「カクヤス」アプリのリニューアルに学ぶ、ユーザー重視のプロダクト設計のココロ
お酒をメインとした小売チェーンストアを展開する「カクヤス」。ネットでも「ビール一本から配達します!」をキャチフレーズにシェアを伸ばしており、酒呑みの私としては(笑)以前から大変お世話になっているお店です。
さて、その「カクヤス」が展開している公式アプリですが、最近、大規模なリニューアルを実施されて、メチャクチャ使いやすくなりました。
なんなら、「別のサービスに生まれ変わったんか!?」と思ってしまうくらい。
(リニューアル内容については、↓こちらの記事が詳しいです)
リニューアルされたアプリをひとりのユーザーとして使わせていただいて、プロダクトの仕様設計の考え方として大変勉強になったところがあり、メモとして所感を書かせていただこうと思います。
提供者の論理 vs ユーザーの望み
今回のリニューアルで特筆すべき点は、以下の2点ではないでしょうか。
配達日時を手軽に指定できるようになった
前回購入したのと同じ商品を手軽に再購入できるようになった
これをさらに突きつめて抽象化して考えると、今回のリニューアルでカクヤスが目指したのは、
「サービス提供者がユーザーに行ってほしいこと」よりも「ユーザーが望んでいること」の実現を優先したサービス作り
これに尽きると思います。
以前の「カクヤス」アプリの仕様では、ユーザーは商品を購入する場合に複雑なステップを踏む必要がありました。
前回と同じビールを再注文したい時も、商品検索でそのビールを探して、よっこいしょとカートに入れて購入する必要があった。
プロダクトの設計思想として、探し求めている商品にユーザーがサッとたどり着いて購入できる体験よりも、お店からのオススメ商品をとにかく見せる、いわゆる「チラシ広告」のような機能が優先されていたように思います(ECサービスとしては決して珍しくありませんが)
もちろん、お店からすれば、お客さんにいろいろな商品を見てもらいたい、探して買ってもらいたい、と考えるのは当然のこと。
でも、ここが注意すべき点で。プロダクトの仕様を考える際にサービス提供者の論理を優先しすぎてしまうと、ユーザーが求めていることへの対応が犠牲にされてしまいがちなのです。
酒屋さんならではのサービスに原点回帰
「カクヤス」について考えると、私も含むユーザーが本当に求めていたのは、以下のようなユーザー体験ではないでしょうか?
「いつもと同じビールを、サクッと注文したい」
自宅で晩酌する方ならお分かりいただけるかと思うのですが、例えば普段に飲むビールの銘柄って、あまり変えないですよね。
同じ銘柄のビールをいつも冷蔵庫に常備しておきたい。足りなくなったら、ササっと補充したい。
そんな時、昔ながらの町の酒屋さんなら、電話一本て配達してくれました。
そんな酒屋さん的な体験を、我々ユーザーは「カクヤス」に求めていたと思うのです。
今回のアプリリニューアルでは、そんなユーザーの要望を的確に汲みとり、最優先で応えることに注力されている。言ってみれば、「酒屋さんとしての原点」に立ち返って、「カクヤス」だからこそ提供できるユーザー体験をさらに進化させるべく、アプリの根本的な仕様から再設計に踏み切った。その意気込みが、ヒシヒシと伝わってきます。
だんぜん使いやすくなった「カクヤス」のアプリ。これからもお世話になると思います。末永く、よろしくお願いします🙇