コトブキ0-2

コトブキ飛行隊(アプリ)で実感する、ゲームの「把握」と「制御」

バンナム肝いりの新コンテンツ、コトブキ飛行隊。今年1月からアニメが放送され、放映中の2月無事ゲームもリリースされました。

そのゲーム側の話。特に戦闘部分のつくりを見ていて、思うところが色々あったので書き残します。

この盤面は把握できるか?

公式の「システム」にある、”3Dの戦闘機が縦横無尽に空を翔ける!” というキャプションとともにある戦闘画面説明画像です。しかしこの視点では全く状況が分からず実用に耐えないので、実際は戦況画面を常時見て進めることになります。(戦況画面に辿り着かなかった人はどうなるんだろ)

2機(前衛+後衛)で構成される分隊が3つで味方合計6機、敵も同様の構成。これがコトブキ飛行隊の基本戦闘です。この三角形12個を凝視します。迫力の3D戦闘!な宣伝イメージとは真逆で、駒を動かすタイプのゲームに適性がある人間向けのゲームとなっています。リアルタイム戦闘なので、全て独立してぐるぐる動きます。

触ってみてつらいのが、戦場3か所を常時追いかけないといけないことです。必殺技以外の制御ができるわけではないので、操作の面ではオート発動で放っておいてもまあよいのですが、うまくいかなかったときちゃんと見ていないと「なぜ負けたのか」を理解して修正することができません。1~2秒くらいで耐久ゲージ1本全部持っていかれることは珍しくなく、ちょっと目を離したすきに落とされて居なくなっていることが…。

この進行速度で、戦場が3か所になるところに明らかに問題があります。プレイヤーがベストを尽くすのであれば、必殺技発動タイミング・ターゲットを手動制御すべきですが、無理です。工夫どころか、マニュアル操作すらほぼ不可能と感じました。一時停止できるので、コマ送りしながら1戦闘に実時間10分かける気合があれば別ですけれども。

昨今流行りのオートチェスは、スクロールする広いマップのMOBA(Dota2やLoL)を、全体が把握可能な固定画面1枚に収めています。戦場と画面の設計においては、コトブキはあれと逆行しているともいえます。

この盤面は制御できるか?

戦闘時間は、モードによりますが大体3~5分くらいの上限があります。挙動はAI制御なので、人間がどうにかできるのは戦闘メンバーと一番最初の配置だけです。そして、戦闘から3分後のAI挙動が悪くて失敗、のようなケースは珍しくありません。そっちに行くなーダメだーみたいな、自分で操作できたら絶対そうはしないのにという動きがつらい。

よくあるのが移動経路で…

せっかく固まっているのに…

1機だけ違う方向に行っちゃったー!というやつ。あらゆる場面でこういうことがあって、味方6 vs 敵残り3で楽勝だなーと思っていたら、味方5 vs 敵1と、味方1 vs 敵2 に分かれて撃墜されていたり…

結局諦めた

このゲームは、盤面の把握も制御もできない。リリースから60日ほど休まず続けてきたゲームを辞めてしまったのは、このへんに気づいたときでした。レベル上げる以外に良策が出てこないことを「レベルを上げて物理で殴ればいい」などと揶揄することがありますが、それに近いものを感じてしまって。アウトゲームの設計は「クランとダンジョンが無くて手軽なプリコネ」という感じで日々軽く遊べて悪くなく、キャラもかわいいので、キャラゲーなのでバトルの細かいことにこだわらない、という人にとっては良いゲームだと思いますけれども。

「最初の企画・紙一枚」、もっといえば戦闘設計のグラウンドデザインが間違ってるように思いました。

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もっこす→ネットワーク技術/ゲーム開発
note試用中。投げ銭が時々でも入るようなら真面目に続けようかと。COMP買って栄養の足しにします…