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ハチミツで喉を癒して なんとなくググる熱殺蜂球のこと(なんでもない日に短歌でタイトルをつける日記7/15~21)

好きな歌集から短歌を一首紹介しつつ、毎日の日記を書いています。
週のタイトルは自分で詠んだ短歌になります。

7月15日

ロシア産鮭とアメリカ産イクラでも丼さえあれば親子になれる

『老人ホームで死ぬほどモテたい』上坂あゆ美

朝はEURO2024のファイナルを観戦し、昼まで自堕落に過ごして、そのあとはテキトーに外出し、ジムで筋トレしてから帰宅。

先週、尻もちをついて痛めた臀部がまだ痛むから、いつもは座って取り組むメニューをスタンディングに変えてトレーニングする。腕を中心に先週早めに切り上げてた胸トレの分も含めて、3連休の最後の1日は長めにジムに入り浸った。

家族であるためには、「丼」があることが重要なのか。ロシアとアメリカだと、難しいかもしれないけれど、どちらかが北海道ならみたいなこともあるかもしれない。発想がおもしろい短歌。

『海のはじまり』第3話を視聴する。
「夏くんのパパはいつ始まるの」か?弥生さんは家族になれるのか?
家族を字義通りに考えると、やはり「家」は重要だろうが、夏くんがパパになるだけなら、家がなくても可能かもしれない。夏くんはどうして自分に海ちゃんがなついているかをわかっていないが、その2人の間を亡くなったママ、水季が強烈に引き寄せている。

家族になりたい、「内野」になろうともがいているものの、水季の存在感を意識するたびに「外野」だと突きつけられる弥生さん。心が折れないように、「外野」だとはっきりさせないようにしているのに、後ろから近づいてぼそっと外野宣告する津野くん。

弥生さんは2人目の母親になれるのか。父娘関係ですら始まったばかり。外野から見れば、同じように足並みを揃えて「家族」になれたら理想的だろうけど、一般的な連れ子再婚夫婦の新たな家族形成と違っていて、言わば必然の落とし穴にハマっている。

ドラマを見ている間に、急に鼻の調子が悪くなった。

16日

寝返りをうつたび右の鼻水は左へ(世界の平和のように)

『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』枡野浩一

なんとなく、昨晩から兆しはあったが、体調を崩した。日中は、問題なく出勤したものの、頭はぼーっとするし、鼻詰まり、腹痛と、完全に夏風邪である。発熱はない。

夜、寝ようとしても、鼻詰まりがひどく息苦しい。寝返りを打って、右の鼻詰まりが左にいったり、左の鼻詰まりが右にいったりしている。

世間は、13日のトランプ銃撃事件のニュースで騒がしい。

17日

わざわいは夏降り注ぎママレードの中にのたうつオレンジの皮

『シンジケート』穂村弘

頭がぼーっとする感覚、鼻詰まり、腹痛を追って、半自動的にのどにも異変が生じた。仕事も休むことにした。
1日中何もしないのもな、ってことで、この日記でこの最近3ヶ月のあいだ頻繁に触れていた『響け!ユーフォニアム』についてをまとめてみることにした。

週に1回の日記だと、雑に触れるだけだが、こうしてまとめてみると、自分の感じたことに対してもっと深くツッコんでいけそうなところも、まだまだ浅瀬でぼやっと書いていることに気づく。これはこれで面白いので、また別のコンテンツでも降りに触れて、まとめてみたい。

18日

死んだらさ紫の世界に行くんだよ スナックはまゆうの看板みたいな

『老人ホームで死ぬほどモテたい』上坂あゆ美

2日連続で仕事を休む。のどの痛みがさらに悪化する。
紫はよく似合うと言ってもらえることが多いが、死後を連想するような色でもあるらしい。今まで喜んでいたけれど、体調が悪い時にこの短歌を見ると、紫が似合う自分って……。

19日

カステラの一本ずつに雷をしずめて通りすぎるあまぐも

『たんぽるぽる』雪舟えま

のどの痛み以外の体調不良はある程度回復したので、出勤した。さすがにこれ以上休むと、来月の収入がかなり低くなるという事情もある。1日出勤したらまた週末だし。

夕方、遠くで雷が鳴るのが聞こえる。
短歌は、初見ではよく理解できなかったが、今まさに雨雲がカステラに雷をしずめている。

20日

奪われた 心の一部は 今きみの もとで元気に やっていますか

『100年後あなたもわたしもいない日に』土門蘭

「心を奪われる」というと、かなりロマンティックな出来事とその出来事に紐づく感情表現として、よく使われる慣用句だ。
「元気にやっていますか」なんて聞かれても、「知るかボケ」という感じではあるが、ならば、この心にぽっかりと開いた部分は今どこにあるのか。

今日は、昨日Mステで『Super Ball』を歌っていたTOMOOさんの音楽を骨伝導イヤホンで聴きながら、サイクリングをする。相変わらず、風邪はまだ完全には回復していないものの、家にいても自堕落に1日を過ごすままなので、外に出ることにした。
TOMOOさんはここ数年すっかり「心を奪われ」っぱなしのシンガーソングライター。ついにMステにも出るようになったか、としみじみしながら、自転車のペダルを回して、Instagramで何度か見かけた街外れの個人経営のデザイン事務所兼古本屋を目指す。思ったより、たどり着くまでに坂道が多い。3年前TOMOOさんをはじめて知った『Ginger』が耳元で流れる。立ち漕ぎになって汗が吹き出しながら、「TOMOOさーん、ぼくの心の一部は元気でやっていますかー、知るかボケー」。自分でツッコむ。

古本屋に入ると、無料でお茶を出してくれた。なんてやさしいお店なんだ。古本屋は古本屋というより古書店いうべきラインナップだった。ふだん、見る機会もない古びれた本に慄きつつ、まれに挟まっている新書の中から2013年に発行された姜尚中さんの『生と死についてわたしが思うこと』を買うことにした。1冊200円。おそらく本業はデザイン事務所で古書店は趣味の延長ということなんだろうけど、それにしてもたいした稼ぎにもならないのに、お茶まで出してくれるなんて……と思うが、これは「勝手に想像して知ったような気になってんじゃねーよボケ」案件。

「知るかボケ」案件も「勝手に想像して知ったような気になってんじゃねーよボケ」案件も、冗談として取り下げられるうちはいいが、一歩はみ出るとかなりアホっぽいことになる。気をつけたい。

21日

食卓で足をぶらぶら窓からは眩しい庭の光がみえる

『水中翼船炎上中』穂村弘

昼は、弟夫婦が来て、昼食をともにする。姪は食卓で足をぶらぶらさせながら、昼食もほどほどにお中元のお菓子を食べている。かわいらしい姪だが、ぼくはまだ風邪気味なのでコミュニケーションもそこそこに、明るいリビングから薄暗い自室に戻って、だらだらネットニュースを見る。

先週のトランプ銃撃事件を受けて、トランプ支持者が右耳にガーゼをあてている画像を目にした。連帯にも色々あるが、これは非常に気持ち悪い。必要な連帯も他者から見れば、こういう気持ち悪いパフォーマンスのようにしか映らないこともあるんだろうなと思うと、切ない気持ちになった。

先週、強打した臀部の痛みもまだ残っているし、体調不良ももう少し続きそうだし、踏んだり蹴ったりな1週間だった。

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