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Temuのここがすごい!?実際に商品を購入してみての体験レポート(前編)
12/16付のTechCrunchの記事タイトルを見て、ひっくり返りました。
Appleが月曜日に発表したAppStore全体のランキングによると、中国のショッピングアプリTemuが再び米国で最もダウンロードされた無料アプリとなった。
Temuは、中国のPDDホールディングスが展開するショッピングモール型ECプラットフォームです。
なぜ、私がTechCrunchの記事を見てビックリしたかというと…日本国内でのTemuのイメージが、あまり良くない印象があったから。
ためしに、Googleの検索窓に「temu」と入力した時にサジェストされる言葉を見てみてください。
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「temu 危ない」
「temu 安全性」
「temu 発がん性」
…ネガティブな検索語が目立ちます。
Temuに対して、不安を感じているユーザーが多いことがうかがえます。
友人知人との日常会話の中でTemuの名前が話題に出ることもあまりないし、そこまで盛り上がっている様子も感じられません。
しかし一方で、米国では無料アプリで総合ランキング1位に返り咲いたという。あのTikTokをおさえて、です。
なぜ、米国ではそこまで人気なんだろう?
もし、Temuが安全性に欠陥のあるジメッとしたサービスだとしたら、ここまでの巨大サービスに成長するのは難しいのではないでしょうか。
まして、米国AppStoreのランキング1位は、並大抵のことではありません。
ユーザーから支持されるのは、それなりの理由があるはずです。
そこらへんを、自分で確かめたいな、と。
そんなわけで、実際にTemuのアプリを使って、お買い物を体験してみました。
Temuアプリをダウンロード
さっそく、Temuのアプリをダウンロードして開いてみます。
…と、のっけから、クーポンセットのオファーのモーダルが(Temuでは「クーポンセット」なる単位で複数クーポンを束ねる形で配布しています)
クーポンの金額を決め打ちで出すのではなく、あえてルーレットで選ばせる。
ゲーム感覚で楽しめて、ユーザーを前のめりにサービスへ参加させる工夫です。
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ルーレットを回すと…15,000円ぶんのクーポンセットが当たりました(※この時点では、まだクーポンを獲得したわけではないので注意)
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アカウント登録
「ログインしてGET」を押すと、アカウント登録をうながされます。
ユーザー視点で考えると、登録するとクーポンを獲得できる(ように見える)ので、登録するモチベーションは高まります。UXを考え抜いて設計されているな、という印象。
LINEやGoogleなどのアカウントをひもづけて登録することもできます。
私はメールアドレスでの登録を選びました。
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登録を完了すると…またまた、新たなクーポン上乗せのオファーが!?
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何やら、時間制限があるらしく、カウントダウンも始まりました(※この時点でも、まだクーポンは獲得していません)
うながされるままに、「20,000円」のクーポンセットをタップすると…
商品一覧画面が出現。
どうやら、この商品一覧の中から2点の商品を購入してはじめて、クーポンセットを獲得できるようです。
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しかも、「ボーナスアップの終了まであと◯◯◯」の時間制限つき。
いまから9分以内に、この中から2点の商品を選んで購入までを完了しろ、というわけですな😅
考えるな、買え!
買い煽りの仕かけ、ハンパない(笑)
商品一覧を下へスクロールしたところ…「隠し特典」なる枠が出現…!
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タップしたら、「2,000円」のクーポンが出ました。
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オファーを少しずつ、小出しに上乗せしていくことで、ドキドキ感、お得感をユーザーが感じる設計になっていますね。
ちなみに、ちょっと余談ではあるのですが。
ECサービスの商品一覧画面のUI(ユーザー・インターフェース)において、このように特典情報を商品の間にさりげなく差し込む見せ方は、私にとっては新鮮に映りました。
(少なくとも、Amazonや日本のECサービスではやっていないのでは?)
ユーザーは商品一覧を上から見ていくので、一覧の枠の中に溶けこませることで、ユーザーの視線が留まるように設計されています。
さて、閑話休題。
アプリのダウンロード、起動からこの画面へ行き着くまでの流れを見てきて、クーポンセットは制限時間内に所定の商品数を購入しないと獲得できないことが分かりました。
ただ、単価が安い商品(価格が数百円の商品もある)でもとにかく2点購入しさえすれば、数万円ぶんのクーポンを入手できるのですから、この画面からのコンバージョン率(訪問したユーザーのうち購入まで完了したユーザーの割合)は高そうです。
ユーザーの心理をしっかり研究していますね…
サービス側のねらいとしては、とにかくいちど商品購入を実際に体験してもらい、リピートにつなげたい意図があるのだと思います。
ただ、私の場合は今回はリサーチもかねていますので、お得なクーポンに後ろ髪はひかれつつ(笑)、クーポンセット獲得はあきらめ、購入する商品をじっくり時間をかけて選ぶことにしました。
商品を探す
やはり最初に目を引くのは、よく言われている通り、価格の安さです。
クリスマスシーズンのセール実施中とのことなのですが、例えば男性用のセーターだと、2,000円〜3,000円前後のものが、ズラッと出てきます。
あと、特徴的なのは、商品の見せ方。
あえて混沌、ゴチャゴチャとした「雑多さ」を演出しているように感じました。
様々なカテゴリの商品がランダムに並んでいて、なんなら、ランジェリー系の下着や、アダルトカテゴリの商品(コスプレ系など)もフィルタリングされることなく普通に混ざって表示されます。容赦ない(笑)
実店舗で例えると、ドンキホーテの陳列法に近いかもしれません。わざと雑多に商品を並べて、にぎやかな雰囲気を演出。ユーザーの「なんとなく買い」「ついで買い」を促す意図がありそうです。
私がいくつかの個別の商品をチェックした後は、チェックした商品のカテゴリにもとづいておすすめ商品を提案してくるのかな?と予想したのですが、ユーザーごとの興味関心に応じたターゲティングはそこまでギチギチにやっている様子もありませんでした。
一点、商品の見せ方で感心したポイントが。
商品の枠ごとに、ユーザーの購入意欲を高めるキャッチコピーが、数秒ごとに切り替わって表示されるのです。
「まもなく売り切れ」
「購入しました」(他の誰かが購入した、の意)
「残りわずか1点」
…などなど。
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いずれも、(少し表現は悪いですが)買いを煽る効果バツグンの定番フレーズです。それらを、交互に表示しています。アプリならでは、の仕様ですね。
商品を購入する
ウーパールーパーのLEDライト。
かわいいデザインだし、ホリデーシーズンの割引(…なのかな?)で価格も77%引きとなっていて激安なので、この商品を購入することに決めました。
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カートへ追加するボタンの文言が、購入をさらに急かしてきます(笑)
カートへ追加するボタンを押すと…
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ここでも、離脱を防ぐためのメッセージが!
なにがなんでも決済完了させるぞ、というサービス側の強い意志を感じます。
うながされるまま、カートへ移動すると…
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Temuでは「最低注文金額」が定められており、その金額に満たないと、決済に進めないようです😅
(客単価が低すぎるとECプラットフォーム事業としてペイしないので、最低金額を設定するのは理解できます)
しかたがないので、もうひとつ、商品を探すことに。
「実用的なものがいいなぁ」
…ということで、フェイスタオルを購入することにしました。
「フェイスタオル」で商品を検索します。
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なんだろう…セット売りがやたらと多い。
しかも安い。
タオル5枚セットで830円とか…さすがに安すぎて少し不安になります😅
そもそもタオルが何枚も自宅にあってもかさばるだけなので、フェイスタオルの2枚セットを選びました。
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価格も割引後で700円ちょい。文句なし。
お目当ての商品をカートへ入れて、今回は問題なく決済画面へ進むことができました!
配送先情報を入力。
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支払い方法を選択します。
おっ、PayPayも選べる!
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PayPayでの決済を済ませて、支払完了画面が表示されました。
で、画面を離れようとしたら…
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「他の商品も追加できるけど、追加しなくていいんか?」のメッセージが🤣
決済も完了しているのに、さらなる「ついで買い」をうながす仕様。
客単価がかなり上がりそうです。
さて、Temuでのお買い物実体験レポート、前編はここまで。
今回、注文した2点の商品が無事に拙宅まで届いたら、梱包の状態など含めて、引き続き後編をレポートしたいと思います😌