アニメ『プリンセス・プリンシパル』感想
アニメ『プリンセス・プリンシパル』視聴しました。
友人からおすすめされていたうえに、黒星紅白先生のキャラ原案がかわいいなと思っていたので放送当時から観る気はあったんですけど、やっと腰を据えて観ることができました。
オムニバス形式の作品なんですが、時系列が話数ごとに入り乱れていて最初はちょっと戸惑いました。でもそこがいい! ちょっとずつ話やキャラクターたちの秘密が解明されていく感じがゾクゾクしましたし、再見性もある作品構造になっていて、構成の妙であると感じました。最終話のあと、もう1回始めから見たくなる。
第一話でアンジェが嘘つきであるということを印象的に描き、「スパイは嘘つき」というキーワードをフックにしていたので、私はアンジェの一番奥底の嘘というか、心の奥の真実をさらけ出すのを最終話でやるのかと思っていました。しかし、実際にはそうではなく、最終話にさらけ出されたのはプリンセスの心の奥でした。
アンジェの本音というのはその数話手前で既にさらけ出されてきていて、主人公たち全員が最終話の前から窮地に陥るんですけど、その絶体絶命のピンチで引き出されたのはアンジェの本音というよりはプリンセスの本音のほうで、そして仲間たちの向かうべき方向の舵をきったのも、そのプリンセスの決断でした。
最後まで観てこそ、「だからタイトルが『プリンセス・プリンシパル』だったんだな」と感じられる作品だと思います。
主人公はアンジェのほうだと思うのですけど、作品のキーになる人物というか、作品のなかに秘められた一番大事な宝物はプリンセスの心なんだな……ということを最終話まで見て感じて、作品構成がうまい! 最高!! と思いました。
スチームパンクな世界観なんですけど、背景美術がずっとめちゃくちゃきれいで密度が濃くて、ずっと劇場版か? って思いました。 キャラはポップなのにやっていることはハードボイルドで、だけど可愛いキャラのおかげでちょっと柔らかさや優しさを感じられる部分もあり、そのアンバランスさが絶妙でした。
劇場版も観るしかない。