シャニマス(ゲーム)は如何に生き残っていくのか
最初の記事を置いてから全然使わなかったnote、はてなダイアリーが閉じたのに合わせて、ゲーム寄りの記事も合わせてちょこちょこ書いていこうかという2019年。ひっそりとゲーム開発者も経ているので、ネットワークと同様に専門性のある話題のひとつとして。
最初の話題は、2018年に新規シリーズとして立ち上げられた、アイドルマスター シャイニーカラーズ。3/9~3/10に3公演の1stライブが開催され、ライブビューイングも展開されて大盛況でした。コンテンツとしてのシャイニーカラーズがこれから伸びていくことは間違いないでしょう。「この先生き残るには」みたいな心配をしなくて済みそうです。よかった。
一番の気がかりはやはり、今まで唯一の展開であったゲーム本編です。アイドルマスターの看板を掲げてリリース前から期待通りの盛り上がり、そしてリリース後もそのキャラクターの見せ方、特に一枚絵+アニメーションの美しさと破壊力は度々話題になってきました。触っていなくてもキャラクターの強さがこんなに伝わっていくゲーム、滅多にありません。
しかし…リリース前の盛り上がり・リリース直後の参加人数からは想像できない、こんなの見たことないってくらい鮮やかに人が居なくなっていきました。それでも数万人居るならば一般的には十分成功ラインとはいえ、覇権クラスのIPとキャラクターをもって、どうしてこうなってしまったのか…。
最高級の麺とチャーシューが泥水に浸かって離島にある、みたいなゲーム本編。開発側は「離島にある」すなわちiOS/Androidのストアで配信されていないのを最も大きな問題と認識したようで、enza独占を諦めiOS/Android向けにも出してきました。
他にもシャニマス運営は「人を呼んでくる施策」こそが復活の鍵とばかりに、ドバドバ突っ込んできています。シャニマス1stライブ→無料10連→YOSHIKIのCM起用と。これは成功していて、一時期3万人台だったと言われるアクティブ人数が、いまや13万人を超えているとか!
[イベントアクティブ]
— P (@AnloveaiutaP) March 28, 2019
デレステ(未完成の歴史)
32.6万人
ミリシタ(ピコピコ)
11.8万人
シャニマス(スプリングブロッサム)
13.7万人#アクティブ数 pic.twitter.com/DiJZq9Xzfu
しかし、昨年あっという間に人が離れていったゲームシステム、泥水と表現している部分に自体に手が入らなければ同じです。復活の鍵は、4月1日から解放される新システムでしょう。
システムの細かいところを突いていたらキリがないのですが、既存の非常に大きな問題に「攻略の難しさ」「インターフェイスの悪さ」にあったと考えます。そのあたりの整理と新システムへの期待を、稼働前日に残しておくのがこの記事です。
課題①: 攻略の難しさ
誤解している人が多いですが、シャニマスは攻略ではなく手順です。小さな工夫を積み重ねていく艦これと異なり、正しい突破手順を知っているかどうかが大前提にあるので、クイズに近いといえます。だから、自力で「攻略」しようとしたらいつまでも結果が出ないまま挫折するし、手順にきっちり従えばゲーム開始数日でTrue Endに到達します。
具体例を出すと、例えばファン10万人オーディションの、シャニマス攻略Wikiにあるテキストは以下のような感じです。
特化属性がViの場合は流行1位、Da,Voの場合は流行2位の週に挑むと勝ちやすい。
とはいえ、他アイドルはPerfect+エクセレントで12700程度の火力なのでそれを上回る自信があるなら気にしなくてよい。各ステータス600程度あれば2.5倍アピールで上回れるが、3倍以上を用意できてない限り550以下はかなり厳しいと思われる。
上の表を見ただけで、VoDa特化育成してる時に流行1位の週に挑むと危ない(Vi特化育成の時は流行2位の週は危ない)と読み取れる人ならオーディション攻略の基本は完璧。
ダメなときに能力550で突っ込んでも勝てないけど、穴になっているところに能力250くらいで行けば勝てます。シャニマスでは、工夫とは鍛えて強くすることではなく、正解を知ることなのです。工夫を積み重ねて確率を上げる艦これとは、基本的に方向性が異なります。そんなわけで、この項目は「攻略の難しさ」ではなく「攻略するのだという誤解」あたりが正確といえます。
ここまで理解し、手順通りの作業に到達したら、ようやく一周30~40分の運ゲー開始です。流行ガチャ、約束の発生頻度と内容、サポートアイドルの配置状況…。そして、手順が合っていて能力が足りないならガチャを回すしかありません。2018年~2019年に流行るゲームではないことは断言できます。
新システムというか新シナリオというか… ファン感謝祭編に期待することは、もうちょっとゲーム内で情報開示して、手順ではなく「攻略」に寄っていてほしいという願いです。W.I.N.G.編はもう捨て置くしかないとして、何か考えながらプレイしてそれが結果の改善につながるようなものを期待したいです。あと、スマホで遊ばせるなら目押しは勘弁して。
課題②: インターフェイスの悪さ
プロデュース開始時、アイドルを選択する画面がこれ。
誰をどう選んでいいのかまったくわからない。能力や属性を示すアイコンの類が一切なく、タップしたら右側に詳細が出ますよーみたいなものもなく。こんなひどい選択インターフェイス、25年古いと言ったら25年前のゲームに失礼なレベルです。せめてVocal・Dance・Visualくらいは出そうと思わなかったのでしょうか?
明日の新システム開始がどうこうという話以前に、早急に対策が必要です。しかもプレイ11カ月目にしてようやく気付いたのですが、スキルがDanceなのに持っているのはボーカルアピール、みたいなクソ仕様がたまに混ざっているではないですか!何か時々おかしいなーと思ったんですよ。
#シャニマス 色々情報まとめててようやく、所持スキルの欄に固有ライブスキルがあって、しかも能力と全然あってないクソ仕様にされていることが多々あることを知る pic.twitter.com/XxbwDZjn0G
— もっこす (@moccos) March 17, 2019
そして「攻略ではなく個別手順である」「アイドルの能力把握が困難」が合わさった結果が、Twitterで流れてくる画像4枚文字ビッシリの「シャニマス攻略」なのです。
シャニマスを真面目にプレイするまでは、「シャニマス攻略書いてるやつらはアホか?まとめる能力ないんか?」って思っていましたが、そうではありませんでした。手順なので詳細にすべて書く必要があり、ゲーム内で比較が困難なのでアイドルの能力をすべて解説する必要があるのです…
ただ可愛いアイドルを見たい人間にこれらの読解を課すの、どうかしています。もちろんゲーム内部でどうにかなるようサポートすべきです。そして、攻略探しに行かない人、どうするんだ。サービスイン直後のように、静かに居なくなるだけではないでしょうか。
課題を2点挙げましたが、対処の期待はひとつにまとまります。「必要な情報はゲーム内で提示してくれ」。ここがどうにかならないと大きな改善はないと思います。まあゲームの流行る流行らないを読める人なんて居ないので、もしかしたら杞憂なのかもしれませんけども。8月の2ndライブまで、ゲームも元気に生き残ってほしいものです。
追記: ほぼ1年後に書いた続き↓
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