満天の星に睦ぶ #旅する日本語

夏の夜が好きだ。
そのけだるいような空気をなぜか懐かしいと感じる。

沖縄の友人の家に遊びに行く前に、石垣島と竹富島に行ってみる計画を立てた。飛行機で石垣島に着き、船に乗って竹富島へ。

着いた時にはもう夕方で、目の前には見たことのない景色が広がり、とうとう沖縄の離島にやって来た、とワクワクする。民宿の受付で出してもらったシークワーサージュースを「美味しいです！」と言いながら飲んでいると、そばにいた男性に話しかけられた。

地元の人は港に星を見に行くと教えてもらって、今日行くつもりなんだけど一緒に行きませんか？というお誘いだった。私は迷うことなく「行きます！」と返事をして、夜になってからその見知らぬ人と一緒に港へ行った。港に着くとたくさんの人が寝そべって星を見ていて、私とその人も港のコンクリートの上に寝そべった。満天の星。傍らにはさんぴん茶。まわりには知らない人がいっぱい。そんな夏の夜が好きだ。