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子供の目線から始まる、ダイバーシティへの道
10歳の時に父に言われた言葉で人生が動き出したと今でも思っています。
「親に何かあったら、弟は男だから大学に行かせなくてはいけない、お前は女だから働いて弟を支えなさい。」というようなことでした。
父は子育てには無関心でほとんど会話がなく、怖い存在でしたが、ある病気で入院したため気弱になったのか、話しかけてきたのです。めったに会話しない言葉がこれで、小学生ながらに「弟と私は将来が違うんだな」と衝撃を受けたことを覚えています。親が高齢だったので、現実になるのではという恐怖もあったのです。同時に、内向的だった私にとって、それが大きな転機となり、行動がかわることとなりました。
「親に何かあったら、自分の人生は自分で選べずに、男性をサポートする人生になってしまうのではないか。男女で違いがあるのはおかしいのではないか?」と感じ、やりたいことを見つけて、社会に出ないといけない、と行動を起こしたのです。そうして8年がかりで学びたいことをみつけ、親を説得して大学に行かせてもらったという経緯がありました。
とはいえ、保守的な両親の考えは急にはかわらず、社会人になると「女性は子供を産んで一人前」と言い始めて、その対応にまた苦労することとなります。
私が子供ながらに「なぜ、性別の違いで決められるのだろう」「なぜ、やりたいことを自分で決められないのだろう」と違和感を感じることができたのは、救いだったなと思っています。おそらく、本を読んだり、大人たちの言動を観察していて、気づく力は持っていたのでしょう。
一方で男性の中には「働き続けること」が常とされて、そのために進学や就職のプレッシャーを感じていたり、親の勧めで仕事を決められていたという方もいらっしゃいました。
なぜなのだろう、どうしてだめなんだろう、そう気づくことからすべてが始まると思います。気づくための情報を得ることができることや、聞いてくれる人がいて言葉に出していい環境であること、それさえあれば、道を開いていくことができるのではないでしょうか。