高尾山かりんとうが誕生してから地域商社モデルになるまで⑧
こんにちは、MNH広報部の阿部です。高尾山かりんとうの話は8話めになりますが、今回で最後になります。
高尾山かりんとうで「地産地消」の取り組み
今回は、地産地消の話をしたいと思います。皆さんもご存知かと思いますが、地産地消とは「地域で生産されたさまざまな生産物や資源をその地域で消費すること」です。高尾山かりんとうも、まさに地産地消の商品でした。
きっかけは、多摩信用金庫主催の「東京国体に向けて東京のお土産を作ろう」というプロジェクトでした。とはいえ、多摩地域には、東京のお土産になるようなものがあまりなかったんです。それならば、地域で作って地域で販売しようということになりました。弊社の商品、高尾山かりんとうをベースに、多摩地域でさまざまな味のものを作ろう、と。
最初にコラボしたのは、東京唯一の醤油醸造元である近藤醸造(株)のキッコーゴ丸大豆醤油。試作してみたら、甘じょっぱく、まさに日本人が好む味。黒糖より美味しいんじゃないかという出来になりました。
いちごから豆乳、酒粕まで幅広く
多摩地域はほとんどが住宅で、農地が少ないのですが、色々調べてみると、各地でPRしたいものがあったんですね。例えば、日野のいちごです。売れなかったB級品のいちごを使って味付けをするのですが、生のいちごをそのまま使うのは無理なので、いったん加工する必要があります。
福祉作業所は一次加工する場所に最適
いちごを一次加工する場所はないか探したところ、福祉作業所が最適なことに気付いたのです。福祉作業所には、オーブンをはじめとしさまざまな設備が揃っています。なのに、設備を十分に使い切れていないんですね。
そこで、日野の作業所にいちごの一次加工をお願いし、いちごのへたを取ってピューレにしてもらいました。このピューレを冷凍保存して、いちご味のかりんとうを作るわけです。ちなみに、今は日野のいちごが品種改良してB級品が出なくなったため、東京都産のいちごを使用しています。
そのほかには、稲城のなしを使ったフルーティーなかりんとう、小金井の栗を使ったかりんとう、1日1万本分しか取れない東京牛乳を使ったかりんとう、豆乳を使ったかりんとうなどがあります。現在は、高尾山というお神酒の酒粕を使用して、高尾山かりんとうを作っています。
地産地消の取り組みを行うことで、微力ではありますが、地域の活性化にもつながればと。そして、地産地消の取り組みには、もう1つメリットがあります。それは、福祉作業所の人たちが、商品づくりに携わったものが店頭に並んでいるのを直接目にすることができることです。
福祉作業所の人たちは、遠足で高尾山に行くことがあるのですが、遠足時に、自分たちが作ったものが販売されているのを見ることができるわけです。それは、彼らにとって嬉しいことだし、仕事を頑張ろうというモチベーションにもつながりますよね。
大手企業の下請けの仕事の場合、目の前にあるものが自分が関わった商品かわかりませんが、MNHの場合は、自分たちが作った商品と実感できるんです。弊社の商品の良さは、そういうところにもあると自負しています。
このように、高尾山かりんとうを通して地産地消の取り組みを行い、地域商社モデルになることができました。今後も、MNHは地域の資源を活かしながら、社会課題を解決するほか、多様な人が働ける場を提供していく予定です。最後までご一読くださり、ありがとうございました。
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