VUCA時代のキャリアと、アセスメントの取扱い
ESG投資の観点から、企業においては取締役の多様性に注目が当たっています。最近では、取締役の経験の違いを表に記載して、多様性をアピールする企業の統合報告書を見ることも増えました。経営の経験、海外勤務経験、新規事業経験、IT領域の強みなどです。最近、話題になったのは、取締役一人一人の特徴をアセスメントを使って測定し、情報開示した企業です。丸井ではストレングスファインダーの結果を公表しています。
参考:丸井グループ「丸井グループ役員の特徴的な資質 TOP 10に迫る」
アセスメントを活用するメリットは、自分の特性や他者との違いがわかり、自己理解と他者理解が進むことです。例えば、ストレングスファインダーでは、その組織で一人だけしかもっていない強みを持っていた場合、貴重な存在であり、マイノリティであることがわかります。
一方で注意点としては、開示には本人の同意が必要であることと、レッテルを張って判断したり、型にあてはめすぎないようにすることです。
私が認定ユーザーの資格を持つ「MBTI」というアセスメントツールは、受験者の自己理解や他者理解を推進することを最優先に考えており、フィードバックには認定ユーザーが時間をかけてじっくり行うことが義務付けられています。また、性格判断や適職判断には使わないことを理念としていますが、そうでない使われ方をされていることもあります。トレーナーでもあるカレイドコンパスは、どの指標も同じく価値があることを伝えています。
変化が大きい時代になると、アセスメントツールへの関心が高まります。VUCA時代と言われる中、漠然とした不安から誰かに自分の進路を決めてほしい、という思いが強くなっているのではないでしょうか。けれども、どの時代も魔法の方法は存在せず、自らの情報収集や行動の蓄積で次の道が拓かれていきます。アセスメントツールはそれを助ける一つの手段で、信頼できる人への相談や、自分自身の体験を通して確かめていくことだけが、確かなことになるのではないでしょうか。上手に使っていきたいものですね。
参考:.globis career note より VUCA時代とは