猫が失踪!?
フリスコが我が家に来て間もない頃、心臓が一瞬止まる出来事があった。
その日は秋晴れで暖かく、フリスコはお気に入りのバルコニーで過ごしていた。
私と夫は室内で仕事をしていた。
フリスコの様子を見に行くと、いつもの椅子の上にいない。どこにもいない。
ここは5階。まさか。
落ちたのでは、と意識が飛びそうになった。
あたふたしていると、右側から視線を感じた。
お隣さんのバルコニーからフリスコが私をじっと見ていた。
生きていたことに安堵したのも束の間、どうしよう。
この頃、私はフリスコに触れたこともなかったのだ。
ミーティング中の夫を中断させ、引っ張ってバルコニーへ連れて行ったら、フリスコは何もなかったかのように、いつもの椅子の上でくつろいでいた。
その頃、お隣のおじいさんはキツネが出たと大騒ぎしていたらしい。
おばあさんはフリスコを知っていたので、バルコニーで遊ばせてあげようと、そっとしておいてくれたようだ。
しかし、よくあんなに細い隙間をすり抜けたなぁと感心。
寿命が縮んだ日だった。