降り止まぬ雨の中、スクリーン越しにこう悟った
「表裏一体」この四字熟語が脳内で踊り出す、『天気の子』はそんな映画だった。
作中、駆け巡る感情に幾度となく振り回されながらも、心の奥底には間違いなく世の中の確信が芽生えていた。
晴れを望む人も居れば、雨に病まないでと請い願う人も居る。
自らの幸せは、気付かないところで他の誰かを痛めつけているかもしれない。
あの子の笑顔を支えているのが、地球の裏側の涙だったら?
「表裏一体」
幸せを選ぶには、責任が伴うのだ。
何があっても、その幸せを貫く責任が。
そして、生きていく上で、人は何かを選ばなくてはならない。
世の為人の為に生きるのか、己の欲求を第一に考えるか。
まだ見ぬ場所へ足を踏み入れるか、安全牌を手に取るか。
敷かれたレールを辿るのか、いばらをかき分け進むのか。
「大人になればなるほど、優先順位を選べなくなる。」
でも本当は、選ばなくちゃいけない。
たまには、なりふり構わず突っ走らなくちゃいけない。
それが、生きる、生き抜くってことだから。
「表裏一体」
“はい”と“いいえ”はどちらもすぐそこにある。
色眼鏡を外して、自分の目で、同じ場所から見比べねばならないのだ。
過去は美しい。
でも忘れちゃいけない、私たちは「生きている」ということを。
未来は自分の手の内にあることを。
今できること、今したいこと、今逃げちゃいけないこと。
私は、そんなわがままとじっくり向き合える、“子供”のままでありたい。