睡眠中のくだらない幻覚
成人式で久しぶりに会った元彼女は僕の知ってた彼女じゃなかった。外見の美しさとは裏腹に黒く澱んでいるように見えた。僕の知ってる彼女ではなかった。それはそれでいいんだけど悲しくて寂しかった。過去の記憶もきっと覚えてないんだろう。結局一方方向の愛で僕の愛は無駄だったんだろう。大人になることは沢山の無駄を作ることかもしれない。短い人生で沢山の無駄を作る。とても寂しい生き物だ。僕の知らない彼女は僕の知らない誰かと結婚して、知らない愛を育む。悲しい。僕は耐えきれないから煙草を吸って気持ちを落ち着かせる。僕の見てきた映画の中にはバットエンドは訪れない。そんな世界が羨ましい。望ましい。でも現実はなんて言いたくない。最近にはなかった死にたい気持ちを持ってベランダへ。こんな夢だった。起きたって涙が出ない夢。