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【こんな場所に出会いたかった⑪】誰も排除しないから、カオスなほど多様な人があつまる、頼れる居場所~富士市「ゆめ・まち・ねっと」~たっちゃんとみっきぃの願い編~

■最初に

こんにちは!サイボウズのもっちーです😊

静岡県庁を38歳で退職し、今は子ども若者のためにたくさんの活動をされている、渡部達也さん(以下:たっちゃん)と美樹さん(以下:みっきぃ)のご夫婦がたくさんの活動をされている、NPO法人ゆめ・まち・ねっとさんのシリーズです。

前回は、子どもに関係する人すべての人へ2の想いをご紹介しました✨✨
今回は、いよいよ最終回です!

以前の記事
⓪「子どもたちへのまなざし」の紹介記事はこちら
① 活動の紹介編はこちら
② 視察・体験編はこちら
③ 発達障碍のお勉強編はこちら
④たっちゃんの軌跡編はこちら
⑤県庁を辞めて相棒との活動編はこちら
⑥子どもたちの姿から編はこちら
⑦大人との関わり編はこちら
⑧大切にしていること編はこちら
⑨たくさんの物語編はこちら
⑩子どもに関わるすべての人へはこちら

※障碍(者)の文字について
これからは、障碍と書きますと宣言した理由はこちらの記事から


たごっこパークで泥だらけで遊ぶ子どもたち

■たっちゃんとみっきぃの願い


【想像力】

子どもに携わる職業の人に一番大事なのは何だと思いますか❓
児童精神科医の佐々木正美先生に聞いたことがあるそうです。

佐々木先生は
想像力ですね」
と即答されたといいます。

たっちゃんに、意外だったなと感じる事ってあるのか聞いた時に教えてくれました。

明るく元気な子が、意外と家庭環境が複雑だったり、クールで大人な子が学校で嫌なことがあったり、人と話をしていても意外と感じることって多いと思います。

たっちゃんは、
想像力を大事にしていて、きっとこの子はこうだろうっていうのがあって、やっぱりねっていうことだったり、現時点もすでにこうだろうという、
想定していると、想定どうりということと、
あと、この状態で今、小学校4年生、きっとこうなっていくんだろうなっていう想定もある。
だからだいたい想定通り。

それは日々、この子の暗さは、この子の明るさは、この子のハイテンションは、子どものことをとてもよく見ているから。
想像力をもって、気遣ってくれる人がいる。これほど心強いことはないですね。


ある日のたごっこパーク


【希望の先送り】


子ども・若者がゆめ・まち・ねっとさんの活動に来ることで、心の回復があるのか質問しました。

「プラマイゼロだと思っている」

回復までの力はないと感じていて、
今日も学校に1日行ったことで、マイナス状態で放課後の居場所に来た子たちが、0になって帰っていく。
明日もまた学校行くからマイナスの状態で居場所に来る。
その繰り返しのイメージということをお話してくれました。

0に持ち上がるのもすごいのかな?と感じたエピソードです。
生きづらさを抱えている子って、本当だったらマイナスからマイナスにどんどんいくところを、もどれるところがあるのがスゴイなと伝えると、

特に小学校、中学校の間は、マイナス幅が大きいだけ、プラスにまではなかなかないと思ってて、だからこそ学校に行くことで、マイナスが大きくなっちゃってる子たちは、希望の先送りができたらいいかなって思っているといいます。

希望の先送りっていうのは、極端に言うと、

生きてて欲しい

身体的にももちろん、気持ち的にも生きてる状態で、中学卒業まで、義務教育っていう年齢を超えるところまで、たどり着いてくれたらいいなって願っているそうです。



【義務教育のおわりまで】


希望の先送りは、なんで義務教育なんですか?

学校っていう場に縛られてたけど、
あんなに縛られる必要もなかったんだなってことに、やっと少し気づける
それが、義務教育が終わってからと言います。


少なくとも、不登校の子どもたちが、中学を卒業して、
不登校って呼ばれなくなる。 行くべき学校がないから。


不登校と呼ばれるのかといえば、学校があるから


3年前、不登校になって中学のラストまで不登校だった子がいて、その子が卒業式の前日におもしろ荘に来て
「明日の卒業式ってどんな意味がある?」って聞いたら、
即答で「不登校って呼ばれなくなる」
と答えたといいます。


そういったこともあり、卒業式まで、せめてマイナスではなく、0の状態で迎えられれば、そこから今までよりは、レッテルを貼らなくなる
やりたいことがやれるようになる。

就労できる子は自分のそれなりの稼ぎで、自分の趣味にお金をつぎ込むこともできるようになる。
とお話くださいました。


【たっちゃんの根底には?】


本読んでて思ってたのがなんかたっちゃんはすごい素直に受け入れる方なんだなってことです。
本人にぶつけてみました。

もっちー
「父親の教え、恩師のまなざし、県庁の先輩の教えなどもそうですし、佐々木先生とか、田中先生をリスペクトしてるのもすごい感じています。
それだけじゃなくて、日々の子どもと接して感じることとかも、
ものすごい素直に受け入れてんだなってなんか感じたんですよね。」


たっちゃん
共感共鳴すれば、税務課の先輩のことでもそうだけど、納得すればすごい受け入れる。納得することだらけだから、おっしゃる通りおっしゃる通り、ってなって、それを実践してみようって思うんだけど、
一方で、疑いたくなることもたくさん、理不尽だなと思うと、いやそれ違うんじゃないのって思うことに対しては、とことん違うって言い張ってみたい自分もいる」


その根底には、
「僕が出会ってる人とか、僕を必要としてくれる人にとって、この人のこの考えは有効か無効か?という判断で受け取ってるんじゃないかな」
思い返すと素直に受け取っている場面って、


それを実践すると。 昨日出会ったあの子が救われるのかもなとか。
昨日出会ったあのお母さんはそういう考えをしているのかもな。

そう思った時に、なるほど、そのとうりだって受け入れてみようって思うとお話くださいました。


むすびめのそばで撮影

■取材を終えて

2泊3日で行ってきました。
朝起きた時から夜遅くまで、日々の様子を見せていただく貴重な体験でした。

朝、近所をお散歩に行くと伝えると、「このコースが富士山もきれいに見えるよ」という言葉が返ってきます。
何か質問すると、エピソードも交えて具体的に話をしてくださいます。
1つ1つに人柄があふれていました。

記事の確認をお願いした時も、本当に細かな点まで確認してくださることに、感激しましたし、きっと昔の写真を引っ張りだしてくれたんだなっていうこともありました。

聞いていたお話をまとめたあとに、その時には聞いていないお話を、わかりやすく文章を付け加えてくれたりもしました。

一緒にこの記事を書いてもらったといっても過言ではありません。

あぁ、気遣い人ってこういうことなんだなと、接する度に教えてもらっています。


■最後に

最後までありがとうございます!

本を読んだ時から、ずっと変わらずに
「こんな場所に出会いたかった」「こんな人たちに出会いたかった」と思ってます。いや、今はたくさんの人に出会ってほしい!と願っています。

困った状況にある子ども、1人で抱えられない問題を抱えている大人、
実際に自分の居場所として、おもてなししてくれる若者たち、
たっちゃんやみっきぃが後ろにいるという安心感から前に進んで、変わっていけた人たち、、、

サイボウズは100人100通り、多様な個性を尊重している会社です。
人事制度を整えたり、たくさんの人が働きやすいことを、考えてくれていると中にいても感じます。
私も、そういう会社だからこそ、安心感から進んでいけることがありがたいです。

だからこそ、これからも、多様な人が交わることが当たり前な社会になるために、インクルーシブな社会に近づくために、
まずは、色んな活動を伝える活動をまだまだやっていきたいと感じています。

・・・ということで、
次回は、たっちゃんに出会って変化した、佐賀県の「居場所」をご紹介します。

また見てもらえると嬉しいです😊