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生活は行き止まりでも生きていて息止まらない死ぬまでずっと(なんでもない日に短歌でタイトルをつける日記10/14〜10/20)

好きな歌集から短歌を一首紹介しつつ、毎日の日記を書いています。
週のタイトルは自分で詠んだ短歌になります。

今週は、長かった夏を今になって惜しむかのような選歌になっていて、自分で詠んだタイトルはなぜかかなりネガティブなものだけど、ぼくは秋が大好きです。

10月14日

瓶ラムネ割って密かに手に入れた夏のすべてをつかさどる玉

『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』木下龍也、岡野大嗣

5月末以来の宝満山登山に臨む。久しぶりの登山はかなりしんどい。早いときは、だいたい1時間程度で登っているが、10分以上長く時間がかかった。寒くなるまで、しばらく続けて山に登りたい。

下山後に銭湯に入り、久しぶりにサウナにも入って、入浴後には瓶のラムネではなく、瓶のサイダー。最高だったと言いたいところだが、サウナはちょうど同じタイミングで利用していた若い社会人3人組の話に品がなく、集中力を欠いた。当方、自己肯定感が地を這っているため、他人に点数をつけるような話を耳にすると、どうしてもこいつの自信はどこから来るんだ、と訝しんでしまう。

登山前に聞いていたPodcastでアジカンのゴッチがOasisの話をしていたから、とくに好きなわけでもないが、下山後は骨伝導イヤホンでOasisのプレイリストを流しながら、ノリノリで自転車で坂道を下る。その後たらたらペダルを回して、一休みしてGooleMapを見て、またたらたら進んでいたら、GoogleMapでピンの刺さった目的地の直前でiPhoneの電池が切れてしまう。

あまり土地勘のない場所に放り出されてしまったが、道に迷いつつ、なんとか大きな通りに出て帰宅したが、目的地には辿り着けず、地味に疲れた1日だった。

15日

セミくらい大きな声で鳴けたなら モラトリアムが長かったなら

『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』枡野浩一

そう言えば、今年の夏は蝉の鳴き声を例年ほどには聞かなかったような気がする。蝉も暑さに参っていたのだろうか。仕事に疲れて、ぼくに自然の音を聞く余裕が足りてなかったのだろうか。多くの蝉はうるさいだけだが、夏の終わりの夕暮れ時に聞くひぐらしの音は美しい。そして、ひぐらしの音こそは一度も耳にしなかった。

先週は残業続きだったから、今日こそは早く帰りたい。早く帰ってサッカー日本代表の試合のキックオフに間に合いたいと思っていたが、18時を迎えた時点で早々に今日の観戦を諦めた。正確には16時頃にはもう諦めていたけれど、結局帰宅した頃にはキックオフのホイッスルどころか、タイムアップのホイッスルも鳴った後だった。

結果はイマイチだったし、見れなかったことに関しては、まぁいっか、という気もするが、日本代表然り、週末の海外サッカー然り、若い頃ほどの興奮や情熱が自分にもうないことが寂しい。単純な加齢によるものかもしれないし、趣味の変遷によるものかもしれないし、あるいはコロナ禍や社会状況の変化に伴った価値観の変容によるものかもしれない。そのどれでもないかもしれないし、その全てが入り混じっているかもしれない。

奨学金の減額返済が可能な期間ももうそろそろ終わりが見えてきた、というやむを得ない事情もあるし、一方で今の仕事がそこそこ楽しいということもあるかもしれない。案外、そういうタイミングは皆もっと早く迎えているものである。

長らく続いた、そして今後ももっとずっと続くはずだと思っていたモラトリアムが終わりを迎えようとしているような気がする。なんとなくのどに違和感をあったので、のど飴を買って、ひとつふたつ舐めながら帰宅した。

16日

貯蓄ゼロメインディッシュに麦混ぜて最高やんか春の炬燵は

『くるぶし』町田康

今月のカード払いの金額を確認すると、なかなか大変なことになっていて焦る。けっこう残業しているのに、給料の半分以上がカード払いに消えていくので、支払い方法を変更する。リボ払いに。数年前に卒業したはずだったのに。昨日、モラトリアムが終わった、みたいなことを書いて、なんか大人ぶっていたが、金遣いの荒さは20代とさほど変わらない。しばらく、服の買い物は控えようと思う。

けど、バラクラバが欲しい。あと、手袋とマフラーも新調したい。
12月になったら買おう。今年最後の買い物。それまでは我慢する。
12月まで我慢したら、リボ払いも一旦落ち着く。

短歌は、お金がないことだけが共通している。が、季節は秋だし、秋なのに炬燵はおろかまだ冷房を使っているが、それでも冬を快適に過ごすことを考えるし、昼食にはパスタとコーヒーのセットを注文する。
この浪費癖をなんとかしたいんだけどなぁ、と頭では思っているが、なかなか行動が伴わない。

17日

眠そうな人を見てるとその人のあくびが代わりにわたしから出る

『すべてのものは優しさをもつ』島楓果

境界知能っぽい彼が先々週に辞めた後に、オフィスのレイアウト変更があった。なにかと人の入れ替わりが激しい職場である。
ぼくのとなりに座るようになった後輩曰く、ぼくのとなりは眠いらしいです。曰く、辞めた彼も眠そうだったし、今日は私も眠い、とかなんとか。

レイアウト変更を機に、かねてよりどうにかしたいと思っていたので、ディスプレイを高くするための台を買った。最初は、100均にあるクリアボックスでいいと思っていたけれど、無印で引出し付きのものを買うことにした。悩んでいるうちに、無性に引出しが欲しくなった。そうすると、いろいろと充実させたくなって、メモ帳やらフリクションの替芯やらマウスウォッシュの詰替やらコンディショナーの詰替やら髭剃りの替刃やらを買って、帰った。節約しなきゃと思っても、なにかとお金のかかることばかりだ。

ちなみに翌日には、隣に座った後輩から、昨日眠かったのはスーパームーンのせいだったのかも、と訂正された。

18日

平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ

『水上バス浅草行き』岡本真帆

日が落ちる時間がかなり早くなって、退勤時間にはすっかり暗くなっているというのに、日中はなぜか最高気温が30℃を越えている。

たとえばこういう日のまだ明るい時間帯にこの短歌を詠んでいたら、「ごらんよビールこれも夏だよ」になったのだろうか。四季はある程度、均等に分かれているから、美しい。そのバランスを著しく欠いている現代を生きるぼくたちは、ビールになにをご覧になってもらったらいいのか。

2時間残業して、帰宅した。

19日

欲しがってくださいあらゆる避雷針抜けて轟くような祝いを

『悪友』榊原紘

大きな雨音と雨音以上に大きな雷が忙しない午前中だった。
秋ドラマも秋アニメもいまひとつぐっとくるものがない。

現状、見続けようと思っているドラマは『若草物語—恋する姉妹と恋せぬ私—』、アニメは『ダンダダン』くらいだ。

TOMOOがED曲を担当しているからという理由で『全領域異常解決室』は2話まで見たが、「曖昧なものをすべて理解しようとするな」(うろ覚えw)みたいな、藤原竜也が口にするドラマ全体のメッセージがさすがに直截的すぎるし、2話はキツネダンスであからさまな話題作り。
そのうえ、「最先端科学でも解明できない“不可解な異常事件”を解決する」捜査機関で、その不可解な部分はだいたい藤原竜也が神隠しや狐憑きと肯定しているのに、最終的には自ら科学的な理屈を説明するという、不思議な仕上がり。メッセージに反して、すべてを科学で詳らかにしている。

とりあえず、20日から始まる『海に眠るダイヤモンド』が大本命ドラマ。あとは、アマプラで見れないことに今さら気づいた今季の覇権アニメ『チ。-地球の運動について-』。11月を待ってNetflixを久しぶりにサブスク登録しよう。

20日

白昼夢を見ていたようだ 真昼間のドトール少しだけ死が香る

『老人ホームで死ぬほどモテたい』上坂あゆ美

期日前投票に行って、
昼食をドトールで食べて、
ジムに行ったら、
休日が終わった。

NHKの最高裁判所裁判官の国民審査のページ見るの忘れてた。

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