【2024年7月号】『#Tokyo発シガ行き➡︎』 "境界線、溶ける"by 月イチがんこエッセイ
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DLしてそのままでも、プリントアウトしてでも。プリントアウトされる方は出力時に「レイアウト」を選択しa4に4ページくらいプリントできる設定にするのがオススメ。わたしはゲラ直しの時、そうしてます。
かの地震での被災もあって長らく絶版になっていたわたしのデビュー作「蝶番」〈2009〉と絶対に!ベストセラーになると思っていたのにふるわず、おそらく断裁されてしまった渾身作「誰かJuneを知らないか」〈2012〉が今月まとめて幻冬舎から電子書籍で発売されたということで、今月のエッセイは冒頭に「誰June」にちなんだエッセイを据え、中盤以降に、デビュー前に書いていた脚本「JUNE」——これがJUNEが出ていくまでの話となる/刊行された本はタイトルの通りいなくなったJUNEについての物語——を極短篇に起こして収録してみました。この前身物語を今年、完成したいなとも思ったのですが、JUNEの気持ちが主観で語られるのを避けたいわたしは、まだどうしていいかわかりません。笑
(脚本版はト書きと台詞とJUNEの語りでできているから行間の含みがあるんだな)
とはいえ冒頭のエッセイは22歳だった頃のじぶんを憑依させて書いたのでなんだかタイムトラベル感があってたくさんの”何か”を取り戻した気分です。
あの頃、2000年初頭というのはノストラダムスの予言も虚しく世界は続いて、アメリカでは9.11なんていう物騒なテロがあったけど東京はなんだかんだまだまだ平和で、平和の中にカルチャーがあり「なんだかこんなままでいいのだろうか」という病によって人々がDOPEな感じになっていた気がするんだけど、なんかこう2024年7月、乱世。2年前に日本で総理が殺されて、つい昨日、トランプが撃たれた。いよいよもうどこへいくかわからなくなってきた世界の真ん中で「そうそう愛を叫ぶのも困難に」なった今の東京を思うと、あの頃の我々のBlueは美しく凪いでいた。そんな感じがして、
自分が書いた小説ではありますが、あの頃の繊細すぎた我々の、文化や暮らしや、そこそこの病が、絹糸のように美しく見えます。戦争の真っ只中で人はこのように戦前前夜の宴を、桃源郷のように思い出すのでしょう。
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それではみなさま「JUNE」の中で会いましょう。