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光りろん研究室 B4輪講 第10回

こんにちは!横浜国立大学 光と物質の量子論研究室(略称:光りろん研) B4の今野(こんの)です!
今回はB4輪講の第10回ということで、越野和樹さんの「共振器電磁気学」の8.1.5~8.1.3を担当しました。

今回は、前回に引き続き、光子に対する応答について扱いました。

流れとしては、入力光子パルスが三角関数型パルスだった場合の出力について考えた後、2光子量子ゲートへの応用について学びました。

まず、2準位原子に2光子パルスを同時に入射した場合について考えます。このとき、原子が2光子を同時に吸収できない飽和非線形効果のため、2光子間に実効的な相互作用が発現します。それによって、2光子間で波動関数の符号反転が生じます。

続いて、この2光子間の非線形相互作用の、Fredkinゲートと呼ばれる量子ゲートへの応用について見ていきます。
Fredkinゲートでは、ポート1、2から入射する光子はビームスプリッタにより混成され、ポート3、4へと向かいます。ポート3、4の光子は2準位原子と相互作用したのち、再びビームスプリッタで混成されてポート1、2へと出力されます。

Fredkinゲートの概念図

ポート1、2に光子を1つずつ入射した場合について考えます。このとき、最終的にポート1、2に光子が1つずつ出力されますが、それらの光子は一般には空間的な相関を持っています。
上記のように、原子の飽和非線形性のために、2光子波動関数の符号は反転します。量子ゲートの観点からは2光子出力波動関数が線形出力の完全な符号反転になっていると都合がよく、このときの量子ゲートを制御位相ゲートまたは制御Zゲートと呼びます。このゲートは、二つの量子ビット間に量子もつれを生成するゲートとしてはたらくそうです。

光と物質の量子論研究室では輪講に参加するメンバーを歓迎しています!共振器量子電磁力学などを勉強したい方、一緒に参加しませんか?
同大学の学生以外でも、また学生でなくても大歓迎です!またオンラインとオフラインのハイブリッド形式で行えるため遠隔地でも参加できます!

今回で、越野和樹さんの「共振器電磁気学」に関する投稿は以上となります。次回以降の内容は未定ですが、楽しみにお待ちください。

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