筆まめの話
うちの姉妹は筆まめである。私も妹も学生だった頃、離れて住んでいたので手紙を送りあっていた。手紙を出すと2日後には返事が届き、返事を書いて翌日に出すと2日後にまた返事が届く、というサイクルで何年間か続いていた。手紙は段ボール箱いっぱいになった。私には妹の他にも手紙のやり取りをする友人がいたけど、妹ほど返事の早い人はいなかった。妹もそうだったようだ。「今日学校でこんなことがあってこんなことを思った。」とか「○○にケーキ食べに行きたい。」とかそういう他愛のない内容だったけど、離れているのに近くにいるようで、一緒に住んでいた時より妹のことを身近に感じた。
以前、伯母が私たち姉妹のメールの返信は特徴が似ていると言っていた。文章に無駄がなく用件がわかりやすいことと、そこに自分らしい言葉がプラスされていることだと。何だか嬉しかった。そして伯母は「あんたたちが筆まめなんはお母さんの影響やね。」と言う。それはそうかもしれない。母は私が小さい頃から今に至るまで、しょっちゅう手紙や葉書を書いて出している。そして母の友人からしょっちゅう手紙や葉書が届く。小さい頃、母が手紙を書いているのを横で見ていた記憶がある。数日前にも、何年ぶりかで電話で話した相手が「前にもらったクッキーが美味しかった。」とひとこと話しただけで、翌日クッキーを焼いて手紙と一緒に送っていた。早すぎる。
今は妹とはLINEでやり取りしているけど、内容はあんまり変わっていないかもしれない。出かけた先で撮った写真や、学校の行事の写真、欲しい物や食べたい物などのリンクが送られてくる。日常の報告みたいな感じだ。送られてくる方が圧倒的に多くなったかもしれない。母とその写真を見てあーだこーだと話している。返事は見た時にすぐ返すけど、時々延々とやり取りが続くことがあって、ここが他の友人とは違うところかもしれない、と思う。筆まめすぎて続いてしまうのか。
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