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ソメイヨシノ VOL.1

「猫の目ってさ」
世の中の景色をさ、どんな風に見てるのかなあ? 空の青とか同じなのかなあ?そう言ったのは宇宙だったっけ。
そのとき互いの目の中には互いがちゃんと映っていた気がする。
自分の目に映る景色がほんとうにそこにある景色なのか、その空は本当に青いのか、耳に聞こえる音は一体いつ震えているのか、そのすべてが不確かであるとするなら、互いの目に映る景色を尊重し、認め合い、相手の見ている景色を自分も見ようとして、手をつないで、一緒に空を見上げられることが幸せなのか、それともそんなことよりも、お互いの目の中に、お互いを確認できることが幸せなのか、実環子にはよくわからない。
猫の目に映る世界、または円くめぐって終わりのない形については実環子も考えたことがあった。きっかけはピンクだった。そしてきっかけは少しずつ色を変え、きっかけでなくなり、放物線を描いて、今、実環子の前に転がっている。

🌸作者注)幻冬舎から2023年6月1日に電子書籍が発売されまして、本日6/9に幻冬舎のnoteページで試し読みの連載が始まりましたので以下をこちら↓のリンクにお繋ぎします〜

2023.6.9(fri)加筆🖋💫



本日「すきとおる」の栞(カラー版)が神保町のパリことPASSAGE BIS! に納品されました!夏の短編「すきとおる」は全編無料で公開いたしますゆえ、ぜひみなさまその前身の物語「ソメイヨシノ」はkindleでお願いいたします!(これがベストな手法だったんだ!)

栞珈琲×PASSAGE bis!の栞🔖

ではまた来週!


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中島 桃果子 / Mocako  Nakajima
長く絶版になっていたわたしのデビュー作「蝶番」と2012年の渾身作「誰かJuneを知らないか」がこの度、幻冬舎から電子出版されました!わたしの文章面白いなと思ってくれた方はぜひそちらを読んでいただけたら嬉しいの極みでございます!