能力主義とインクルーシブ教育
定期的に参加しているインクルージョン研究会の今回のテーマは、「権利としてのインクルーシブ教育―例外的な統合教育は能力主義を強化する―」。身体障害を持ちながら、小中高と通常学校で学ばれた方のお話をお聞きしました。
印象に残ったことは「能力主義」「学力主義」というお話です。結果を出さなければ見捨てられる。この場に居られない。子供時代、誰もがそのような想いを持った経験があるのではないでしょうか。
「勉強でなくても、何か一つでも得意なことがあればよい」と言われるものの、スポーツやグループの中で好かれること等、結局のところ、“何かに秀でていること”が存在価値のように捉えられがちです。
主観的には、それらの状況は「恐れ」からきているのではと思います。学力で秀でていなければ社会でうまく適合できないのではないか、そのためには学力を高めるための環境を作らなくてはならない、それ以外のことは環境に入れないほうにしなくてはいけない、というものです。
けれども、現実には学力の違いやスポーツが得意不得意、コミュニケーション力の違い等、体格の違いや障害の有無、考え方の違い等、多様な違いを持つ人が共生しています。
それであれば、小さい頃から多様な人を出会う場を創り、共生について考えていく機会があったほうがよいかもしれませんね。
情報社会において、何かの枠で囲おうとすることは難しいものです。
今回も、インクルージョンについて深く考える機会となりました。ご参加の皆様、ありがとうございました。