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光りろん研究室! B4輪講 第7回(量子解放系の入出力形式、共振器QED系の緩和)

こんにちは!横浜国立大学 光と物質の量子論研究室(略称:光りろん研) B4の大竹(おおたけ)です!

今回はB4輪講の第7回ということで、
越野和樹さんの「共振器量子電磁力学」で、第5章、第6章を担当しました!


量子解放系の入出力形式

量子解放系として比較的単純な模型である以下のハミルトニアンをもとに考えました。

$${\hat{H}=\omega_c \hat{a}^\dagger\hat{a}+\int_0^\infty dk\ k \hat{b}_k^\dagger\hat{b}_k + \int_0^\infty dk\left( \xi_k\hat{a}^\dagger\hat{b}_k+h.c. \right)}$$

この模型は共振器と導波路の結合模型を記述します。導波路とは連続的な波数をもつ一次元フォトン場のことです。

このハミルトニアンに対し、演算子 $${\hat{b}_k}$$ の時間発展を考えたいとします。通常、ハイゼンベルグ形式での運動方程式を考えますが、さらにその結果をフーリエ変換することで『入力』と『出力』に相当する演算子の等式を得ることができ、これを入出力形式といいます。(以下は教科書で用いられた表式と異なります。)

$${ \hat{b}_{out} = \hat{b}_{in}-i\sqrt{\kappa}\hat{a} }$$

この表式は光学応答などの解析で威力を発します。

共振器QED系の緩和

この章ではQED系の緩和に関して様々なトピックを扱いました。以下ではいくつかのテーマに厳選して紹介します。

Purcell効果

原子の自然放出レートが共振器によって増大する効果をPurcell効果といいます。
本来物質固有のものであると思われるであろう自然放出のしやすさを定量付ける量が、共振器にって変化しうるという事実はとても非自明であるようなきがして面白いですね。

量子ゼノ効果

量子ゼノ効果は一般に繰り返し短時間測定を行うことなどによって、量子系の状態が『凍結』することを指します。実はこれに相当するする状況を、ある条件下の共振器系のRabi振動で実現できることが計算できます。
測定という量子力学の根本原理的な操作が量子光学の舞台と関係がありそうなのはとてもワクワクします!


光と物質の量子論研究室では輪講に参加するメンバーを歓迎しています!共振器量子電磁力学などを勉強したい方、一緒に参加しませんか?
同大学の学生以外でも、また学生でなくても大歓迎です!またオンラインとオフラインのハイブリッド形式で行えるため遠隔地でも参加できます!

今回の投稿は以上です、最後までご覧いただきありがとうございます
次回は同じくB4同期の高橋くんが投稿してくれます、楽しみですね!

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