初めての税務調査
やっときたよ。
これが書きたかった。
高校の先輩が株式会社を持っていた。
持っていた、というのは親から成人祝いにもらったのだと。
当時の株式会社は資本金1,000万円ないと作れなかったので、まあ、金持ちの子だ。
その先輩は、古着の販売と日雇いバイトの紹介でその会社を使っていた。
会社のことなんて当時全く知らなかった僕たちは、「売上たくさんにして上場しようぜ!」なんてバカなことを言っていた。
古着はあんまり売れてなかったけど、日雇いバイトの紹介だけでなく、僕の合コンビジネスの売上を帳簿上その会社の売上にしてたから、なかなかの規模になっていた。
帳簿上。
そして、僕が4回生になった頃に先輩から電話がかかってきた。
「なんか税金払えって人が来てるんやけど!」
なんのこっちゃと思いながら、呼ばれるままに先輩の元へ行く。
そこには税務調査官がいた。
初めてもらった名刺は税務調査官。なかなかに不思議だ。
申告は税理士が上手いことやってるはずだったのに、なんか経費として認められないものばっかりとのこと。
当時の僕にはなにがなんやら。
簡潔に言うと、250万円ぐらい税金を払えって言ってきた。
もちろん、お金なんかあるわけない。
帳簿上でしか売上がないんだもの。
このままでは会社は倒産だと脅されビビる先輩。
親にバレたらどうしようと震えている。
僕も、なんだか怖い顔で難しい事を言う税務調査官にビビっていた。
税理士は一切守ってくれなかった。
とりあえず、あるお金を集めて全部納税したけど、お金なんて入ってくるもんでしょーなんて使いまくってた僕と先輩はほぼ無一文になった。
合コンもできなくなり、講義ノートも売れなくなり、お金もなくなった僕は、姉が働いていたフレンドリー系列の居酒屋にコネで雇ってもらい、ドリンクを作りながら思った。
税金の勉強をしよう、と。
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