【あらすじ/ネタバレ】呉市議員
【あらすじ】
ある広島県呉市の市議会議員が、北海道の空港でマスクをつけずに搭乗しようとして1時間以上も揉めたあげくその便から降ろされるという騒ぎを起こす。
この行動は大きく報道されて議員への批判が巻き起こり、市議会からも辞職勧告決議をうける。
それでもこの議員は「責めるべきは自分ではなく機長」と強弁し、あげくは週刊誌のインタビューに「感染症そのものに根拠がなく、すべては闇の組織の陰謀」と発言、さらに世間の信頼を失ってしまった。
「根拠がない」発言こそ根拠がなく、理屈に適っていないことは明らかだった。
しかしこの呉市議員は、理屈では語れないなんとなくの違和感を持ち続けていた。
違和感といえば、搭乗を拒否されたのに記憶がないまま気が付いたら北海道から呉市に戻っていたこともそうだ。
つい最近のことなのにもうみんなこの出来事を忘れかけている、そのことも呉市議員の違和感だった。
「闇の組織」は、国民の記憶から都合が悪いことを消そうとしている。
しかし事実は、この妄想を大きく超えるものであった。
呉市議員はまだ気づいていないが、彼が呼ぶ「闇の世界」こそが現実の社会であり、
人間との戦争に勝利した機械が支配する世界だった。
そこでは人間は機械を維持する電池として培養されているだけの存在で、
みんなが「世界」と感じている毎日の生活そのものも、新型ウイルスも、東欧の戦争も、培養装置のなかで見ている仮想現実内の出来事でしかなかったのだ。
ある日呉市議員はパソコンのディスプレイに現れたメッセージに導かれ、謎の美女と出会う。
機械が支配する現実世界のなかに隠れ住む最後の人間の街に誘導され、
違和感に気づいた呉市議員こそが人間の救世主となると告げられる。
こうして呉市議員・ネオは仮想現実「マトリックス」から人間を解放するため戦うことを決意する。