20241219壁の話
政治の話をするのもなぁ〜と思ってたけど、他に書くところが無いので書いてしまう。
「178万円を目指す」という言葉の綾
3党の幹事長合意で「178万円を目指す」と聞いたときには、国民民主党ほんとにやってくれたぜ!こんなあっさり決めてしまうなんて。と初めは思った。
ただ自分は疑り深いので、待てよ、「178万円にする」じゃなくて「目指す」なんだよ。
自民党は目指すだけで実現させると約束はしてないじゃん。と思い直した。
そして案の定の冒頭記事。
恐ろしいぜ自民党…。
恐ろしいぜ政治の世界。
123万円とはいえ良かったじゃん。でいいのか?
記事は示せないが、どこかで123万円に上げる根拠は物価上昇率に準じていると見かけた。
1995年の消費者物価指数が96で2023年が105.6、約1.1倍の物価上昇で、123万を103万で割ると1.1941…で近いっちゃ近い数字になるけどそれであってる?有識者求む。
物価上昇に合わせて壁を動かすなら、今後も数年に一度物価変動を踏まえて壁をズラすようにしてもらわんとな〜と思うんですが。
※物価上昇については下記サイト参照
国民民主党が示す根拠は下記。
実質賃金が物価上昇に追いついていないうえに、生き血を啜るように社会保険料も吸い上げられるなかで123万までしか壁を動かさないっていうのは妥当なんだろうか。
あまり話題にならない社会保険106万の壁
所得税の103万の壁が動いたとて、頑として動かない壁がある。
社会保険の壁。
106万の壁、撤廃。
撤廃!と聞くといいニュースのように聞こえるが、そうでもない?
賃金上昇もあって106万の壁は撤廃。ただし週20時間未満なら加入せずに済む。
であれば週19時間に抑える人が大多数なのでは?
仮に所得税の壁が178万円まで動いていれば思い切って働く!という人も出たと思うが、123万では…。
配偶者の被扶養者になってる人は大体週19時間までに抑えると思うなぁ。
まだある壁、130万の壁
もうお腹いっぱい…ということなかれ。
社会保険の被扶養者の対象内外がわかれる130万の壁をお忘れなく。
自民党案の123万の壁の場合、130万未満なのでこれはちょうどいいといえばちょうどいいのか。
何を主眼に壁を動かすのか。
国民民主党は「国民の手取を増やす」を公約に選挙を戦い、議席を伸ばし、その公約に準じている。
玉木党首がYouTubeで語っていた経済感では、「ようやくデフレを脱しつつある中で、今利上げを急ぐと危ない。もう少し緩和路線が良い」という話もあり、178万円の壁は減税インパクトが大きくシンプルに国民の可処分所得が増えるので更にデフレを脱するし、消費拡大によってデマンドプルインフレの流れを作ることにもつながるように感じる。
対して自民、公明党が壁を動かす主眼は何なんだろう。
予算案を通すために国民民主党に合わせたのか、財源を守りながらも減税のために物価上昇率に合わせた123万円まで壁をずらしたのか。
特定扶養控除103万の壁引き上げ
大学生を扶養する親の特定扶養控除について、103万から150万に引き上げる(これは元々国民民主党の要望が通った形)
シンプルに朗報。150万を超えても突然親の所得税が増えないように段階的に課税される制度も検討されるとか。
これで下宿してる大学生の働き過ぎで年末調整にて血涙を流す親御さんが減るかと思うと感無量です。
ただ、150万まで学生が働いた場合130万の壁を超えるんで社会保険は親の扶養から外れて自分で入らないとダメなのでは?
したら、社会保険料引かれるから130万円未満で働くの止めそうに思うけどどうなの。
社会保険から医療費の還付請求されるという悲劇は起こらないのだろうか。
壁がありすぎてよくわからない
なにはともあれ壁がありすぎてよくわからないという話に尽きる。
noteにしたためながら整理できればと思ったけど、途中でわけがわからなくなってしまった。何回もGeminiに「壁について教えて」って質問した。
労働者もややこしすぎて制度を網羅的に理解して最適解で働けないのでは?(それが狙い?)
今後の注目ポイント
日本維新の会
178万円の壁が決裂した一因が日本維新の会じゃないかという話。
教育無償化のチームを立ち上げられたことで補正予算に賛成するとかなんとか。
仁義無用の政局である。
178万円頓挫でおいー!と思うが、教育無償化もめちゃくちゃ大切だと自分は思ってるので悩ましい。
ただ、前原代表の面の皮の厚さはさすがに分厚すぎると思う。
来年度予算が通るのか
今回の出来事でやはり少数与党のため、いずれかの野党要望を与党は飲んでいくしかないことが見えたように思う。
国民民主党は178万円決裂な以上、反対する立場。維新の会は教育無償化が前進したら賛成するのか?最大野党なのに余りに存在感と人気のない立憲民主党は何をするのか、与党が安い餌で野党をうまく釣るのか…
なんかドラマにできそうな展開になりそう。
参院選で自民党がどうなるのか
此度の三党合意宙に浮く事件はかなり興味深く、「178万円まで減税した場合のプライマリーバランスの取り方は与党が考えろ」という国民民主党のスタンスにもある種驚き、スルッと言葉の綾で123万円で着地する自民党にも驚き、お互いが「向こうがボール持ってるねん」と言い合う様はある種失望というか、ある種の諦観を感じもする流れであった。
前向きに協議するっちゅうことが出来んのかと。やれることやれないことのすり合わせもできんのかいと。
まぁそれは個人の感想なんだけど、ニュースで抱く印象は「自民党、せこいな」じゃなかろうか。
そんな中で次の選挙において自民党の議席がどうなるのか興味深い。