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詩 手紙

きみに贈るように
言葉を選びたいと思った。
わたしが綴る全てを
きみが知るわけではないけれど、
わたしが選ぶ愛の言葉は
いつでもきみの匂いがすること、
きっといつか気付くでしょう。
きみが、わたしのこころに
ひょっこり顔を出す度に、
渡せない手紙が増えていきます。
ひとつ、ひとつ、
言葉を拾って息をしては
きみに愛されたいと願ってしまう。
わたしの選んだ全てが
きみの夜を照らすための
一本のマッチのようであれたら
灯火でなくたっていいよ。
なんてのはうそで
本当はね、
山積みの手紙たちに火をつけて
きみを一夜照らせたら、なんて
願ってしまうわたしです。
今日もきみのための言葉に埋もれて
眠るわたしを許してください。

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