失敗する権利と、キャリア戦略
先日、講師仲間との勉強会で印象に残った話の一つが、「人には失敗する権利もある」というものです。つまり、周囲が先回りしすぎてレールを引いた上に相手を乗せるのではなく、うまくいかないことも想定しつつ自分で選択してもらうことが大切というものです。
そうはいっても、現実社会では難しいところもあります。
親としては、自分のような苦労はさせたくないからエスカレーター式で進学できる私立の学校に入れる。あるいは複数の習い事をさせて対応できるようにする。
上司として、部署の成果発揮にもつながるように、メンバーの行動を先回りしてトラブルの根を刈り取っておく等、周りでも頻繁に見られる事象ではないでしょうか。
私自身も子供時代や若手の時は、周囲からそのようにお膳立てがあったものです。そして自分が親やリーダー的立場に立つと、先回りしすぎる行動がでてしまうのです。
そんな時は相手の中長期的なキャリア(人生すべて)を考えると良いかもしれません。ここで失敗することが、数年後の人生にどう影響を与えるか、この失敗は、数年後のキャリアにどう影響を与えるだろうかというものです。
実際に、私自身も仕事で実績が出せなかった時にどのように状況を突破できたか等、失敗を乗り越えた出来事に深い気づきを感じています。
人生の充実度をグラフにしたときの、折れ線グラフの谷の部分。つまり、充実していない出来事、失敗だと感じる出来事の数は、木の年輪の多さのように、自分自身の味となっていくと実感します。
周囲からは、あえてしばらく様子を見て主体的な行動を促す姿勢も大切にしたいものです。同時に、心理的安全な場を醸成できているかどうかも確認しておきたいものです。安全な場でなければ、相手は挑戦すらしないからです。
研修やキャリアコンサルティングの場でもお伝えしています。