「編集」の力
先日読み終わった本『愉快のしるし』に、こんな言葉がありました。
何も特別なことが起こらない日常の中で感覚を開いてゆくことは、実は自分の世界に色彩を与えることであり、さらにほかの誰かの彩りを発見することにもつながってゆく。それが日々の暮らしを豊かにするということで、同時にその時間は何ものにも侵されない普遍的な価値を持つものになる。
これこそ、「編集」によってできることなんじゃないかなと感じ、手帳にメモりました。特に『すろーかる』のような地元に根付いて、日々の営みを取り上げる雑誌の「編集」によって。
ここで言う〝感覚を開く〟こと、そのきっかけを作るのが「編集」の力であると思います。
そして、確かに編集している私(たち)自身の世界は確実に色鮮やかに輝くし、すろーかるを読んでくれた人にも彩りを提供できるはず。前後して、取材や編集の過程で、その対象となる人やお店、企業の彩り=魅力を発見します。
それらは、確実に日々を豊かにしてくれます。
そして最後の「その時間は何ものにも侵されない普遍的な価値を持つものになる」とは、私が挙げたキーワードでいうところの「自己肯定感が上がる」ということに通じると感じます。
この言葉を受け取って、
「編集の力で、静岡の自己肯定感を上げる」ことは目指すべきこととして間違っていない、成し得ることだと内心、拳を握りしめました。
ポンっとやさしく背中を押された気分なので、軽やかに次のステップを踏んでいきたいと思います。