目を細めると光が縦に伸びるのはなぜ?
フレンドのお子さんからの質問で、目を細めると光が縦に伸びるのはなぜ?
を自分なりに考えて実験してみました。
確かに、目を細めた状態(目を閉じる前の状態)で街灯などの強めの光源をみると縦にびよーんと伸びた光の筋が伸びます。これは、完全に目を見開いた状態では見えません。
※太陽で実験をしないようにしてください。目を傷めます。
先に結論を言ってしまうと、おそらくまぶた自体で光の回折がおきて、上下に伸びているのだろうという説です。
まず、目を開いた状態と、目を細めた状態で何が変わるか考えてみます。
目を開いた状態は以下。
目を細めた状態は以下です。
上下のまぶたが閉じているのがわかります。
ここでカメラの「絞り」を思い出してみます。カメラの絞りは、複雑な部品を組み合わせて多角形の穴を大きくしたり小さくしたりすることでレンズに入ってくる光の量を調節する機構のことです。(下図)
そして、光は回折という現象を起こすことが知られていて、障害物のふちを通ったものは裏側にも一部が折れ曲がる性質を持っています。
さて、この回折は「絞り」のふちを通った光でも当然発生します。
そして限界まで絞りを絞って(穴を小さくして)回折が起こりやすい状況で光源を撮影すると下のような写真が撮れます。
このウニみたいなトゲトゲが、「絞り」によって回折して撮れた光で、光芒といいます。絞りは先ほども述べたように多角形で構成されているので、トゲトゲのように光芒が伸びます。もちろん「絞り」の多角形の数によって光芒の数も変わります。詳しく知りたい場合は以下の参考資料をご覧ください:
では、ここで、まぶたの話に戻ります。
最初の図を見てください。まぶたは、上下についていて目を細めるとそれらが徐々に閉じていきます。目を細めた状態とはつまり、上下二枚の「絞り」が閉じている状態だと考えられます。
ここで、実験をしてみました。
以下のように、カメラのレンズの前にまぶたを模した上下二枚の厚紙を固定しました。
正面から見るとこんな感じで、上下の厚紙の間に隙間を空けています。
隙間の大きさを変えながら、光源の撮影をしていきました。
まず、隙間をかなり大きくしてレンズにかぶらないようにした状態(完全にまぶたを開けた状態をイメージ)。とてもまぶしいですが、目立つ光芒は見えません。
ちょっと閉じる。おや。もうそれっぽい。
もうちょっと閉じる。おやおや。
さらに閉じる。
おそらく、こういったことがまぶたでおきているんじゃないか、というのが僕の仮説になります。
ただ、まぶたの前にはまつげや前髪など回折しまくりそうな物体がたくさんあるので何とも言えません。。
(実際に光源を見るとき、前髪のあるなしで、横や斜め方向の光芒が増えたり消えたりするので…。厚紙につけまつげでもつけてみましょうか…?)
実際にまつげの光芒をコンピュータ上でシミュレーションする研究などもあるようです。
しかし、子供のなぜ?はとても面白いものです。あたりまえの現象すぎて今まで疑問にすら思いませんでした。