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すきま時間の3分で読める-エッセイ

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ホットミルクとかけがえのない嫌悪感

ホットミルクとかけがえのない嫌悪感

私はホットミルクが嫌いだ。

5年程前、まだ私が高校生だった頃の寒い冬の日。

寝坊して慌てて家を出て行こうとする私に、父が決まって玄関で差し出したのは、大嫌いなホットミルクだった。

ただでさえ猫舌なのに、表面に張り付いた膜が追い討ちをかける。

“何故熱くした?”

そんな思いを牛乳と一緒にグイッと飲み込む。

そして、明け方の痺れる空気で舌を冷やしながら、よく学校へ向かった。

そんなこんな

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ぜいたくなんて日常だ【新聞掲載】

ぜいたくなんて日常だ【新聞掲載】

私にとって、ぜいたくは日常だ。

どんなに裕福な暮らしをしてるかって?

家にプールがある大豪邸で……

なんて言えたらいいけれど、現実は6畳間に住む貧乏大学生である。

週に1回、自作の茄子の煮浸しをつまみに、1本130円の発泡酒を飲む。

こんな些細なことが、私にとってはぜいたくである。

何を隠そう、日常のレベルが高いのではなく、ぜいたくのハードルが極端に低いのだ。

少し前までは、大人数で

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