇ」「早く付き合えよ笑」
などと、やんややんや言われてるけど、正直女の子として見れた試しが、、あるわ。
あるけど、好花は俺の事は友達だろうって思ってそうで、可愛いのは分かっているがいつしかそれよりも友達が勝ってしまうようになった。
この:今日のお昼何食べよっかな〜
○:俺はうどんで
この:何奢られる気でいるのさ笑
○:え、昨日奢ったからもしかしたらって思って笑
この:はぁ……○○くん?そんなんじゃモテへんよ?
○:別にモテなくてもいいよ笑
恋愛とか俺には疎遠だし
この:あんた……笑 まぁいっか〜
私が先に付き合っちゃうもんね〜
○:そういやこのかってモテるのになんで付き合わないの?
この:人には人のものさしって物があるんやで
○:ドヤ顔すんなムカつく
この:○○1回殴られん?
○:やめろやめろ笑
火曜は2限までなので、お昼食べて帰るのがいつもの恒例となっていた
○:で、このか行くん?夏祭り
この:あっっっったりまえやん
○:ためたなぁ、、
この:○○は運転ということで!
○:おいおいおいおいまてまてまて
この:えーどうせ暇なんやからいいやん別に〜
○:人をなんだと思ってんだ笑
もしかしたらバイトとか遊びの予定入ってるかもしれないじゃん。で、いつなん?祭りは
この:来週の土曜
○: ………。
この:ってことで○○くんよろしくー!
○:神様…なぜ私は土曜空いているのでしょうか
この:それは運がないから
○:うっさい笑
きたる来週の土曜
○:浴衣とは、、、
この:な、なによ…
○:お主やりおる
この:べ、別に良いでしょ〜
○:高3の時よりはさすがに大人になってる
この:そう?やっぱり大人の魅力があふr….
○:いやボデーよ
この:○す
頬にもみじ型の花火を先取りした俺はなんやかんや楽しいひと時を過ごしていた
屋台をめぐったり高校や中学の友達と会ったり、
鈴花にも会った。
見た目は変わっていたが、中身はそうそう変わる訳もなく昔のままでちょっと安心した。
そして、、良いか悪いか聞いてしまったのだ。あの日のことを
それと、もちろんずっと好花は隣にいた
みんなから付き合ってんの?とか言われる度に俺は笑って誤魔化していたが、好花は下向いてもじもじしていた。
時刻は20時50分
花火が打ち上がるまであと10分
この:あそこあそこ
○:へぇ〜あんなとこに
好花が穴場とやらに連れてってくれるらしい
この:1回○○と来てみたかったんだ〜
○:そっか、、、
この:ん?どうしたん??
○:いやなんでも、、
この:隠し事なんて○○らしくないやん
○:いやさ、、このか、、、
このかの好きな人ってもしかして、、俺…なのか?
この: ……。
○:やっぱり、、そうだったのか
この:い、いつから知ってたん?
○:さっきこのかが屋台に行ってる時に鈴花と少し話したんだ
○:あの時はごめんな笑
鈴:全然大丈夫だよ笑
できたらOKしたかったんだ〜ほんとは
○:あ、え?うそっ?
鈴:ほんとほんと笑
○:じゃあ、、なんであの時
鈴:実はさ…このかの、、ずっと相談乗っててんだあの時。
”どうしたら○○に好きになってもらえるかって”
○:え、あいつが?
鈴:そうそう笑 凄い○○君のこと想ってて、、
それ見たら私なんて全然だな〜って思っちゃって手を引くことにしたんだ笑
鈴:もちろん、このかはこのこと知らないと思う。
○:そんな事が…
鈴:ってか大学も一緒だから、とっくに付き合ってるんだと思ってた笑
○:いや、、なんも言ってなかった
鈴:○○くんも鈍感そうだもんね笑
多分今日告るんじゃないかな?このか
○:マジ?笑
鈴:まぁ少なくとも私だったら今日する笑
○:なるへそ
この:○○〜?
○:あれ、どっからかこのかの声聞こえるな
鈴:そろそろこのか帰ってくるだろうから私もみんなのところ戻っちゃうね笑
この:もう鈴花ったら…///
でも、そうだったのか、、なんな悪いことしちゃったなぁ
○:まさかこのかが俺の事好きだなんて
この:わ、悪い?//
○:ううん全然…むしろ早く俺からも言ってあげれば良かったなって
この:私も○○は私の事女として見てないんだろうなって思ってたから、、、言えなくて…
○:お互い様だったか笑
この:いや、私は告白しようとしてたから私の勝ちや
○:急な裏切りやん
ドッッッ
遠くで花火が打ち上がる音が聞こえる
○:あれま、始まっちゃった笑
この:はよ行こっ
2人で歩き始める。
遠くの空にはここぞとばかりに咲かせる綺麗な花が空に美しく咲き誇っている
この:○○!!
○:ん?!
途中でこのかが振り返る
この:私、○○のことが
”世界で1番だーいすきっやで♡”
○: …!!!
好花のまっすぐでキラキラした瞳と笑顔はこの会場のどんな人より花よりも美しく咲かせていた。
○:俺もーー!!!このかの事がだいすきだっ!!
世界で1番美しく可愛い花
俺はその隣でいつも明るく照らしてあげたい。
たったひとつの大切で大好きなお花だからね
おしまい