立ち上げ2期目のISが起こした“非常識”な挑戦
こんにちは、株式会社Another worksの渡邉 (@mntkwtnb)です。
インサイドセールス(以降IS)のマネージャーを担当しています。
インサイドセールス Advent Calendar 2023!
昨日、LayerX ISマネージャーの松本さんの素晴らしい投稿を皮切りに、アドベントカレンダーが始まりました!
本日は2日目、私から発信をさせていただきます!明日以降も各ISプロの皆さんから素晴らしい経験・ナレッジが発信されていきます〜!
まずnoteの執筆が個人的にも久しぶりでwこの機会によって、ISという素晴らしい職業について改めて整理し、言語化することができました。
茂野さん(@insidesales_job)、改めて企画ありがとうございます!
◆今回の記事で伝えたいこと
IS立ち上げ初期〜成長フェーズでの生々しい実践
初期フェーズでの多くの“失敗”と“これはいいかも!?”と思った兆し
王道はもちろんめちゃ大事だけど、一般的な常識は疑っていいという事実
◆読んでほしい人
ISの方々!
ISではなくてもセールスに従事するみなさん
セールス組織づくりを担う経営者、事業責任者
私は約2年半前、IS1人目でAnother worksに入社し立ち上げに従事し、そこから現在は約10名の規模感に成長する過程を経験しました。初期から成長フェーズでの変化をたくさん経験し、「非常識」な取り組みもたくさんしてきました。
ISに従事している人はもちろん、従事していないセールスの方でも参考にできる内容だと思います!ぜひ読んでください!
1チームから“3チーム化”への挑戦
私が属するAnother worksでは、「複業クラウド」という、複業したい人と企業や自治体を複業マッチングするプラットフォームを提供しています。
「挑戦する全ての人の機会を最大化する」をビジョンに掲げ、複業という挑戦機会を創出し続けています。
同社のインサイドセールス部隊では、
まずこの「複業者(=パラレルワーカーー、兼業者、個人事業主などとも言います)」が企業の様々な事業課題、経営課題の解決になることを啓蒙し、
このソリューションに納得とご期待をいただくことを主なミッションとしています。
チーム編成を1から“3”へ
ここでの目的は「商談数の増加」です。
まず行った施策が、
・BDRチームの立ち上げ
・パートナーセールスチームの立ち上げ
これにより、「SDR」「BDR」「パートナーセールス」この3つのチームを組織内に構成しました。
※“SDR”や“BDR”という言葉の意味はマツリカさんの記事がわかりやすかったので載せておきます!あとはもちろん茂野さん!
たくさん有効商談を作りたい!
FSが暇にならないように十分な数の商談を作らねば!
こんな思いで限られたインバウンドのリードからあの手この手で商談を作り続ける方法を考え、過去のイベントで獲得したリードからも掘り起こしができるようにアクションしまくりました。
僕たちで言えば「複業の社会実装」を命題に、多くの企業に訴求しまくる動きです。
とにかく
・流入5分以内架電
・最低5回アクション
・流入から3日以内に5回コール、2回メールアクション
・ナーチャリングメールで反応率計測、HOTだけ架電
世に出ているISノウハウはほぼ全部やってきた自負があります。
でも言えるのは、「とにかくアクション数」、「気合い」、「基準を下回らないように」ここに頼るしかなく、必ず頭打ちタイミングがきます。
・・・
そうです。
限界がきました。
ISを立ち上げて1期目、月に約100ほどの商談機会を作りました。
このときの商談リードソース(商談のきっかけになる施策)の内訳は、
・オーガニック(自然)、問い合わせ流入
・広告(Facebook、リスティング広告など)流入
・イベント(ウェビナー、展示会)
・ハウスリードからの掘り起こし獲得
という、
いわゆるSDRの獲得経路のみです。
簡単に言うと、この地点でこれ以上「伸ばすのが難しい」という状況になりました。予算を上げるか、大きめなイベントに出るかしない限りはリード獲得増大は難しい状況です。
広告予算は無限ではないし、イベント予算もじゃんじゃん湧いてくるものでもありません。
経営との話し合いでもありますが、イベントを含めた広告予算は、年間でほぼ決まっていて、引き上げは相当難しいのが現状かと思います。
(無限に予算があったらそれはどんな世界なんだろう、、w)
SDRの天井がおおよそ見えた段階(企業、サービスに完全によりますが、弊社では広告予算が変わらず、一定のリード・商談が獲れている、しかし伸びも鈍化し3ヶ月ほど停滞している状態)でした。
そのタイミングでまず始めたのが、
・BDR
・パートナーセールス
この2チームの立ち上げです。
そのため、IS内に3チーム「SDR・BDR・パートナーセールス」が存在している。この時、マネージャーを含め正社員は7名、業務委託を含め10名程度の組織になります。
BDRやパートナーセールスの役割
よく言われるBDRの役割として、
「ABM(=簡単に言うと、自社サービスの粗利が高く穫れるターゲット企業に狙いを定めてアプローチする手法)」による、ターゲット企業のアプローチです。
弊社でもその役割を持つチームをつくり、特にターゲットとなる企業に
・電話
・メール
・問い合わせフォーム
・SNSのDM
・手紙
のツールを活用し、あらゆる方向から訴求しにいきました。
ターゲットなので、「電話に出ない」「メールで返事がない」は活動を止める理由ではなく、「考えうるすべてのツールを駆使」「タイミング」の2つのポイントを見てどうだったか?
ここを成功の基準に置きます。
次々と新たなリードが発生するSDRとは少し違った動きで、当然商談数もさがりますが、その分大きな粗利を期待できる施策になっています。
また、パートナーの役割は、ターゲット企業(主にSMB=スタートアップ、中小企業)を対象とする決裁者の商談を増やすことです。
パートナーセールスについての詳細はまた別で書こうと思いますが、
メリットはリードタイムが短いことです。
多くのパートナーが知り合いやハウスリスト、既存顧客のなかからクロスセル提案として紹介してくれることが多いので、SMBだとすでに権限を持つキーマンに紹介がいくことが多いです。
そのため、パートナーセールスを立ち上げたことによって、定常的な売上と商談の確保ができるようになってきました。
SDR・BDRの次にパートナーセールスを立ち上げて、さらに基盤がつくれたのでやってよかったと思います。
逆に、自社でターゲティングができていない状態でパートナーセールスを依頼してしまうと、望まないアポイントが量産されるおそれもあるため、やはりSDR→BDR→パートナーセールスという順番も間違いなかったと思います。
とはいえ、パートナーセールスについては、初期の教育、オンボーディングや日々のコミュニケーション(パートナーに動いてもらうため)は欠かせなく、結構なリソースを必要とするので、そこも加味した組織づくりが必要です。
4つの“非常識”な挑戦
非常識1:ターゲティングによるアプローチ未実行戦略
非常識2:BDRチームに失注担当?!
非常識3:成果報酬リファラル体制
非常識4:圧倒的パートナー提携数から見えた有効パートナーの定義
チームの構成を3つに分けることに加え、おそらく一般的に見ると非常識?な施策をしてきたので、4つ紹介してみます!
非常識1:ターゲティングによるアプローチ未実行戦略
インサイドセールスといえばテレアポ。
インサイドセールスといえば、まず電話で第一接点をとる。
これは工数がいくらあっても足りないのでやめました。
(ちなみに熱意ある方を大募集中なので助けてください泣)
限られたリソース、限られた時間のなかで、いかに成果を最大化するかを考え、まず取り入れたのが下記のような顧客を階層ごとにターゲティングすることです。
実際にTier3などの顧客層であれば、メルマガによるテックタッチをする企業も多いかと思いますが、弊社でも「予算をかけて獲得したインバウンドリードとしても、条件に達しなければ初回の電話をしない」という意思決定をしました。
条件に達しない該当リードは、
・獲得率を中長期でみる(先でもとれればOKとする)
・獲るタイミングをずらす(獲らないわけではなく、獲れるタイミングを作る)
ことを決め、【獲るべきタイミングで機会を獲りに行く】ことにフォーカスしました。
この決定により、いくら緊急度が高そうであっても条件が合わなければ、電話をしない。
期間を広げ、単月足下の効果ではなく、総合的な費用対効果を見るようにしてます。
はじめ、新規の熱いリードはいち早く!絶対落とすな!
という精神でやってきたチームにとっては、この決定はかなりチャレンジングでもありましたw
非常識2:BDR部隊の失注担当?!
よくある「失注企業の掘り起こし」については、SDR(インバウンドリード対応)を行うチームが新規対応担当と分かれて行うケースが多いです。
しかし私たちはアウトバウンドのイメージが強いBDRに失注掘り起こし専任を置きました。
メリットは3つあり、
特に大きいのは①で、失注企業すべてにあたることも正しくなく、ターゲティングと失注理由によってあたり先を決めることが成果の最大化に繋がります。
どうしても新規リードが増えると、チームで優先されるのは新規リードになってきます。ですので、重要な失注アプローチを欠かさないためにもアウトバウンドの意識で集中して獲得していきます。
大事なのはどこのチームに所属するかではなく、
誰が何をするか、役割を明確に持ってチーム内の連携をスムーズに行うこと
だと考えています。
非常識3:成果報酬リファラル体制
これは少し特殊かもしれませんが、弊社では「複業したい人」と「企業」をマッチングするプラットフォームですので、「複業したい人」がプラットフォームにたくさんいます。
個人の方(業務委託契約)に複業クラウドが合いそうな見込み顧客を紹介してもらい、成果に応じて報酬をお支払いするスキームを選択しています。
法人同士や顧問の人脈営業の提携はよく聞きますが、個人との業務委託提携による紹介制度は珍しいかなと思います。
ただ業務委託パートナーからすると、普段業務のなかでメインミッションではないため、いかに紹介しやすい体制を作れるかがポイントです。
弊社ではコミュニティ化し、定期的な事例紹介、パートナー同士のオンライン交流会などを行い、サービスを好きになってもらう取り組みをしています。
「複業したい人=ユーザー」にもファンになってもらうことがポイントです。
非常識4:圧倒的パートナー提携数にフルコミット
パートナーセールスを始めた初期段階、どのようなパートナーさんと提携して、なにをするのが正解かわからない状態だったので、一般的に正解とされる「選択と集中」を捨て、「期間限定量振り切り戦略」をとりました。
とにかく多くのパートナーさんと提携をして、圧倒的にリソースをかけて手触り感を持って提携を進めると決めました。
そして3ヶ月集中し、提携数を50社から100社以上に、数にして2倍以上に増やしました。
上述の通り、やったことは初回MTGでの見込み数(すぐに紹介企業が思いつくかどうかも大事!)を聞く、紹介可能性のある方全員にオンボーディングをする、日々のコミュニケーションを密に、事例をたくさん共有して引き出しを増やしてもらう、などなど、基本的なことばかりです。
やってみた結果、いまでは10〜15社がコアパートナーとなり、今も良好な関係性で続けていただいております。
関係構築のためには、とにかく自社でやってみて得たものばかりです。
チームに浸透させる挑戦
どんなに優れたアイデアも、
どんなに優れた施策でも、
継続性と再現性がなければ繁栄はありえません。
ここでいう繁栄とは、「施策効果の最大化」であり、新たな施策を成功させるための「成功基準の言語化」です。
意識していることは、いかなる施策でも継続性を持たせ、“致命的な”失敗をしないことで、常に念頭に置いています。
下記は実際に新施策を始める際に、施策思案者とマネージャーが確認し合う施策の効果測定基準シートです。
・そもそもこの施策の目的は?(WHY)
・その施策ってなんだっけ?(WHAT)
・いつまでに効果測定するの?(WHEN)
・誰が担当し、誰の、何のための施策なの?(WHO)
・どうやって行う?(HOW)
・撤退ライン、施策中止のタイミング(TIMING)
これを活用することで、施策の目的や日々の行動基準を定めています。
最近私が反応した言葉があります。
「ブレてぶれて、ブレまくって生きるのが人生だし、最初から一直線に生きられる人間なんて誰もいないすよ。」(引用:『ROCK AND READ 087』)
施策もやってみてダメだったとか、昨日これやろうって言ってみたけどやっぱこっちのほうがいいんじゃね?!
ってよくあって、最初にブレることは悪くない。
でもやると決めたらまず意思をもって集中してやってみる。
失敗すれば貴重なデータにして、次回に活かす。納得いくまで何度も何度もメンバー同士会話することでブレをなくしていけるんだなと、改めて強く感じます。
いまの目標は、ISでドリームチームを創ることです!
正解のない問いに前向きに向き合い、ともに議論して探しにいける仲間とはたらく。ISは特に領域が幅広いので探求しがいがあります!
ここまで感情もダダ漏れのnoteをお読みいただきありがとうございます!
明日以降のISプロフェッショナルたちの投稿も楽しみです!
また、Another worksはともに働く仲間も募集しています!!
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