「モバイルバッテリーシェアリングで、観戦をもっと楽しく」-『SENDAI X-TECH Accelerator』 審査会レポート
「X-TECHイノベーション都市」を標榜する仙台市が、「楽天イーグルス」(株式会社楽天野球団)・「藤崎百貨店」(株式会社藤崎)という2社とコラボレーションして進めるアクセラレータープログラム『SENDAI X-TECH Accelerator』にmochaが選出された。
昨年の11月に応募し、書類選考が実施された。去る1月15日、書類選考で選ばれた13社が、仙台市で開催された審査会(ピッチコンテスト)で実現したいプランを提案。その中から、次のステップであるインキュベーションに進む企業が決定した。審査会で、mochaが楽天野球団に採択された経緯ついて紹介する。
「グッズ/飲食販売・座席案内などを無人化し、スマートにしたい」、「混雑状況を可視化し、入場・飲食・トイレなどスタジアムでの待ち時間をなくしたい」といった課題を抱える同球団が提示したテーマは、【スマートスタジアムで快適なおもてなしを感じるWao! 体験】だ。楽天生命パーク宮城をスマートスタジアム化するアイデアとして、mochaを含め4社が提案。
スタジアムを快適にする、mochaのアイデアとは?
審査会では、書類選考を通過した6社が、発表5分・質疑応答10分の持ち時間でプレゼンを行った。審査基準は、「テーマ・コンセプトとの整合性」「市場性」「実現可能性」「スケーラビリティ」の4点。これらをもとに審査が行われた。なお、審査員を務めたのは、以下の4名だ。
■株式会社楽天野球団 プロモーション部長 一ノ瀬玲奈氏
■株式会社楽天野球団 マーチャンダイジング部長 渡辺誉志氏
■株式会社楽天野球団 事業本部長 大石幸潔氏
■株式会社楽天野球団 マーケティング本部長 江副翠氏
弊社代表が登壇し、プレゼンテーションを行った。「mocha(モチャ)」はスマートフォンなどを充電できる、無人モバイルバッテリー貸し出しサービスを展開していると紹介。特徴は、持ち運びながら充電ができ、借りた場所と返す場所が違ってもよい点と説明した。
たとえば、東京で借りて沖縄で返すことも可能だ。価格は業界最安値で提供している。また、使いやすさにも注力しており、スマートフォン上で簡単にモバイルバッテリー置き場「mochaステーション」を探せる。もちろん、キャッシュレス決済にも対応している。
弊社の提案内容は、スタジアム内に「mochaステーション」を設置し、観戦をもっと快適にすることだ。楽天生命パーク宮城では、1試合につき最大で100件もの充電ニーズがあるという。現状、バッテリーの貸出は人を介しているため、手間もかかっている。また、利用者は充電スポットで、充電が完了するまで待たなければならない。そのため、大事なシーンを見逃す可能性もある。
一方、「mocha」を導入すれば、無人での貸し出しが可能なので人手がかからない。また、自席で観戦しながら充電ができるため、試合観戦の妨げにもならない。SDK(ソフトウェア開発キット)を提供しているため、楽天イーグルスの公式アプリ「At Eagles」との連携も容易だという。
現状の決済方法は、クレジットカード、LINE Pay、Alipayだが、今回の採択を機に、楽天ペイの実装も考えている。
・ゼロワ株式会社
「お客様の個人情報と空席チケット活用による、超満員で一体感ある応援体験」
・akippa株式会社
「予約制駐車場を活用した、スムーズなスタジアムアクセスの実現」
・株式会社バカン
「にぎやかで刺激的、だけど居心地の良いボールパーク」
GREEN UTILITYを含む4社は、約2カ月間のインキュベーションへ
楽天野球団に採択された上記の4社はこの後、約2カ月間のインキュベーションに入る。インキュベーション期間では、アイデアの実装に向けて、楽天生命パーク宮城を活用しながら、仙台市による協力も仰ぎ、プランを具体化していく。3月中旬には、その成果を発表するデモデイも開催される予定だ。
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日本には、野球やサッカーを始めとするプロスポーツチームが全国各地に存在する。それぞれがホームスタジアムを持ち、ファンとのコミュニケーションの場にもなっている。実験的な取り組みを続ける「楽天生命パーク宮城」は、そうしたスタジアムの見本ともなる場ではないだろうか。今回のプログラムから、どのような「未来のスタジアム」が生まれるのか、引き続き注目していきたい。
スマートスタジアムを実現する4つのアイデアとは――
『SENDAI X-TECH Accelerator』 審査会レポート 【楽天野球団編】
https://eiicon.net/articles/1493 一部抜粋(※eiiconから転載)