日々のさえずり 9
少し遡って夏真っ盛りのころ、オテラートに参加させていただくかもしれない、となったわたしは「9月の後半かぁ、もうすこし先だなぁ」と呑気に思っていた。それが、もう今週末だと言う。時間の過ぎてゆくスピード感に体も脳も一切ついていけていなくて、ほのかに恐ろしい。
オテラート金澤2024についてはこちらをご覧ください。
わたしはイチゴカメラというグループで参加しております。
大きな船に紛れ込ませていただいている、という感覚で(こんなことってあるんだなぁ)と思っています。土日は大体居ります。
普段から頻繁に金沢へ足を運ぶわけではないので、会期中お昼をどこで食べようかなぁと以前から気になっているお店を思い浮かべたりして最近は過ごしている。それと、お寺という場所でまとまった時間を過ごしたことがないので、そういう点でもすごくたのしみ。余談も余談だけど、クアフトビールのイベントが28日・29日にあるので若干そわそわもしている。
夏も、引き続き出汁をとっている。
主に煮干しと昆布。煮干しから出る苦みがおいしいし、お茶用ポットにぽんぽんぽーんと全部入れて一晩おくだけで結構おいしい出汁がとれる。麺類・汁物・炒め煮など、なんにでも使えるので「とりあえず出汁をとる」をして、献立はあとから考える。出汁を使ったすきな料理は「冷や汁」「かぼちゃの冷製ポタージュ」「冷奴の肉みそのせ出汁がけ」。
一日を終えて帰宅するとおそろしい熱気が家中にこもっている。うんざりしながら冷房を付けて、冷たいお出汁の料理を準備する。家族が喜んでくれる。夏がすこしだけすきになれた2024年。
やりたいことはやるべき、と7月1日の手帳に記してあった。ここ数年何においてもブレーキを踏み気味だったので、そろそろアクセル踏んでもいいんじゃないか、と思えるようになった兆しがそこにはあった。
その結果のひとつとして、先日ガラスペンを手に入れた。幼いころ友達とつけペンで絵を描いたり(そしてインクをカーペットにこぼして怒られたり)、あこがれの羽ペンを手にして使いたいけどもったいなくて箱のまま飾ったり。そんな他愛のない記憶が、インク瓶にペン先を浸すと驚くほど鮮明によみがえる。
ガラスペンを紙の上に乗せると、思ったより太い線が現れる。最近使っていたボールペンは0.25㎜のものだったから太さにびっくりするのは当然で、書いているうちに自然と大きくなる文字に「わたしの字、こんなに歪だっけ」と思う。
0.25㎜の極細ボールペンで手帳へ書きつける字は一文字2~3㎜くらい。それで記録や思考を流れるままに書く。早口でしゃべっているみたいに。かたやガラスペンで書くと文字の大きさはどんなに小さくても5㎜くらい。何を書こうか、と思い悩む時間もあって、深呼吸するみたいに、絞り出すみたいに文字を紙に落としていく。慣れるともうすこし変わってくるのだろうけど、始めたての頃の感覚はすぐに忘れ去ってしまうのでここに書き残しておこう、と思った。なお、早くもインクという沼、いや、もはや海原に溺れそうになっている。罪深い。
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