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プロが使う住宅にオススメ内装仕上-壁編
住宅を購入する際、言われるがままに限られた選択肢から壁材を選んでいませんか?一生の一度の大きな買い物ですから、ああすれば良かったのに、とならないように下調べが重要です!
特にリノベーションは、規模が戸建てよりも小さいことが多いので、コストのかけ方を工夫すれば、特徴的な仕上材を使うことも可能です。是非、参考にしてみてください。
内装仕上材の種類
さっそく壁の内装仕上の種類を見ていきましょう。
① クロス系
・ビニルクロス
・繊維系クロス
・高級紙クロス
ビニルクロスは、とても一般的なので特に説明は不要かと思いますが、少しグレードが上がって繊維系クロスというものがあります。サンゲツだとエクセレクトという商品ですが、肌触りもすこし織物っぽい感じで、高級感を出すことができます。
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繊維系クロスで無地のものは、近くによって見ないと普通のビニルクロスとの違いはわかりにくいですが、実際に初めて見た方からは「これは普通の壁紙ですか?」と聞いて頂いたり、高級感のあるテクスチャーが特徴です。
さらにその上のグレードだと、「紙クロス」というものがあります。本来は紙だから高級というわけではなく、昔は全部「紙」だったと思いますが、今では紙クロスというと、かなり意匠的に凝ったデザインのものという印象です。
トミタというメーカーさんが、紙クロスのような高級クロスを取り扱っているので、ショールームに行くと様々なクロスが見れて楽しいのでオススメです。
過去に、アクセントとしてトミタさんのクロスを使用させて頂きました。玄関の正面に絵画などを飾るか、もしくはアクセントクロスにするか検討していたところ、トミタさんのクロスであれば申し分ない、ということで採用させて頂きました。(下写真の奥正面の青色のクロス部分)
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② 化粧塩ビシート
・3M ダイノックフィルム
・サンゲツ リアテック
・タキロン ベルビアン
上記以外のメーカーも商品を出していますが、3社カタログを見れば、ほぼほぼ目当ての柄が探し当てることができます。一般的には「ダイノック」の呼称で呼ばれることが多いですが、ダイノックは3Mの商品名です。
私がよく採用する柄は、木調のシートと、金属調のシートですが、最近の木調化粧塩ビシートは、本当に本物感がすごいです。ぱっと見ただけでは本物との違いがわからず、触ってみてようやくわかる程度です。
さらに、3Mが「Dボード」という商品を出しています。ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)に巻き付けたパネル状のものを張り付ける商品ですが、厚みをもたせたパネル状にすることで、さらに本物っぽさが増す商品になっています。3MのDボードでなくとも、ケイカル板に貼ることは可能ですので、どのメーカーのシートでも同じように施工することが可能です。
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mocAで設計した「With Horse」の玄関扉の室内側は、化粧塩ビシートを張って、金属調の高級感ある扉にしています。内装の木調にも合うように黄色系のものを採用しました。ドアの裏表は貼り分けをすれば自由に素材を変えられるのも魅力です。
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③ ツキ板 練付合板
ツキ板というのは、木材を薄くシート状に切りだしたものをツキ板(突板)といいます。それを下地の合板に張り付けたものを練付合板といいます。下記の江間忠ホールディングスさんに限らず色々な木材メーカーさんが出しています。ホテルや店舗、もしくは家具に使用するなど、高級感を演出する際には必須の内装建材です。
江間忠ホールディングス シンノキhttps://emachu.co.jp/mokuzai/pdf/catalog_SHINNOKI_202303.pdf
④ 不燃ツキ板シート
基本的には③と同じですが、より利用しやすく、利用できる範囲を広げた内装材です。店舗や、キッチンと一体化しているリビングでは内装制限がかかるケースがあるため、不燃(または準不燃)認定が必要になることがあります。その際、練付合板は不燃認定をとっていないことも多く、また板状の形状が使える場所に制限があったりすることもあるため、本物の木を薄くシート状にしたまま貼り付け可能なもの、且つ、不燃認定を取った製品が便利です。
ホクサン(HOXAN)
・サンフット:https://www.hoxan.co.jp/products/sanfoot/SFTVol.24.pdf
江間忠ホールディングス
・Emma:https://emachu.co.jp/mokuzai/pdf/catalog_Emma_202105.pdf
mocAで設計した「With Horse」では、建て主の希望で周囲の自然と調和するように内装を木調で統一したいという要望があったため、内装制限もクリアできるサンフットを採用しました。(樹種はセン)
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天井と壁に採用したのですが、壁についてはDボードで紹介した内容通り、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)というボードにあらかじめツキ板シートを張り付けて、そのボードを等ピッチで張り付けていく、という手法を取っています。
ボード状にして張り付けることで、ツキ板合板と同じような見え方になり、本物っぽさが増すんです。シート状のもののの欠点は、シートを単純にシートとして貼ると、継ぎ目の部分だったり、厚み感がないことが、逆に偽物っぽさを感じさせてしまいます。そこで、ケイカル板に巻き付けてボード状にすることで、「本物の木の板」感を演出させることが可能です。
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⑤ その他 合板各種
その他の合板としては、下記のようなものがあります。もともとは仕上材ではない下地材だったのですが、そのまま使おうという風潮が出てきたこともあり、今では立派な内装材として扱われています。
・木毛セメント板
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・OSB合板
Oriented Strand Board(オリエンテッド・ストランド・ボード)と言って、ウッドチップを固めた合板です。強度も高いのが特徴です。
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・シナ合板、ラワン合板
シナ合板はまだ表面がきれいな感じですが、ラワン合板はいわゆるベニヤ板で、人によっては仕上材として使うと、完成していないように感じる人も多いかと思います。木の表情が好きな玄人向けの仕上材というイメージです。
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⑥ 磁器質タイル
磁器質タイルも、クロス同様、言わずもがなだと思いますが、住宅用のタイルを選ぶ際に、いろいろなメーカーがあるというのを是非覚えていただくと、選択の幅が広がります。
エコカラットというのが最近流行っていると聞きますが、その中からしか選べない、と思い込んでいる人がいると耳にしました。笑
タイルのサイズも、モザイクタイルから大判タイルまで、施工方向に気を付ければ超大判タイルだって使用できます。
私がタイルを選ぶ際によくカタログやショールームで検討するメーカーは、下記が多いです。それ以外のメーカーでももちろん大丈夫。是非参考にしてみてください。<5>のオオムラは卸しタイル業者さんで、少しでも安くしたい場合に採用するケースがありますが、プロユーザー向けなので、通常は<1>から<4>で検討されるのが良いと思います。
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⑦ 左官・塗り壁
左官・塗り壁は種類が多く、また奥が深いのですが、今回は数を絞って紹介したいと思います。左官壁の特徴は、なんといっても手作業による味わいだと思います。その質感、見た目が好きな人が、こだわって選ぶ建材ですね。
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<1> モールテックス
最近とても流行っている建材で、味わいのあるモルタル表情がつくれるもので、耐水性もあり、キッチン天板として利用したり、様々なシーンで使われています。
<2> タデラクト
モールテックスに似た商品ですが、タデラクトという水を通さない左官材も魅力的。あまり取り扱いが少ないのですが、私が実際に見た感想としては、とてもイイ!。京都の森田一弥さんが設計された家の浴室床・壁をご紹介します。
<3> クライマテリア - アイカ工業
アイカ工業さんのクライマテリアは、特徴的な表情を出したいときに最適。
モルタルアートやメタリアート、イタリアート等、店舗デザインなどにもよく使われています。
プロが使う住宅にオススメ内装仕上-壁編は、いかがでしたでしょうか?
一生に一度の買い物、一度のリフォームですので、しっかり選び抜いて作り上げたいですよね!最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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